金は4日続落した。材料不足の中、引き続き米国の早期利上げ観測が重石になっており、1,250ドルの節目を割り込んだ。米サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁が、6月か7月の利上げの可能性に言及したことや、セントルイス連銀のブラート総裁が「米国の金利があまりに長期にわたって低水準で推移すれば、金融不安定を招きかねない」と発言し、さらに「市場の利上げ観測が高まっていることはおそらくは良いことだ」としたことも圧迫材料となったようだ。

しかし、ユーロの下落が止まったことで下げ幅は縮小した。4月のFOMC議事要旨の公表以降、金相場は圧迫されている。市場の予想外にFRBが利上げに傾いていたことが浮き彫りになり、金市場のセンチメントは悪化している。6月利上げの可能性は高いとみているが、その間にドルが上昇してしまえば、そこが金相場の底値になろう。

その後の利上げは早くて12月になることを考慮すれば、ドルの上値は必然的に重くなり、金相場を押し上げるだろう。一方、世界最大の金ETFであるSPDRゴールドトラストの金保有高は20日時点で869.26トンと、13年11月以来の高水準となっている。

投資家の金回帰トレンドは明確であると思われる。ジョージ・ソロス氏が、このSPDRゴールドトラストのコールオプションを購入したとの報道も、最近の金ETFへの資金流入を後押ししている可能性があるだろう。

非鉄は反落した。銅は4,500ドル台にまで下げている。供給過剰懸念が引き続き材料視されており、上値を買う動きは見られない模様。また米国の早期利上げ観測も圧迫要因になっており、市場では弱気な見方は再度出始めているようだ。

ニッケルも8,300ドル台にまで下げるなど、さえない展開にある。アルミは1,500ドル台を維持しているが、これを割り込むような状況は長続きしないと考えている。それぞれの需給環境は依然としてさえないことから、当面は原油相場の上昇とドルの下落を待つことになろう。

原油は4日続落。ただし、下げ幅は限定的だった。イランが増産の意向を示したことや、過去8週連続で減少していた米国の石油掘削リグ稼働数が横ばいだったことが重石になったもよう。ただし、調査会社ゲンスコープが20日までの週のクッシング原油在庫が前週比97万8,862バレル減になったと発表したことが下値を支えたもよう。

この最近の原油相場は、カナダでの森林火災やナイジェリアの石油施設襲撃、さらに米国の産油量の減少などが材料視され、堅調さを維持している。しかし、節目の50ドルを前に、徐々に上値も重くなっている。

供給過剰が根強い中ことや、投機筋による大規模な買いポジションの積み上げの持続性への疑念などもあり、当面は調整が続くとの指摘もある。一方、イランのメフル通信は、ジャバディ副首相の発言として、イランの原油輸出が夏までに日量200万バレルから220万バレルに増えると伝えたことで、一時1ドル超の下落になるなど、市場はイランの動向に敏感に反応している。

供給増に関する報道が増えるようだと、再び原油相場は下値を試すことも想定される。しかし、これまでの相場の堅調さや米国のガソリン需要の堅調さを考慮すれば、今後も上昇基調は続くと考えるのが妥当であろう。為替市場が早い段階で米利上げを織り込めば、ドル高が原油相場を圧迫する期間が短くて済む。そうなれば、より上昇しやすくなるだろう。