金相場は続落。2週間ぶりの安値を付けた。FRB当局者が米国経済への楽観的な見方を示し、早期利上げ観測が高まっていることから、手仕舞い売りが出ているようである。フィッシャーFRB副議長は「完全雇用とインフレ率2%の達成に近づいている」との認識を示し、利上げに前のめりの姿勢を示している。

またNY連銀のダドリー総裁も「労働市場が改善している」と指摘するなど、ハト派の中心人物とみられていた2人が利上げの可能性を示していることに、市場はやや驚きをもって受けている模様。

また、サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁は「利上げを待ち過ぎれば、代償は高くなる」と警告するなど、9月利上げの可能性が急速に高まっている印象である。しかし、これらの発言がそのまま利上げ決定につながるわけではないだろう。

最終的には26日のイエレンFRB議長の講演内容に注目することになろうが、ここで明確な方向性が示されることはないだろう。あるいは、これまでのFRB関係者の利上げに前のめりの姿勢を正させる発言をする可能性はあろう。つまり、早期利上げ観測をいったんリセットさせ、そのうえで8月の米雇用統計を待つような形に持っていくのではないかと考えられる。

一方、銀がストップを巻き込んで急落している。一段安になれば、見方を修正する必要が出てくるだろう。

非鉄相場はおおむね軟調。フィッシャーFRB副議長が追加利上げに前向きの姿勢を示したことで、ドルが強含んだことが重石になったようだ。銅は続落し、7月8日以来、約1カ月半ぶりの安値を付けている。

またニッケル、鉛、亜鉛も続落した。特に、最近堅調だった鉛が急落している。米国の金融政策の方向性が見えない中、ドルの上値の重さは非鉄相場の下支えになるのかに注目することになろう。また非鉄市場においても、FRB関係者の発言に今後も注目することになる。個別の材料が不足していることもあり、目先は上値の重い展開が続きそうである。

原油は急落。中国の燃料輸出の急増やイランとナイジェリアの輸出増加、米国内の石油掘削リグ稼働数の増加に対する懸念が相場の重石となった模様。中国の7月のディーゼル、ガソリンの輸出は前年同月比でそれぞれ181.8%、145.2%の急増となり、石油製品マージンを圧迫。また米国では、BPのインディアナ州ホワイティングにある製油所(処理能力=日量41万3,500バレル)が7月下旬以来の通常操業に戻ったことで、製品供給が増加するとの思惑が上値を圧迫していると見られる。

さらに米国内の石油掘削リグ稼働週が前週比で10基増え、8週連続で増加したことも、嫌気されている模様。原油相場が50ドル近くまで回復し、事業の採算が合うようになった向きが増えていることもあり、今後はこの水準をこなすことができるかに注目することになろう。

一方、イラクは今週に入って同国北部の油田からの原油の輸出を増やす計画としている。原油相場は過去2週間にほぼ一本調子で上昇してきたが、その背景にあったのがOPEC加盟・非加盟の産油国が増産凍結で合意するとの観測があった。しかし、過去の経緯からみても合意でまとまる可能性はきわめて低いだろう。結局のところ、供給量の調整が入らない限り、原油相場が50ドルの大台をクリアし、持続的にこの水準を維持するのは難しいということになりそうである。