金相場は4日続落。米ボストン連銀のローゼングレン総裁が先週末に「早めの利上げが妥当」とのタカ派的な発言を行ったから、早期追加利上げ観測が再燃し、金利を生まない資産である金はこの日も売られやすい展開が続いた。

一方でアトランタ連銀のロックハート総裁が利上げ実施に「切迫性はない」と指摘し、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁も「利上げを急ぐ必要はない」との考えを表明したことで、米早期利上げ観測が後退し、ドルに売りが出たことが一因となり下値も限定的だった。

さらにこの日の最大の関心事だった、FRBのブレイナード理事の講演では、「利上げには慎重さが必要」と、雇用改善と物価上昇の関係が弱まっている中では「早期の政策引き締めに説得力がない」との考えが示されたことで、さらに下値はしっかりした。

9月の利上げ確率が大きく低下したことで、金相場の下値は限られると思われるが、目先は1,320ドルを維持できるかがポイントになりそうである。今後はFOMCまでFRB関係者の発言が聞かれなくなるため、ますます金融市場動向に左右される状況になるが、それらが長期的な見通しに影響を与えるものではない。日々の値動きは確認するものの、長期的な方針は全く変わらない。

非鉄相場は軟調な動き。米国の早期利上げ観測や世界的な株安を背景としたリスク回避の動きが強まっているようである。特にこれまで堅調だった亜鉛の下げが顕著になっており、長期トレンドラインを目指す下げの動きにある模様。

またアルミも安値を行進するなど、やや懸念すべき動きもみられる。銅は何とか反発したが、上値は重い。また最近堅調さを見せていたニッケルもこの日は大幅安になっており、調整色がやや強まっている。最近の在庫増加傾向など、中国からの現物搬出の可能性を指摘する向きもあり、これが中国の需給緩和を示しているとすれば、非鉄相場の上値は重くなることも想定される。

原油は反発。供給過剰懸念を背景に売りが先行したものの、ドル安が下値を支えた。米国内の石油掘削リグ稼働数が7月初から増加傾向にあることから、米国内の供給過剰懸念が上値を抑えていたが、この日は利上げ観測の後退を背景としたドル安や米国株高により買戻しが入った模様。

ただし、WTI原油は46ドルを挟んで方向感は出ていない。市場では、最新週の米国内の原油在庫は前週比450万バレル増になったと予想している。前週は同1,450万バレル減と、1999年以来の大幅減となっていた。一方、OPECは26~28日にアルジェリアで非公式会合を開き、増産凍結を協議する。ただし、実現性はほとんどないとの見方が大勢を占めている。

OPECの9月月報によると、8月の産油量は前月比日量2万3,100バレル減の3,323万7,000バレルだった。サウジアラビアやイランは増えたが、ナイジェリアやリビア、ベネズエラが減少した。サウジの産油量は2万8,000バレル増の1,060万5,000バレルで、イランは制裁解除後の増産を継続していることから、2万2,300バレル増の365万3,000バレルだった。

クウェートは4,100バレル増の279万1,000バレル。ナイジェリアは武装勢力の破壊活動などを背景に5万1,200バレル減の146万8,000バレルとなり、リビアも内戦の影響で2万1,300バレル減との29万2,000バレルに落ち込んだ。ベネズエラは1万2,800バレル減の210万4,000バレル。イラクは2,000バレル減の435万4,000バレル。

8月の世界全体の石油供給量は日量14万バレル減の平均9,565万バレルで、OPEC非加盟国の産油量は11万バレル減少した。OPECのシェアは前月比横ばいの34.7%。16年の世界需要見通しは9,427万バレル、17年は9,542万バレルで、前月の予想に比べてそれぞれ1万バレル上方修正された。