金は2%超の上昇。米雇用統計が市場予想を下回り、FRBが利上げに動けないとの観測が広がった。それにしても激しい値動きである。

米国の5月の雇用の伸びが5年超ぶりの小ささだったとはいえ、これで40ドルもの急伸となるのだから、現在の金融市場の振幅がいかに激しいか、ということである。

これにより、FRBによる6月の利上げはほぼなくなったといってよいだろう。こうなると、ドル安傾向が金相場を支える構図になろう。株式市場が辛うじて高値を維持しているが、これが調整すれば、いよいよ金相場の出番といえよう。

投資家のリスク回避姿勢の強まりを受けて、債券利回りも急低下している模様。投資先が限られてくる中、世界的な低金利もあり、金の相対的な魅力は一段と強まることが想定される。

1,300ドルをすぐに超えるとは考えにくいものの、1,200ドルをサポートしたことで、押し目買い意欲は強くなろう。

非鉄は堅調に推移。米雇用統計の発表を受けてドルが急落したことから、ドル建てで取引される非鉄相場の相対的な割安感が押し上げにつながったようだ。米国の早期利上げ観測は後退しており、これが今後も下値を支えるだろう。

しかし、その一方で、利上げできない状況であれば、景気悪化懸念があることにもなり、景気敏感な非鉄相場がどんどん上げていくのも難しくなろう。中国の在庫減少は支援材料だが、ドル安だけで上げていけるほど、非鉄市場の環境が良いわけではないと見られる。

冷静に考えれば、外部要因だけで上げていける相場ではないことから、当面は低水準でのレンジ相場が続くことになろう。

原油は反落した。当初は堅調に推移していたが、米雇用統計や米国内の掘削リグ稼働数の増加が売り材料視された。特に懸念されるのは、石油掘削リグ稼働数の増加である。前週から9基増の325基となっている。

原油相場が回復基調にある中、現行の水準でも生産を増やそうとする向きがあるのであれば、今後は原油生産量が再度上向き、これが原油相場を抑制する可能性がある。これが現在のもっとも懸念すべきポイントであろう。

現状の水準で大きく産油量が増加するとは思えないが、そのような状況になった場合には、見通しも変える必要が出てくるかもしれない。まずは今週発表の産油量を確認したい。

一方、ロシアのノバク・エネルギー相は、「OPECとの協議は続ける予定であり、今秋に会合を開く可能性もある」としている。OPECは2日開催の総会で、生産目標枠の設定に至らなかった。

サウジアラビアは4月の産油国会合で、イランが参加しない形での生産上限凍結を拒否しており、一方でイランは経済制裁解除後の市場シェア回復を目指すなど、依然として産油国間で方針が大きく異なっている。産油国の足並みの乱れが、再び嫌気される可能性もあるだけに、要注意であろう。