金相場は急落し、節目の1,300ドルを大きく割り込んだ。懸念していた下落への転換が起きていると見られる。米利上げ観測の高まりと、ECBによるテーパリング示唆が材料視されたもようである。

日欧が量的緩和の終了に向かうことになれば、市場のファーストリアクションとしては金売りになるのは仕方がないだろう。その結果、ドルが上昇していることも、ドル建て金価格にはネガティブに作用するとみられる。

7日発表の雇用統計次第では利上げ観測がさらに高まり、ドルの上昇機運が高まる可能性があろう。これは株安・債券安を誘うことになる。つまり、リスクオフである。こうなると、いまの金市場を取り巻く環境から考慮すれば、いったんは売りが出ざるを得ない。いまは安易な押し目買いよりも、市場環境を確認しつつ、まずはどこまで下げるのか見極めるべきであろう。

この2週間は株価が変調をきたしやすい期間と考えている。株安になれば、このような値動きになる可能性は十分にあろう。また金の急落で銀は18ドル割れ、プラチナも1,000ドルの大台割れとなっている。地合いは悪化しており、まずは底値を確認する動きになろう。

非鉄相場は総じて軟調な展開。今週は中国勢が不在であり、動きづらいとの指摘もある。特にニッケルの下げが大きくなっている。亜鉛は下落したが、上昇基調は依然として維持されている。

原油は小幅反落。ドル高がOPECの減産合意に伴う上昇を打ち消す格好となった。ただし、米石油協会(API)が発表した石油在庫統計で、原油在庫が前週比760万バレル減となったことなどで、時間外取引では上昇している。

米エネルギー情報局(EIA)発表の統計では、260万バレル増が予想されている。例年この時期は在庫が積み上がるが、EIA統計でも在庫の減少を示されれば、サプライズとなり、WTIが50ドルの節目を上回る可能性もあろう。

一方、ベネズエラのデルピノ石油・鉱業相は、「OPEC非加盟の主要産油国が原油相場の安定に向けた取り決めに加われば、日量120万バレルの過剰供給が解消する」との考えを示した。OPECは先週の非公式会合で、原油生産量を日量70万バレル引き下げ、同3,250万~3,300万バレル程度にすることで合意し、11月30日の定例総会での最終決定を目指している。同相は「OPEC以外の主要産油国との交渉は進んだ段階にある」とし、「ロシアやオマーン、アゼルバイジャン、カザフスタンなどが歴史的な合意に参加するだろう」との見方を示しているとした。

株安・ドル高・金下落となっているが、原油相場は不気味なくらい堅調である。これがショート筋の買戻しだけが背景だとすれば、上昇は短命に終わろうが、50ドルを明確に超えるようだと違う見方をしなければならないだろう。