金相場は続落。イエレンFRB議長の講演を翌日に控えて様子見ムードが強まっているようである。連銀幹部らのタカ派的な発言なども圧迫要因だった模様。

今年のFOMCでの投票権を持つカンザスシティー連銀のジョージ総裁は「緩やかに利上げを進める時だ」と発言。また、投票権のないダラス連銀のカプラン総裁も「そう遠くないうちに、次のステップに進める根拠が強まっている」とし、比較的早期の追加利上げが適切との見解を示している。

このようなタカ派的な発言が続いており、これを受けて金利を生まない資産である金相場は値を下げやすくなっているようである。また7月の耐久財受注額が前月比4.4%増と、市場予想の3.3%増を上回るなど、米国経済指標が堅調だったことも早期利上げを意識させていると見られる。

市場では、イエレンFRB議長の講演内容から追加利上げ時期に関する手掛かりを得たいもようだが、何も出てこないのが普通であろう。過度な期待はしないほうが賢明であろう。

ちなみに、主要投資対象資産の中で、8月末から年末までの期間でパフォーマンスがもっともよいのはドル建て金である。ダウ平均よりも高い。このような傾向を考慮すれば、金投資がいかに賢明な投資行動であるかが想像できよう。株安になれば、金市場の重要性がより明確になろう。

非鉄相場は下落。銅はLME在庫の増加を受けて5日続落し、6月下旬以来、約2カ月ぶりの安値をつけている。ニッケルはフィリピン政府の鉱山操業規制に関する懸念が一服したことが一因となり、7月8日以来、約7週間ぶりに節目の1万ドルを割り込んだ。

非鉄相場の上値の重さが鮮明になりつつある。これで株安・ドル高になれば、非鉄相場は圧迫されやすい状況になろう。来週発表の中国PMIはすでに節目の50を割り込んでいるが、これがさらに低下するようだと、非鉄相場の調整がさらに進む可能性が高まることになろう。

アルミは1,640ドルのサポートを辛うじて維持したが、割り込めば1,600ドル近辺までの下げになりやすいだろう。これを割り込めば、長期トレンドが下向きに転じることになろう。銅はすでに長期トレンドの4,825ドルを大幅に下回っており、下落基調が鮮明である。

4,500ドルを維持できるかが極めて重要な状況にあると言えよう。割り込めば4,300ドルまでの下げになる。ニッケルは節目の1万ドルを割り込んでおり、9,650ドルを割り込むと、長期トレンドを下回ることになろう。

原油は反発。ドル高基調だったが、底堅さが見られている模様。イエレンFRB議長による講演を翌日に控えており、動きづらいはずだったが、この動きは興味深い。米エネルギー情報局(EIA)が発表した石油在庫統計で原油在庫が予想外の増加となり、売りが出やすい地合いだったはずだが、それでも下げていないところを見ると、現在の原油相場は意外に強いのかもしれない。

市場では、主要産油国による生産調整に向けた動きに引き続き注目している。サウジアラビアのファリハ・エネルギー相は、現時点で大規模な市場介入が必要だとは思わないと発言し、市場の安定化に向けた協調行動にやや否定的な見解を示し、一時下げる場面も見られたが、その後は戻している。

OPEC加盟国は9月26~28日にアルジェリアで開かれる国際エネルギーフォーラム(IEF)に合わせて非公式会合を開く予定だが、この日はイランのザンギャネ石油相が会合に出席することが判明した。しかし、そこでイランが協力的な態度を示すとは考えにくく、合意に至る可能性は低そうである。

一方、ペルシャ湾では米駆逐艦が接近してきたイランの艦船に向けて3発の警告射撃を行ったとの報道も買戻しにつながったようである。いずれにしても、原油相場は想定以上に堅調であり、投機筋の買戻しが継続しているのだろうが、それ以上に買いが入っているとすれば、地合いは上向きに転じたと考えることもできる。

WTIはテクニカル面では46.50ドルを割り込むまでは上昇トレンドと判断できるよう。買われすぎ感の調整が進んでいると見られる。チャート上は重要な移動平均線が密集しており、この数日間の動きが極めて重要になっていると考えられる。まさに上昇基調を維持するための踏ん張りどころにある。

一方で低迷していたガソリン相場が息を吹き返しており、原油よりも強い展開にある。ガソリン需要期が終わりに近づく中、いまごろ堅調になるのもおかしな話だが、基調は強いと見られる。ヒーティングオイルはさらに堅調であり、これらの製品相場の方が原油よりも堅調である。原油相場がこれらの動きに引っ張られるようだと、下値も堅くなるだろう。