金相場は小幅続伸。ドル安や中国経済に対する不安の再燃から世界的に株価が下落したことが材料視された模様。しかし、明確な方向性が出ているわけでなく、いまは我慢の時であろう。

9月の中国貿易統計を受け、世界の株価が3週間ぶりの安値水準に下落しており、一時的に資金を金に振り向ける動きが見られるかもしれない。しかし、金融危機に匹敵するような株安になれば、金も同時に売られるリスクがあることを常に念頭にいれておく必要があろう。

また、プラチナとパラジウム下げが厳しい。これらが下げているところにもリスクが潜んでいることがうかがえる。

非鉄相場はまちまちの展開。ドル高一服となったが、世界的な株安で上値を買いづらい状況にある模様。世界最大の非鉄消費国である中国の貿易統計は不振だった。9月の輸出は前年同月比10.0%減の1,845億ドルだった。

これは今年2月以来、7カ月ぶりの大幅な減少幅。輸入は1.9%減の1,425億ドル。輸出の前年割れは6カ月連続。8月に2年ぶりの増加となった輸入は再びマイナスに転じた。輸出から輸入を差し引いた9月の貿易収支は420億ドルの黒字だった。

中国では景気減速に伴い内需が低迷しており、製造業は輸出に依存せざるを得ない状況にあると見られる。製造業の苦境が長期化すれば、大量の失業者が出ることが想定される。そうなれば、中国当局が輸出支援を狙った人民元安の誘導をさらに進める可能性もあろう。

一方、過剰生産が国際的に問題視されている鉄鋼の1-9月の輸出量は前年同期比2.4%増となった。過剰生産となった鉄鋼は安値で輸出されているが、1-8月の6.3%増からは鈍化した。

また9月の銅輸入量は前月比2.9%減の34万トンで、15年8月以来、1年超ぶりの低水準となった。前年同月比では26%減だった。銅鉱石と銅精鉱の輸入は139万トンで、前月比では4.1%減、前年比では14.9%増だった。9月のアルミおよびアルミ製品の輸出は39万トンと8月の41万トンから減少した。前年比では11.4%増だった。

9月の鉄鉱石輸入量は前月比6.0%増の9,299万トンで、2015年12月に記録した過去最高の9,627万トンに次ぐ過去2番目の大きさだった。利ざやが確保できていることから製鉄所が生産を増やしたとみられている。

その背景には、国内価格の堅調さがあるという。そのため、中国の鉄鋼輸出は2月以来の低水準となっている。鉄鉱石輸入量の1-9月累計は前年同期比9.1%増の7億6,300万トンで、9月の鉄鋼輸出量は前月比2.3%減の880万トン。1-9月の累計では前年同期比2.4%増の8,512万トンだった。

アルミは大幅反発。1,700ドル手前まで上昇し、直近高値を更新している。意外感のある上げだが、節目を超えられなければ再び売られる可能性があろう。銅は大幅続落で、4,715ドルまで下げている。これも驚きの下げだが、中国の貿易時計が影響した可能性がある。これで4,600ドルを再度試す可能性が出てきたといえよう。

ニッケルも反落。1万300ドルを割り込めば、1万ドルまでの下げは必至となろう。下げ余地が大きいだけに要注意である。亜鉛は反落。ただし、重要なサポートの2,200ドルは維持しており、安値圏でもあることから一時的に反発する可能性はある。

原油は3日ぶりに反発した。米エネルギー情報局(EIAの在庫統計で原油在庫が6週間ぶりに増えたものの、ディーゼル油とガソリンが大きく減ったことが悪材料を相殺したと見られる。

原油在庫は前週比490万バレル増となったが、ディスティレート在庫は同370万バレル、ガソリン在庫は同190万バレル減少した。一方、産油量は日量850万バレルで、前週比1.7万バレル減少しており、リグ稼働数の増加に対して産油量はまだ増えていない。しかし、これは価格上昇を待っているともいえる。

一方、中国の9月の原油輸入は3,306万トンで、前年同月比18%増加。日量ベースでは804万バレルとなり、過去最高となった。民間製油所の買いが衰えなかったことに加え、戦略備蓄の積み増しが背景にあるもよう。1-9月の原油輸入は2億8,400万トン(日量755万バレル)で、前年同期比14%増だった。

一方で9月の精製品の輸出は前年同月比21.1%増の430万トンと、製品輸出も積極的に行っている。OPECの減産合意とロシアの思惑、さらに米国の産油量の動向を考慮すれば、上値をさらに追うには材料不足のように思われる。買戻しが一巡すれば、いったんは調整が入るのではないかと考えられる。