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金相場はドルの上昇で反落した。
江守 哲
コモディティ デイリーコメント
貴金属、原油を中心とした商品(コモディティ)マーケットの要点をまとめたデイリーコメント。コモディティマーケットに精通した江守氏の鋭い着眼点に注目。

金相場はドルの上昇で反落した。

2016/8/22
金相場はドルの上昇で反落した。FOMC議事要旨では、多くの参加者が利上げに依然として慎重になっていることが確認されたが、NY連銀のダドリー総裁やアトランタ連銀のロックハート総裁が早期利上げに前向きな姿勢を示していることや、サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁も前日の講演で「早期に穏やかな利上げを再開することが理にかなう」と発言するなど、利上げ容認派が増え始めているようである。
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金相場はドルの上昇で反落した。FOMC議事要旨では、多くの参加者が利上げに依然として慎重になっていることが確認されたが、NY連銀のダドリー総裁やアトランタ連銀のロックハート総裁が早期利上げに前向きな姿勢を示していることや、サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁も前日の講演で「早期に穏やかな利上げを再開することが理にかなう」と発言するなど、利上げ容認派が増え始めているようである。

しかし、市場では追加利上げ時期に関する手掛かりをさらに得たいとの見方が多く、ワイオミング州ジャクソンホールで開催される年次会合でのイエレンFRB議長の講演に注目が集まっている。会合では、イエレン議長は、利上げは遅いペースになるとの見通しを明確にすると予想されているが、少数派となったハト派(利上げ先送り派)としての発言の重みがどの程度なのか注目することになろう。その意味では、まさに「真打ち登場」ということになるのだろう。

現時点では、市場は利上げの可能性の高まりを織り込み始めているようにみえるが、まだ明確な方向性が出たとは言えないだろう。米商品先物取引委員会(CFTC)が毎週発表している、それぞれの投資主体別のポジション状況によると、投機筋のCOMEX金先物市場におけるポジション状況は、25万3,676枚の買い越しになっている。前週の25万5,773枚から小幅に減少したことになる。

その内訳を見ると、買いポジションは28万3,303枚で、前週の28万7,090枚から減少している。上昇力が鈍くなっているため、投機筋の一部が少しだけポジションを整理したといえるだろう。また売りポジションは2万9,627枚で、前週の3万1,317枚から小幅に減少。あまり影響のない動きといえる。

全体的にはネット買いポジションが多いため、今後は上昇するにはある程度のポジション調整がないと、次の上昇にはつながりにくいといえよう。当面は金融市場動向に振らされることになるが、最終的には押し目を買う方針が賢明との見方は全く変わらない。

非鉄相場はおおむね軟調だった。前日はドル安を受けて買われたが、この日はドルが底堅く推移したことや、欧米株価も軟調に推移し、週末でもあったことから利益確定やポジション調整の売りが優勢だった。

長期的には底打ちから上値を試すパターンにあるため、下値は堅いものの、一方で上値を買うには現時点でさらに上値を追うには材料不足との認識である。

原油は7日続伸。主要産油国による増産凍結合意への期待が引き続き材料視されているようである。OPECの非公式会合を9月下旬に控え、供給過剰解消に向けて何らかの対策を講じるのではないかとの期待が買いを誘っている模様。

しかし、50ドルの節目が近づいており、上値も重くなりやすいといえる。現在の上昇が、上記の材料を背景としたショート筋の買戻しが背景である可能性が高く、これが一巡すれば、再び下向きに転じる可能性は十分にあろう。

WTI原油先物における投機筋のポジションは15万9,827枚の買い越しで、前週の10万2,455枚から大幅に増加。買いポジションは32万3,059枚で、前週の32万2,594枚から小幅な増加にとどまったが、売りポジションが16万3,232枚と、前週の22万139枚から大幅に減少している。

これまでの下落基調の中で投機筋が積み増した売りポジションが、相場の上昇で買戻しを強いられた結果、相場がさらに上昇したといえる。その一方で、米国では石油掘削リグ稼働数は順調に回復し、406基にまで増加。8週連続での増加で、今年2月以来の400基台の回復となっている。

また米国内の産油量は日量859万バレルにまで回復し、前週から15万バレルもの増加となっている。これらの状況を考慮すれば、短期的には需給の緩みが懸念されるだろう。米国の石油需要は高水準で推移しているものの、これ以上に生産・供給が増えるものと思われ、これが最終的に原油相場の上値を抑える可能性が高いだろう。

またガソリン需要期が終わりに近づいていることや、ヒーティングオイルの需要期に入る冬場までのいわゆる端境期に入ることも、石油相場全体の上値を抑えるものと考えられる。

原油相場がピークを付けやすい時期は8月から9月であり、10月から12月は安いことがむしろ多い。このまま米国の産油量が増加し、世界の産油国が増産ペースを維持するようであれば、年末までの原油相場は普通に考えれば下げていくことになろう。

また原油相場が50ドルを超えると、リグ稼働数はさらに増え、米国内の産油量はさらに増加するものと思われる。そうなれば、結局は50ドルが上値という格好になると考えられる。

ただし、ドルの動きには要注意であろう。ドル安になればドル建て原油相場も上昇しやすくなろう。利上げ先送りとなれば、ドル安が原油相場を押し上げることは十分にあり得るだろう。2014年7月以降の原油相場の下落基調への転換のきっかけがドル高だったことを考慮すれば、今度は米国のドル安政策がドル建て原油相場を押し上げる構図になってもおかしくないだろう。

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