金相場は反落。米経済指標が市場予想の範囲内だったことや中国のPPIがプラス転換したこと受けてドルが上昇し、金の上値は重くなった模様。米国の年内追加利上げ観測が強まっており、これも重石になっていると見られる。

9月の米小売売上高は前月比0.6%増となり、ドル指数は0.4%上昇している。イエレンFRB議長は講演で、「米国経済の回復がまだ十分ではない可能性がある」との認識を示している。そのうえで、金利を以前のサイクルよりも低く抑えておく長期的な理由に言及。

しかし、FRB当局者の最近の発言内容を、市場が年内の利上げが迫っていると解釈していることに異論を挟まなかったことから、12月の利上げ観測は維持されていると見られる。市場では約70%の確率で12月利上げを織り込んでいる模様。

現状で12月利上げを妨げるものはないが、金融危機的な株安などになれば、利上げは見送られるだろう。その場合でも、金相場は他の資産と同時に売られやすいだろう。ここからの押し目拾いはじっくりと行くべきであると考えている。

COMEX金市場での投機筋のポジションは、15万3,776枚の買い越しで、前週の20万5,176枚から大幅に減少。ロングポジションが大幅に解消され、ショートが積み増される動きが確認できる。下落基調にあるため、投機筋もさすがに買い持ちを削らざるを得なかったといえるだろう。その一方で、当業者(現物業者)はショートポジションを大幅に解消し、ロングポジションを大きく増やしている。つまり、投機筋と全く逆のポジションを構築したことになる。

投機筋については、まだネットロングが相当大きいため、今後も手仕舞いが進むことが想定される。一段安になれば、これまで耐えていた向きもさすがに手仕舞い売りを入れてくるだろう。そのポイントが1,250ドル割れになるとみている。これを明確に割り込むようであれば、大幅調整につながるリスクがある。

非鉄相場はアルミが急落。1,700ドルの節目を前に手仕舞い売りが入っている。ドル高基調が上値を抑えている。銅は続落。ドル高などが影響しているのだろうが、サポートが入らない。

4,600ドルで下げ止まるかを確認することになろう。ニッケルは小動き。次の方向性を探る展開だが、やや上値が重くなっている。亜鉛は小幅上昇。目先の急落はいったん止まった可能性がある。中国の卸売物価指数(PPI)が約4年半ぶりのプラスに転じ、低調だった前日の中国の貿易統計と対照的な内容となったことは市場に安心感を与えたが、大きく押し上げるほどの材料ではないようである。

一方、ドイツの製銅大手アウルビスは、17年の銅地金プレミアムを92ドルから86ドルに引き下げると発表。これがこの日の銅相場の押し下げ要因になったとの見方もある。上海先物取引所の銅在庫は9月末比で1万4,381トン(13.4%)増の12万1,439トンにまで増えている。今週は19日に7-9月期の中国のGDPや9月の鉱工業生産・小売売上高など主要経済統計が発表される。

これらの内容に大きく影響を受ける可能性がある。またフィリピンのロペス環境天然資源相は、鉱山の新規開発の一時停止を延長する意向を示すとともに、鉱山に対するすべての環境許可を見直す考えを明らかにした。環境破壊の防止対策を強化する狙いだが、これに対して鉱業団体は強硬に反対している模様。

ロペス氏は、前政権が2012年に導入した新規鉱山開発の停止措置を継続する考えを表明。同氏は過去に鉱山の露天掘りについて「正気の沙汰ではない」と発言したこともあるため、市場では警戒をもって受け止められている。

また、これまで鉱山などに出した約800件の環境順守証明書(ECC)を、環境天然資源省が精査する予定であるとしている。フィリピン鉱業会議所は、新規開発申請の処理は国内法で義務付けられているとして、ロペス氏が「一方的に新規(開発)許可を出さない方針は認められない」との見解を示している。

原油は小幅反落。ドル高や米国の石油掘削リグ稼働数の増加が嫌気された。ドル指数は7週間超ぶりの上昇幅を記録するなど、ドル高基調が続く中で原油相場は上昇を続けてきた。しかし、この傾向が続くのかが目先のポイントになるだろう。

米国内の石油掘削リグ稼働数は前週比4基増の432基となり、16週間連続のプラスとなっている。これは今年2月以来の高水準で、減少しなかったのは16週連続となり、1987年以降で3番目の長さとなっている。

一方、NYMEX・WTI原油先物市場では、投機筋のネットポジションは28万7,942枚の買い越しとなり、前週の25万4,503枚から急増。投機筋はやはり買いを入れていた。ただし、ロングポジションの積み増しはわずかで、ショートポジションの買戻しが大量に入っていることが確認できる。やはり、投機筋は慌てて買戻していたといえる。

この結果、原油先物のネットロングは、原油相場が急落し始めた2014年7月以来の水準にまで積み上がったことになる。つまり、これ以上のロングの積み増しはややバブル的な買いになる可能性があるということになる。

このポジションの数値は、11日までのものであり、先週の残り3日間でさらに買い越しが増えている可能性もある。そうなっているとすれば、かなりの過熱感があるとも言える。短期的には高値を維持できても、そのまま上昇するというのは考えにくいところまで買い進まれているため、今週は上値が重くなっても不思議ではない。

11月30日のOPEC総会までは様々な思惑で動くだろうが、各国の生産枠などが正式に決まるまでは、動きづらい展開になる可能性もある。また金融市場が不安定化すれば、原油相場の調整が優先されることも十分に想定されよう。