金相場は反発。ユーロドルの上昇が材料視された模様。株価は反発基調が続いているが、金相場はきわめて堅調な推移が続いていると見られる。

米ISM製造業景況指数が53.2と前月から上昇し、市場予想も上回ったことから上値を削る場面もあったが、独立記念日に伴う連休を控えて買いが入ったようだ。また6月の中国製造業購買担当者景況指数(PMI)が悪化したことも、質への逃避買いも誘ったもようである。

ドル安や英国のEU離脱決定を受けて、各国中銀が追加緩和策を行うとの思惑も金相場を支えているといえよう。ただし、COMEX金先物市場では、投機筋の買い越しが過去最高水準を3週連続で更新するなど、買いポジションの積み上がりが顕著である。この反動には注意が必要であろう。

日本でも金への関心が高まっているもようである。英国のEU離脱や日銀のマイナス金利導入で、景気の先行き不透明感が強まる中、「安全資産」としての価値が見直されているもようである。

田中貴金属によると、金地金の販売量(直営店ベース)は、国民投票後に3〜4割増加したもようで、購入客は将来の価格上昇を見込んでいるという。

また銀相場もきわめて堅調に推移している。2年ぶり高値を付けているが、チャート的には今後一段高に向かう可能性が高いとの指摘もある。銀は金と同様に貴金属の側面と、銅のような工業用金属の二つの側面を持つ。

追加利下げ観測で景気循環に左右される資産が買われ、英EU離脱の影響懸念から逃避先資産としての金相場が上昇する中、銀相場は20ドルを目指す動きにあるようである。銀は4〜6月期に21%上昇し、四半期ベースとしては約4年ぶりの上昇率となっている。16年だけで40%高となっており、年間ベースでは10年以来の上昇率となる可能性が指摘されている。

非鉄は上昇基調が継続。6月の中国製造業購買担当者景況指数(PMI)は50と前月から0.1低下したが、あまり材料視されていないようだ。英EU離脱決定を受けた世界的な金融緩和や中国の景気刺激策への期待感が下値を支えているようである。

アルミは4月末以来の高値をつけ、ニッケルはフィリピンの鉱山閉鎖の可能性が報じられたことが材料視されたと見られ、供給不足懸念から昨年11月上旬以来の高値をつけている。

また亜鉛も昨年6月以来の高値をつけた。非鉄金属の上昇は、リスク選好姿勢の高まりと見て取ることもできる。今後も上昇基調が続くようであれば、非鉄相場は底打ち確認から新たな動きを見せることも想定せざるを得なくなろう。

原油は上昇。ドル安を背景に買いが入った。米石油掘削リグ稼働数は増加したが、材料視されていない。バークレイズは今年後半の原油相場の見通しについて、ブレントを44ドル、WTIを43ドルとし、それぞれ3ドル下方修正している。CFTCが公表した投機筋の買い越しは、6月28日までの1週間で前週比3万7014枚減の17万8990枚となった。

英EU離脱決定後の下落を受けて、投資家が買いポジションを減らした模様である。買い越し枚数は4月5日以来の低水準となっている。米国のシェールオイル生産については、産油量が在来型油田を上回るペースで減少している。

ただし、減少ペースはやや鈍化しつつあり、今後の動向を見極める必要がある。一方、サウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相は、「原油の供給過剰が過去数カ月間でようやく改善した」との見方を示し、「今後の問題は世界の原油在庫の過剰感が速いペースで解消されるかにある」との見方を示している。

現在、原油の過剰在庫は少なくとも3億5,000万バレルに達しており、これは大型タンカー350隻を満杯にできる規模という。これらの余剰原油を全てタンカーに積み込んだ場合、タンカーの列はスエズ運河の全長の約3分の2に相当する100キロ超に達するとみられている。

そのため、原油供給の過剰感を払しょくするには、ナイジェリア並みの規模の産油国で供給が丸一年半減しても18年までかかるとみられている。そのため、石油需給の改善には、需要の伸びも不可欠となろう。株価の上昇のわりに原油の反発が鈍いのは、このような需給の背景があることが挙げられるだろう。

WTIは50ドルを明確に上抜け、さらに直近高値を更新するほどの材料が出てこないと、安心して買いを積み上げる市場参加者は出てこないだろう。