金は1%以上の上昇となり、3週ぶりの高値となった。米国の早期利上げ観測が後退し、ドル安が進行したことが材料視されている模様。株高による投資家のリスク資産への資金シフトは材料視されていないようである。

6月14・15日のFOMCでの利上げの可能性はほぼゼロであり、目先は上昇しやすいと見られる。また株価が下落に転じた場合でも、安全資産として買われやすくなると考えられ、金は下げづらい地合いにあるといえよう。

1,300ドル超えは簡単ではないが、時間をかけて着実に下値を切り上げていくことになろう。また銀やプラチナも上昇している。特にプラチナは南ア・ランドの上昇もあり、1,000ドルの節目を超えてきている。

非鉄はドル安が材料視された上昇した。アルミが1,600ドル目前にまで上げており、銅の値動きとは明確な違いがみられる。逆にいえば、銅の低迷が顕著である。中国の貿易統計で輸入の落ち込み幅が大きく縮小したことは支援材料だが、これだけで強気になることはできないであろう。

やはり需給環境の改善が不可欠である。ただし、亜鉛は非常に強い動きを続けている。

原油は3日続伸。ナイジェリアの石油生産施設への妨害行為への懸念が材料視されて年初来高値を更新した。ただし、夏の需要期を迎えた米国のガソリン在庫が増加したことは圧迫要因となった。

米エネルギー情報局(EIA)発表の在庫統計によると、原油在庫は前週比320万バレル減少。市場予想は同270万バレル減だった。これで3週連続の減少となった。

これに対してガソリン在庫は同100万バレル増、ディスティレート在庫は同180万バレル増だった。市場では在庫減少が予想されていた。ガソリン需要が956万バレルに減少したことが背景にあるもよう。

また原油生産量は874万バレルとなり、前週から増加したことも懸念材料である。これまでは石油掘削リグ稼働数の減少を背景に生産量が減少してきたが、直近ではリグ稼働数が増加しており、産油量が回復するかに注目していた。その産油量が再び増加に転じるのであれば、これを材料に手仕舞い売りが進む可能性も否定できない。今後の動向には要注意であろう。

またドライブシーズンを迎えたところでのガソリン需要・在庫の動向にも注意が必要である。テクニカル面では、52.15ドルに長期の重要なレジスタンスがある。これを超えると60ドルまでの上昇の可能性が視野に入ってくるが、超えられないようだと手仕舞い売りが先行するだろう。

また1983年の上場以来、WTIの底値からの上昇率の平均は38.2%、上昇期間は143日だが、今回の反発局面では上昇率がすでに95%に達し、上昇期間も118日になっている。そのため、このまま上昇が続くよりも、いったん調整をこなした後に再度上昇に向かう可能性も念頭に入れておく必要があろう。