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金相場は3日ぶりに小幅反発
江守 哲
コモディティ デイリーコメント
貴金属、原油を中心とした商品(コモディティ)マーケットの要点をまとめたデイリーコメント。コモディティマーケットに精通した江守氏の鋭い着眼点に注目。

金相場は3日ぶりに小幅反発

2016/8/29
金相場は3日ぶりに小幅反発。イエレンFRB議長は米ワイオミング州ジャクソンホールで講演し、「追加利上げの根拠がこの数カ月で強まっている」としながらも、具体的な利上げ時期に言及しなかったことから、ドル売り・ユーロ買いが加速し、金相場は一時1,346ドルまで上昇する場面があった。
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金相場は3日ぶりに小幅反発。イエレンFRB議長は米ワイオミング州ジャクソンホールで講演し、「追加利上げの根拠がこの数カ月で強まっている」としながらも、具体的な利上げ時期に言及しなかったことから、ドル売り・ユーロ買いが加速し、金相場は一時1,346ドルまで上昇する場面があった。

ただし、その後は、フィッシャーFRB副議長が9月も含めた早期利上げに前向きな姿勢を示したことからドルが上昇し、金相場は圧迫された模様。これを受けて、米早期利上げの可能性が一気に高まっており、金相場は当面は上値を抑えられる可能性が高まっているとみられる。

9月2日発表の8月の米雇用統計次第となるが、ここをどのように通過するかで、金相場が本格的に上昇するタイミングも変わってくるだろう。基本はドル安だが、目先の利上げがドル高を誘い、結果的に金相場は下押し圧力を受けるとみられる。1,300ドルから最大で1,270ドルまでの調整は視野に入れておきたい。

しかし、ドル高で株安になり、これが安全資産としての金の価値を高めることで、金相場は底打ちし、上昇に転じると見られる。これまでの傾向より8月は金にとっては買いの季節であると考えられ、押し目を拾う準備をしておくべきであろう。

CFTC発表の投機筋のCOMEX金先物市場におけるポジションは26万4,854枚の買い越しで、前週の25万3,676枚の買い越しから増加した。買いポジションは28万9,936枚で、前週の28万3,303枚から増加し、売りポジションは2万4,982枚で、前週の2万9,627枚から減少した。投機筋はいまだに高値を買っていることになる。しかし、この数値は火曜日時点であり、その後の3日間でロングが減っている可能性がある。

非鉄相場は底堅い展開。イエレンFRB議長の講演が始まるまではドルが軟調に推移したことから買いが入ったが、その後は上値の重い展開になった。亜鉛はショートカバーで反発し、昨年5月中旬以来の水準にまで上昇。

アルミも反発した。ただし、銅は6日続落と引き続き軟調である。ペルーの鉱山の増産や中国需要の先行き懸念が上値を抑えているもよう。チリ・コデルコは16年上半期の産銅量が前年同期比1.4%増の84万3,000トンだったとしている。

ただし、採算が悪化しており、税引き前損益は9,700万ドルの赤字に陥った。現状の銅価格では経営が厳しい状況が浮き彫りになったが、減産などの明確な下支え要因が確認されないと、反発も厳しいかもしれない。

原油は続伸。イエレンFRB議長の講演に絡むドルの荒い値動きを背景に乱高下したが、米国内の生産拡大に歯止めが掛かったとの見方が強まったことで買いが入った模様。米国内の石油掘削リグ稼働数が前週比横ばいの406基となり、8週連続の増加に歯止めが掛かった。

この数日は非常に値動きが激しく、方向性を見出そうとしていたようだ。一方、中国の7月の原油在庫は製油所の減産を受けて、前月比5.7%減の2,890万トンと、13年4月以来の低水準となった。1カ月の減少幅としては10年3月以来の大きさだった。

中国の在庫減少が製油所稼働率の上昇と製品輸出の増加が背景であれば、あまり好材料ともいえないだろう。市場の関心は、これまで通り、主要産油国の会合での増産凍結協議開催に向かうだろう。

OPEC加盟・非加盟国が9月に会合を開き、そこで増産凍結に関して協議する。この会合にはイランも出席する見通しだが、ここでどのような合意がなされるかに注目することになるだろう。前回の4月会合にはイランは出席せず、サウジも合意寸前で破棄したため、原油相場は戻りのきっかけを失った。

これまでサウジがかなり強硬な態度でいましたが、いまはそうは言っていられない状況にあると見られる。というのも、原油安を誘って拡大しようとしていたシェアが思ったほど伸びていないからである。

米国のシェールオイルの増産でシェアが減少したことを受けて、サウジは産油量をあえて維持して、原油価格を押し下げ、シェールオイルの増産がしづらいようにしようとした。確かに、米国の産油量の増加は止まったが、原油相場も同時に下げてしまったのはサウジの誤算だったと考えられる。

その上、目論んでいたシェア拡大にも失敗したわけである。そのため、サウジは方向転換を迫られると考えられる。つまり、今回のOPEC非公式会合では、意外な合意に達する可能性があるともいえよう。サウジがどの程度折れるのか、またイランが増産の意図を明確に示すのかに注目が集まるだろう。

いずれにしても、この二つの産油国の動向には要注目である。サウジが折れて、増産凍結に積極的になれば、原油価格は上昇するだろう。そうなれば、原油相場は年初の見通しのように、最終的には60ドルまで上昇するかもしれない。そうなると、例年は安い10月から12月の原油相場は、今年は違う動きになるかもしれない。

一方、WTI原油先物における投機筋のポジションは、24万4,102枚の買い越しとなり、前週の15万9,827枚から大幅に増加した。買いポジションは34万1,087枚で、前週の32万3,059枚から増加。積み上がっていた売りポジションは、9万6,985枚と、前週の16万3,232枚から減少した。

ちなみに、1週間の買い越しの増加幅としては、統計開始以来で過去最大だった。買いポジションがかなり積み上がっており、このまま単純に上昇に向かえるかは疑問ではある。しかし、原油相場が下落基調に入る前の14年6月には買いポジションが37万8,701枚まで積み上がったこともある。

そのため、まだ買い余地があるともいえよう。あとは、ドル相場が下落するかどうかであろう。原油相場はドル建てで取引されるため、ドル安が進めばその分だけ必然的に上昇することになる。この点も忘れないようにしたい。

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