金相場は大幅反落。良好な米雇用統計の発表を受けて手仕舞い売りが出た模様。7月の米雇用統計は非農業部門就業者数が前月比25万5,000人増と、市場予想の18万人増を大幅に上回る好調な内容だった。

これを受けて、年内の米利上げ観測が高まったことが一因となり、金利を生まない資産である金は急落している。またドル買い・ユーロ売りの動きが加速したことも、割高感につながったと見られる。

FRBの利上げが9月に実施されるとは考えづらく、現在の下落は一時的なものにとどまろう。ただし、米国株が堅調に推移すれば、投資資金が金から株式に移行する過程で、一時的に売り圧力が強まる可能性があろう。

世界最大の金上場投資信託(ETF)であるSPDRゴールド・トラストの保有高は7月11日以降で最大の水準に増加。ただし、目先は減少する可能性が高い。COMEX金先物の投機筋のポジションは、26万7,289枚の買い越しで、前週の25万6,930枚から増加している。

ロングが29万7,024枚と、前週の28万4,772枚から増加し、ショートが2万9,735枚と、前週の2万7,842枚から増加したが、ロングの増加幅が大きかったことが買い越し幅の増加につながったと見られる。

テクニカル面では短期トレンドを下回っており、売りが優勢になりやすい点には注意が必要であろう。

非鉄相場は銅が節目の4,800ドルを割り込んだ。重要な長期サポートラインが位置しており、これをすぐに回復できないようだと、下向き圧力が強まる可能性がある。

7月の米雇用統計を受けたドルの上昇にも圧迫された感がある。原油相場も上値が重いことから、積極的に上値を買いづらい状況にあると見られる。

ニッケルは堅調に推移。引き続き、フィリピンからの鉱石輸出懸念が材料視されている。フィリピンのドゥテルテ新大統領が、野放図な鉱山の取り締まりを徐々に強化しており、操業停止を命じられた国内ニッケル鉱山は4分の1に上っている模様。

今後、この動きがさらに拡大する可能性が指摘されており、これが材料視されていると見られる。中国の16年上半期のニッケル輸入のうち、95%をフィリピン産が占めており、同国からの輸入が滞ることになれば、大打撃になろう。上昇リスクについては、慎重に見極める必要があろう。

原油は3日ぶりに反落。前日までの上昇の反動や7月の米雇用統計を受けたドル高が売りにつながった模様。

米国内の石油掘削リグ稼働数は依然として回復基調が続いている。最新週の稼働数は前週比7基増の381基で、稼働数は6週連続で増加。ちなみに、前年同週は670基だった。7月は44基増加し、月間ベースでは2014年4月以来の大幅増となっている。

このように考えると、産油量が劇的に減少するとは考えにくいだろう。つまり、需給面からは下落圧力が掛かりやすいことになる。一方、NYMEX・WTI原油先物市場では、投機筋の買いポジションはさらに大きく減少し、売りポジションの増加がより顕著になっている。

ネットのポジションは8万6,817枚の買い越しで、前週の19万3,965枚から急減。またロングが30万5,440枚と、前週の26万3,281枚から増加し、買いを増やしている投機家も増えている。

しかし、ショートが21万8,623枚と、前週の6万9,316枚から急増しており、きわめて強い売り圧力が掛かっているのが実態である。多くの投機家が弱気に傾いていることが、かなり明確になっている。

米国を含む世界的に高水準の供給が堅調な需要を上回る構図は変わらない。これが解消されない限り、原油相場の本格的な上昇は見込みづらい。最終的には供給削減しかないのだが、産油国にその意思が見られないようである。ドル高基調もあり、原油相場が上値を試す環境にはないように見える。