金は3日続落。ドルの堅調さを背景にドル建て金価格の割高感が売りを誘っている。FOMC議事要旨の公表をきっかけに、ドルが急伸しており、これが金相場を圧迫している。

米国の早期利上げの可能性が急速に高まったことで、当面の金相場は上値の重い展開を想定せざるを得ない。短期的には1,250ドルにある重要なサポートを維持できるかに注目することになろう。

4月のFOMC議事要旨では、FRBは利上げの可能性が高いことを明確に示した格好だが、これが金利上昇を促すものではないことは明白であろう。市場金利はできるだけ低く抑えておきたいというのが、FRBの真意であると思われる。

量的緩和で買い入れてきた債券の償還金を国債などの再購入で市場金利を抑えることは可能であろう。一方で、原油高によるインフレ懸念が対応した時には、政策面に非常に難しい問題が発生することになると思われる。

この場合、市場金利を抑制させる一方、CPIが上昇すれば、実質金利は大きく低下することになり、そうなれば、リスク資産への資金流入が進むだろうが、理論的には金利の付かない金はより多くの資金が向かうことになるだろう。

一部の大物ヘッジファンドマネージャーは、株式から資金を引き揚げ、金にシフトしていると言明している。賢明な判断であろう。原油は55-60ドルまでの戻りは十分に想定されると考えているが、上昇幅はあと5ドルから10ドル程度である。

その点、金は実質金利との乖離を考慮すれば、1,500ドル程度までの戻りは十分にあり得ると考えている。上昇率で言えば、わずかに金に軍配が上がるかもしれない。原油も重要だが、いまは金への注目度を上げておくべきであろう。

COMEX金先物の投機筋のポジションは、22万7,651枚のネットロングに小幅増加。ショートが小幅減少し、ロングが小幅増加した。依然として高水準にあるが、その後の下落でロングポジションが手仕舞われている可能性が高いだろう。上昇に向かうには、一定のポジション調整は不可欠である。

非鉄は概ね反発。ドル高基調にあるものの、最近の下落に対する買戻しが入ったのだろう。米国の早期利上げ観測が対応しており、基本的には上値は重くならざるを得ない。

LME在庫は全般的に減少傾向にあるが、あまり材料視されていない。また現物市場における供給過剰感も解消されておらず、根本的な状況が改善されていないとの見方が多く、戻しても上値は限定的になるとみられている。投機筋の買いも徐々に解消されており、投資マネーの流入が相場を押し上げる状況でもないだろう。

原油は3日続落。供給懸念が残る中、ドル高に伴う割高感が売りを誘っているようだ。ナイジェリアでは内戦状態が続いており、さらにカナダでの森林火災もあり、世界的な供給量が一時的に日量300万バレル程度、減少したとの指摘がある。

FOMC議事要旨での利上げ観測の高まりでドルが上昇していることは、ドル建て原油相場の重石になるが、長期的なドル安傾向を考慮すれば、あまり心配することはないだろう。

一方、米国内の石油掘削リグ稼働数は前週と変わらずの318基だった。原油相場は順調に水準を戻してきたが、節目の50ドルを前に膠着感が強まっている。しかし、いまから再び40ドルを割り込むような動きにはならないだろう。需給の改善も下値を支えるだろう。

米国の産油量は着実に減少している。シェールオイル企業の破たんが大きく影響している。40ドル台では簡単には再開されないだろう。おそらく、50ドル台が定着するまでは、生産再開の判断はできないのではないかと考えている。

一方、内戦状態にあるナイジェリアでは、原油輸出が日量140万バレルを下回るまでに減少。これは22年超ぶりの低水準とみられている。またカナダでは、森林火災で日量100万バレル程度の生産停止を余儀なくされている。リビアの産油量も内戦による打撃を受けているもようであり、目先はこれらの供給減が原油相場の下値を支えるだろう。

30日のメモリアルデーまで堅調さを維持できれば、年末までの上昇基調の継続が期待できるだろう。

NYMEX・WTI原油先物の投機筋のポジションは、24万6,996枚のネットロングで前週から増加した。ロングが増加し、ショートが減少しており、再びポジションを積み上げる動きに入りつつある。価格がピークにあった14年6月には35万枚のネットロング、60ドルの戻り高値をつけた15年5月でも26万枚のネットロングだったことから、現在の買い越し幅が突出して多いというわけではない。