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金相場は続落。1週間ぶりの安値を付けた。
江守 哲
コモディティ デイリーコメント
貴金属、原油を中心とした商品(コモディティ)マーケットの要点をまとめたデイリーコメント。コモディティマーケットに精通した江守氏の鋭い着眼点に注目。

金相場は続落。1週間ぶりの安値を付けた。

2016/9/29
金相場は続落。1週間ぶりの安値を付けた。米下院金融サービス委員会の公聴会でのイエレンFRB議長による発言に注目が集まったが、ややドル高に進んだことで圧迫された。
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金相場は続落。1週間ぶりの安値を付けた。米下院金融サービス委員会の公聴会でのイエレンFRB議長による発言に注目が集まったが、ややドル高に進んだことで圧迫された。イエレン議長は公聴会で、米大統領選の共和党候補ドナルド・トランプ氏による「FRBは政治的」との指摘を否定し、さらに銀行の健全性を審査する特別検査(ストレステスト)の変更の可能性などに言及した。

また今後の利上げペースに関しては「決まったタイムテーブルはない」とし、具体的な利上げ時期に言及しなかった。これにより、徐々に値を戻す展開になった。またシカゴ連銀のエバンズ総裁が、「金融安定への懸念を理由に利上げを行うことは、FRBの物価目標を達成する能力を損なう恐れがある」と指摘し、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は「インフレが引き続き弱いため、低金利は当面続く可能性がある」との認識を示している。

しかし、原油価格の上昇にも反応しておらず、金相場自体の地合いは弱いといえる。米国株の上昇もあり、リスクオフ的な動きもみられており、このような展開が続くと金相場は上昇しづらい展開になる可能性もある。逆に株価が下げると、同時に売られる可能性もあるため、要注意であろう。

非鉄相場は総じて堅調に推移。株高などが支えたようだが、市場の関心は中国の製造業PMIに向かっている。アルミは反発。ただし、1,673ドルの直近高値を更新しておらず、一段高になるかは不透明である。1,645ドルを割り込むと調整基調に入る可能性がある。1,630ドルが重要なサポートと考えられる。

銅は反発。ただし、重要なレジスタンスの4,830ドルを超えていない。これを超えると基調が強まるため、これをまず確認することになるだろう。逆に4,775ドルを割り込むと下げが加速することになろう。

ニッケルは終値ベースでは高値を更新したが、基調が続くかは不透明である。1万630ドルを割り込むと調整する可能性もあるため、目先は早い段階で直近高値の1万875ドルを超えるかに注目したい。

亜鉛は続伸し、基調は上向きに転じている。ただし、前日の高値2,342ドルを超えておらず、終値ベースでこの高値を超えるとより強い動きを確認することができるだろう。逆に2,300ドルを割り込むと長期下落基調に入る可能性が高まろう。

原油は大幅反発。OPECが11月に開く会合で、産油量を制限することで合意したことが材料視された。2008年以来の減産合意で、供給過剰で原油相場が急落した後では初の合意となる。

OPECはアルジェリアで26-28日の国際エネルギーフォーラムに合わせ非公式会合を開き、生産量を日量3,250万~3,300万バレルに制限することで合意。OPECは現在の生産量を3,324万バレルと推計している。OPECは11月30日にウィーンで定例会合を開き、加盟各国の生産水準について合意を得る見通し。

さらに世界的な供給過剰をさらに緩和するため、非加盟の産油国にも支援を求めるとしている。今回の合意では、サウジアラビアが態度を軟化させたとみられている。サウジはこれまで「主要産油国が足並みをそろえるまで減産は行なわない」としてきた。イランのザンギャネ石油相は「OPECは例外的な決定をした。2年半をかけて、OPECは市場管理で合意に達した」と発言した。OPEC加盟国は、原油生産を日量3,250万~3,300万バレル近辺に削減する計画を明らかにした。

OPECによると、現在の推定生産量は日量3,324万バレル。これにより、OPECは日量70万バレル程度の減産決定をしたことになる。OPEC加盟各国の具体的な生産量は11月の次回総会で合意を目指す方針。さらにロシアなどのOEPC非加盟国に対しても協調減産を呼びかけるという。

サウジのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相は前日に「イラン、リビア、ナイジェリアは近年で最高水準の生産量を認められるべきだ」とし、年内の増産凍結合意はあり得るとの考えを示していた。しかし、サウジはこれまで、イランが合意に応じない場合には、増産凍結には応じない姿勢を明確にしていた。

しかし、今回このような合意に達したことは、サウジの産油政策の大きな方向転換との見方も出ている。この背景には、これまでの米国のシェールオイルを標的とした増産方針が、結果的に原油価格を押し下げただけで、自国の収入増にはつながらなかったことがあるものと思われる。

今回の決定は、産油国が一堂に会した中で行われたという点で非常に大きな意味があるものの、一方で実際にどの程度の減産が可能なのか、各国の割り当てがどうなるのかはまだはっきりとしていない。

さらに他の産油国に呼びかけるとしているが、最大産油国のロシアがこの動きに追随するかも不透明である。また、この決定により、原油価格が上昇に転じた場合や、米国の産油量が増加した場合への対応も検討しておく必要がある。

いずれにしても、現行の原油価格の水準では、多くの産油国が財政的に厳しい状況が続くため、原油価格の引き上げが不可欠との認識が共有されたという点では非常に意義のある決定であったといえるだろう。

これらの状況を総合すると、原油相場が直ちに50ドルを超えて、高値を更新するような動きは想像しづらい。また、イラクのルアイビ石油相は、OPECが採用している加盟国の生産量を推計するための2種類の方法のうちの1つについて「実際の生産量を示していない」と指摘するなど、生産量の数値についても疑念がある。

OPECは生産量を推計する際、加盟国が提出した数値のほかに別のデータも採用しているという。ルアイビ石油相が疑問を呈したのは別のデータによる数値であり、加盟国が提出する数値を下回っていることが多いという。

ただし、実際の生産量をより正確に反映していると認識されている。その一方でルアイビ石油相は、「イラクの現在の生産量が日量470万バレルに上る可能性がある」としており、欧米諸国による経済制裁前の生産量である同400万バレルを超えるとの見方を示している。実際にそうなるとは考えにくいが、これらの材料には注意が必要であろう。いずれにしても、11月末の会合の結果を待つことになりそうである。

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