金はやや上値の重い展開。ただし、FRBによる早期利上げ観測が一段と後退したことで下値は堅い模様。イエレンFRB議長は米国経済について、概ね楽観的な見通しを示しながらも、追加利上げのタイミングを示唆していないようである。

米セントルイス地区連邦準備銀行のブラード総裁と、アトランタ連銀のロックハート総裁はともに、6月利上げの可能性をほぼ排除している。ただし、その後の利上げは可能との見方を示している。

ただし、英国のEU離脱に関する国民投票で、残留になればドル売りが進み、金相場にはポジティブな材料になろう。その一方で、離脱となっても欧州通貨が売られて欧州通貨建て金相場が上昇することで、欧州投資家が金買いを進める可能性がある。

またリスクオフによる安全資産としての金買いが進むことも想定される。金相場は当面は下げ渋る動きが続くものと考えられる。もちろん、長期的には相応の上昇相場になるとの見方は全く変わらない。

非鉄は上値の重い展開。特に銅の下げが顕著で、再び4,500ドル台に入っている。原油高やドル安となる中、現状では銅を買える状況ではないとの見方なのだろう。

中国景気への不安感もある。銅相場の低迷が将来の不安を示しているのであれば、これは要注意である。結局は中国経済や世界的な非鉄需給の状況の改善が見られなければ、相場浮揚は困難であると言わざるを得ないだろう。

原油は続伸し、WTIは節目の50ドルを超えた。もちろん年初来高値を更新したことになる。米国原油在庫の減少予想やナイジェリアの治安悪化を背景とした供給懸念が材料視されたもようである。

また引け後に発表された米石油協会(API)の石油在庫統計では、最新週の原油在庫が前週比360万バレル減となったことも、その後の取引での高値維持につながっているようである。

一方、ナイジェリアの油田地帯ニジェール・デルタ地域の武装勢力が、同国の原油生産を停止させると宣言したことも材料視されている。ただし、政府側は武装勢力と交渉を開始したとしている。このような、市場が想定していない供給不安につながる材料が出てくると、原油相場は支えられる傾向がある。

ただし、現行水準を維持するには、在庫統計で米国内の原油生産量の減少傾向の継続が大前提である。一方、OPEC産油量も高水準だが、増産余地があるのはサウジぐらいであると見られる。イランも増産余地がせいぜい日量50万バレル以内であり、意外に供給過剰余地がないことは、支援材料であろう。