お金と投資をもっと身近に
facebook twitter
金は反落。利益確定の売りで8日ぶりに下げた。
江守 哲
コモディティ デイリーコメント
貴金属、原油を中心とした商品(コモディティ)マーケットの要点をまとめたデイリーコメント。コモディティマーケットに精通した江守氏の鋭い着眼点に注目。

金は反落。利益確定の売りで8日ぶりに下げた。

2016/6/20
金は反落。利益確定の売りで8日ぶりに下げた。米追加利上げ観測の後退や英国のEU離脱懸念を背景とした安全資産への買いが入っていたが、この日は最近の上昇を受けた利益確定売りが優勢だった模様。
facebook twitter メールで送る 印刷

金は反落。利益確定の売りで8日ぶりに下げた。米追加利上げ観測の後退や英国のEU離脱懸念を背景とした安全資産への買いが入っていたが、この日は最近の上昇を受けた利益確定売りが優勢だった模様。

ドル売り・ユーロ買いが進んでおり、下値も限定的になりやすいだろう。市場の関心は英国のEU残留・離脱に関する国民投票に向かっていると見られる。投票日の23日までは投資家の警戒感も根強いため、下値は限定的であろう。

23日までは押し目を拾いながら、戻したところでポジション調整をするなど、機動的にポジション管理を行うことが肝要であると考えている。

残留になった場合には、一時的に売りが出るだろうが、欧州通貨の上昇でドル安が進めば、結果的に金相場の上昇に転じやすい。また離脱となり、ユーロ・ポンドが下落すれば、通貨安を背景としたユーロ建て・ポンド建ての金価格が上昇し、この流れに乗る投資家の買いが金相場全体を支えることも想定されよう。

一方、米セントルイス連銀のブラード総裁は、「FRB当局者らの政策金利動向予想が、あまりに急激な利上げを見込んでいる」と指摘。そのうえで、「FF金利先物市場は、FRB当局者の予想を信じていないようで、市場は大幅に緩やかな利上げペースを織り込んでいる」との見方を示していると見られる。

金利の付かない金は、金利上昇に対して非常に敏感となるが、現状の低金利状態は金の保有コストの低減につながり、投資メリットが相対的に高まることになろう。しかし、金相場は16日に1,300ドルを超える場面があったが、その後は高値から大きく下げており、やや高値を確認したかのようなパターンになっているようである。

投機筋のCOMEX先物市場での動向も気になる。14日までの1週間のCOMEX金先物市場における投機筋の買い越しポジションが、24万枚超の過去最高水準にまで膨らんでいた。今回の反発局面で、いかに投機筋が金を買っていたかがうかがえる。

これだけ買いついてしまうと、すぐに上げていくのは難しくなるだろう。株式や為替などの外部要因次第の面はあるものの、本格的な上昇に向けていったんは調整したほうがよいだろう。

英国の国民投票が控える中、世論調査の結果が残留になれば、手仕舞い売りが加速することもあり得るが、その押し目こそが長期的な買い場になるだろう。押し目を常に拾いながら、高い時には少し売るといった行為が、長期的に金投資を行う上で重要であろう。

非鉄は上値の重い展開。英国のEU残留・離脱を問う国民投票が23日に迫る中、残留派の女性議員殺害を受けて、残留派優位との見方が広がり、リスク回避姿勢は一服していると見られる。ただし、非鉄市場に資金が流入する動きは見られない模様。

銅や亜鉛が小幅続落したが、アルミやニッケル、鉛は反発した。一方、LMEのアジア地域指定倉庫の7月の銅在庫が約50%増加するとの見通しがある。これは、最大の消費国である中国に在庫が向かわず、他の国の倉庫に流れていることが背景にあるという。

業界筋は、韓国・シンガポールなどの銅在庫は7月初めまでに15万?20万トンになるとしている。そうなれば、LMEの銅在庫は最大30万トン程度と、昨年10月以来の高水準に達することになる見通し。今月初めには4万トン超も増加し、受け渡し量としては10年超ぶりに最大となっていた。

原油は7日ぶりに反発。英国のEU離脱懸念の後退で買戻しが入った。英国で23日に実施されるEU離脱の是非を問う国民投票について、残留派として活動していた女性議員が16日に殺害される事件が発生したことで、これが残留派に有利に働くとの観測が浮上し、これまでの離脱懸念が後退し、投資家のリスク回避姿勢が後退している。

これを受けて、原油にも買いが戻ってきている。またドルが対ユーロで売られたこともドル建て原油相場の割安感につながっていると見られる。一方、米国内の石油掘削リグ稼働数が前週比9基増の337基となり、増加が3週連続となったことは上値抑制要因だったと見られる。

50ドルを超えるとリグ稼働数が増えるということであれば、50ドル超の水準を維持するのは簡単ではないとの見方が強まることになろう。一方で、国際エネルギー機関(IEA)は世界の石油需給は年内にも均衡するとの見通しを出しており、米国内の石油事情だけで上値が抑えられることもなさそうである。

原油価格の下値は切り上がったと見られるが、50ドルの節目を明確に超えるまでは手を出しづらい状況であることに変わりないだろう。シェールオイル企業の復帰は60ドルを持続的に維持できるようになってからと考えていたが、実際にはかなり低い水準での生産復帰となる企業が多いのかもしれない。

一方、NYMEX・WTI原油先物市場での投機筋のポジションは、買い越し幅が19万枚台にまで急低下。これはポジション面からのサポート要因になろう。またドル安になりつつあることも、目先の原油相場を支えることが想定される。

ただし、これも23日の結果次第では全く違う動きになる可能性もあるだけに要注意であろう。いずれにしても、原油市場も英国民投票の影響を受けざるを得ないだろう。24日以降の展開については、結果を見てから考えることにしたい。

【この記事に対するアンケート回答はこちらから】

トウシルのオススメ記事

▲トウシルトップページへ

 

つみたてNISA
人気記事ランキングTOP

 

このレポートについてご意見・ご感想をお聞かせください金は反落。利益確定の売りで8日ぶりに下げた。

本コンテンツは情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身でご判断いただきますようお願いいたします。本コンテンツの情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本コンテンツの記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります。

記事についてのアンケート回答確認

金は反落。利益確定の売りで8日ぶりに下げた。

今回のレポートはいかがでしたか?
コメント

 

 
フレッシャーズ

 
タイムトリップ
 

 

 
メールマガジン

直近1日の記事を配信します

配信:平日毎営業日配信
祝日・GW・夏季/冬季休暇 を除く

公式SNS

タイムリーな情報を
ゲットできます

配信:記事配信時 随時
facebookおよびTwitterには一部配信しない記事もあります

TOP
×
トウシル メールマガジン および SNSについて
メールマガジン 申込み

トウシルメールマガジンではレポートやコンテンツ等、直近1日の記事をお知らせします。
本メールは配信希望のお客様に平日毎日お届けしております。
リアルタイムでの情報取得は、公式SNS(facebook、twitter)もあわせてご利用ください。

  • 「メールマガジン 選択/受付」画面から購読を選択できます。
  • 楽天証券のメルマガをすでに配信希望にされている方は、
    初期設定としては購読申し込みとなっている場合があります。
  • メールマガジン購読申し込みには、楽天証券会員登録(口座開設)が必要となります。
Gmailサービスをご利用の方へ
メールマガジンを受信時正しく表示されないことがございます。あらかじめご了承ください。
メールマガジン サンプル
メールマガジンサンプル
  • 「メールマガジン 選択/受付」画面から購読を選択できます。
  • 楽天証券のメルマガをすでに配信希望にされている方は、
    初期設定としては購読申し込みとなっている場合があります。
  • メールマガジン購読申し込みには、楽天証券会員登録(口座開設)が必要となります。
Gmailサービスをご利用の方へ
メールマガジンを受信時正しく表示されないことがございます。あらかじめご了承ください。