金相場はほぼ横ばいでの推移。市場の関心は、FRB当局者のタカ派的な発言から、今週開催予定の米国ワイオミング州ジャクソンホールでの世界の中央銀行当局者らの会合に移っている模様。

会合では今後の米国の利上げ時期に関する手掛かりが得られるとの期待があると見られている。フィッシャーFRB副議長が先週末に「FRBが完全雇用とインフレ率2%の目標達成に近い」と発言し、利上げの可能性が高まったことが一因となり、ドルが堅調に推移し、金相場が下落する場面があった。

25日に始まるジャクソンホールでの中銀当局者年次会合では、イエレンFRB議長の講演で米国の政策金利に関する状況がより明瞭になる可能性が指摘されているようである。そろそろさすがに方向性が見えてきてもおかしくないだろう。

FRB高官の発言は以前よりもタカ派的になっており、この方向性で金融政策が進めば、金相場は一時的に売り込まれ、1,300ドルを割り込む可能性も否定できないだろう。また7月の公定歩合議事要旨でも利上げの必要性が訴えられており、これもFOMCでの利上げの可能性を感じる。

しかし、昨年4月にもみられたように、イエレン議長がこれらの発言を一蹴する形で利上げ観測を一時的に後退させる可能性は十分にあろう。現実的には9月20日・21日開催のFOMCでの結論を待つしかない。そこで出てくる政策次第で今後の金融市場の方向性が決まることになるのだろう。実際には、その前にある程度の方向性は見えてきそうである。

8月は金を買い入れるのに適した時期であると考えられる。押し目があれば買っておくことが肝要であろう。

非鉄相場は銅を除いてしっかり。ニッケルや鉛、亜鉛が小幅反発した。銅は3日続落。約1カ月半ぶりの安値を更新した。26日のイエレンFRB議長の講演を前に、米国の早期利上げへの警戒感が広がっていると見られる。またLME在庫の増加も嫌気されているようである。4月以降で50%も増加しており、懸念される動きである。

さらに中国での供給過剰と需要不足への懸念は根強いようである。重要な節目の4,700ドルまで下げており、これを割り込んで一段安になれば、その下は4,500ドルまでサポートがないため、要注意ではある。ドル安基調が下支え要因だが、これ自体が銅相場を支える構図にはなっていないと見られる。

原油は反発。イランがOPECによる市場の安定化に向けた協調行動に理解を示しているとの一部報道をきっかけに買いが入った模様。それまでは供給過剰懸念が引き続き圧迫材料となったと考えられ、47ドル近辺で小動きに推移していた。

しかし、イランが協調すれば、アルジェリアで来月開かれるOPEC非公式会合で、主要産油国による増産凍結に向けた合意が実現するのではないかとの期待が急浮上したと見られ、一気に48ドル台前半まで上昇した。

ただ、イランは1月に制裁解除されて以来、増産の手を緩めていない。さらに、今年に入ってからの主要産油国による増産凍結に向けた協議でも凍結に応じない姿勢を示してきた。そのため、イランに関する報道の信ぴょう性には疑問も残る。

一方、イラクのアバディ首相は、「原油市場において同国産の市場シェアは最大限に達していない」とし、OPECの政策に合わせた生産抑制を行わない方針を示唆している。さらにOPECで価格押し上げのための合意がまとまった場合、参加するかとの質問に対しても「イラクの産油量はその能力に達していない」としており、すべての産油国が合意に至る可能性は依然として低いと考えられる。

引け後に米石油協会(API)が公表した8月19日までの週の米国原油在庫は前週比450万バレル増となり、市場予想の45万5,000バレル減に対して反対の内容だった。オクラホマ州クッシングの原油在庫は同41万7,000バレル増だった。またガソリン在庫は同220万バレル減、ディスティレート在庫は同83万4,000バレル減だった。