金相場は4日続伸。4~6月期の米実質GDPが年率換算で前期比1. 2%増と、市場予想の2.6%増を大幅に下回った。これを受けて、ドル安が進行する一方、投資家のリスク選好意欲が弱まり、安全資産とされる金に買いが入った模様。

また、米利上げが後ずれするとの観測が浮上したことも金相場を押し上げた。久しぶりに、衝撃的な米国経済指標が発表されたことで、市場の雰囲気は一変した感がある。年内利上げの可能性は以前からないとみているが、このGDP統計でその可能性がさらに高まった感がある。

雇用は強いが、一方でインフレ率は低く、外部要因は不透明。この状況で利上げをすれば、米国経済の崩壊につながることは自明であると思われる。逆に、利上げできないことは、そのリスクがあるということであり、これが株安・ドル安を招く可能性がある。

こうなれば、金の出番であろう。銀やプラチナ、パラジウムも堅調である。貴金属主導の相場展開が続くことになりそうである。

非鉄相場は軟調に推移。ドル安はサポート要因だったが、月末のポジション調整の売りが出た模様。アルミや亜鉛はしっかりだったが、銅は小幅続落。ニッケルはフィリピン政府の鉱山操業規制による供給不足懸念で上昇基調が続いていたが、この日は売られ、3日ぶりに反落した。

また週間ベースでも5週間ぶりにマイナスで引けた。市場では、1日発表の中国の製造業購買担当者景況指数(PMI)に注目が集まる。現状は節目の50だが、これを下回ればセンチメントは一気に悪化に向かう可能性がある。

中国経済の健全性や方向性を確かめる上で、PMIはこれまで以上に注目されているといえる。またPMIは米国株の先行指標にもなっているようである。様々な方面に影響を与えるだけに、要注目である。

原油は反発。ユーロの上昇や安値拾いの買いなどを背景に買われた。4〜6月期の米実質GDP速報値が弱い内容だったことでドル安が進行したことが買戻しを誘う皮肉な反発となっている。

また週末であったことや、最近の下落に対するショートカバーも反発につながったのだろう。ただし、米国内の供給過剰懸念は根強い。米国内の石油掘削リグ稼働数は前週比3基増の374基となり、5週連続で増加。前年同週は664基だった。7月の増加数は44基で、1カ月の増加としては14年4月以来の大きさだった。

50ドルを回復する過程で稼働数の増加が顕著になり始めたが、最近の下落でこのペースが維持されるかは不明である。市場では、リグ稼働数の持続的な回復には、最低でも50ドル台後半が必要との見方もある。

一方、OPECの7月の産油量は日量3341万バレルと、前月の同3,331万バレルから増加。過去最高を記録する勢いとなっている。イラクやナイジェリアで輸出量が増えたことが背景にある。サウジアラビアも過去最高の生産ペースを維持しているもよう。

また従来からのOPEC加盟国の7月の産油量は日量3,246万バレルで、ロイターが調査を開始した1997年以来の高水準となっている。このようなデータが出てくると、供給過剰感への懸念が再燃する可能性があり、これが上値を抑えることになりそうである。

一方、米エネルギー情報局(EIA)によると、5月の米国の原油生産は日量889万4,000バレルで、4月実績の同894万7,000バレルを同5万3,000バレル下回った。これで8カ月連続の減少となる。しかし、その後に原油価格が上昇し、リグ稼働数が増加に転じている。産油量も底打ちしていると見られ、今後はこの動きに変化がみられる可能性が高い。