金相場は下落。米大統領選の第1回テレビ討論会で、民主党候補ヒラリー・クリントン前国務長官が共和党候補ドナルド・トランプ氏に対して優勢だったとの見方からドルと米国株が上昇し、金と債券の安全資産としての魅力が低下した模様。市場では、クリントン氏を現状維持の候補とみなしており、優勢になると相対的にリスクオンになると見られる。

一方でトランプ氏が当選した場合には、米国の外交政策、貿易、国内経済の方向性が変わることから、リスクオフの扱いになっている。もちろん、これは金高要因になると考えられる。ただし、リスクオフが行き過ぎて株安となれば、債券安とともに金安になるリスクもあると考えられる。

テレビ討論会はあと2回開催される。予断を許さない状況は続くことになろう。この日は債券が買われており、利回りの低下からドル安が金価格を押し下げるはずだが、金が買われていないところを見ると、市場の投資行動はかなり交錯しているといえる。投機的なロングポジションが高水準に積み上がっていることが、目先の金相場の重石になっている可能性があるだろう。

いずれにしても、目先はやや軟調な動きになり、弱気相場に向かう可能性がある。1,350ドルは短期的には重そうである。

非鉄相場はまちまちの展開。中国の製造業PMIの発表を控えており、動きづらい面がある。買い進めるかは指標次第となる可能性がある。アルミは反落。1,673ドルまで上昇し、高値を更新したが、さすがに最近の上昇で上値がやや重くなっている。目先は手仕舞い売りが入りそうである。1,630ドルを割り込むと下げが加速するだろう。1,605ドルがサポートになるかに注目している。

銅は大幅反落。4,800ドルを割り込んだ。下げ余地が大きくなっており、4,775ドルを割り込むと、手仕舞い売りが加速するだろう。ニッケルは高値更新。一時1万875ドルまで上昇した。しかし、買われすぎ感が強く、上昇の持続性には疑問が残る。1万550ドルを維持できるかに注目しておきたい。

亜鉛は続伸し、一時2,342ドルまで上昇したが、その後は値を削っている。トレンドは上向きに転じたが、上値を買いづらいのだろう。買われすぎでもあり、深追いは禁物であろう。2,280ドルを割り込むと、再度下値をトライする形になりそうである。2,215ドルを割り込めば、中期的な下落基調入りとなろう。

原油は大幅反落。アルジェリアで開催される産油国の非公式会合でサウジアラビアとイランが世界的な供給過剰の緩和を促す生産調整で妥協するとの期待が剥落したことが売りにつながった模様。

サウジのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相は非公式会合で合意を予想していないと明言した。一方で、大幅な生産調整や供給削減の必要はないとした上で、イラン、リビアとナイジェリアが産油量を近年での最高水準に引き上げることを認める意向を示したもようである。

結局は、増産抑制で合意することはもともと困難だったという結論になるだろう。各国が産油量を増やし、供給過多が原油相場を著しく引き下げない限り、緊張感を持った話し合いはできないのかもしれない。

イランのザンギャネ石油相は、アルジェの会合は「決断の時期ではない」との認識を示しており、今回の会合では少なくとも明確な合意はないだろう。11月末のOPEC総会で、そのあたりの話が出るのか、またロシアなしでOPEC加盟国だけで合意するのかを見極めることになりそうである。

現状では、すぐに原油相場が50ドルを超えて、高値を更新する動きは想像しづらいのが実態であろう。