金は上昇。ドル高となったが、米国株安で安全資産として買われた格好であろう。4月の米小売売上高は前月比1.3%増と、15年3月以来の高水準となり、市場予想の0.8%増を上回った。

またFRB当局者2人が「経済指標が経済の改善を示しているならば、利上げに踏み切るべき」と発言したが、それでも金は上昇している。ここに金の強さが感じられる。ドル高にもかかわらず上昇しており、金相場はかなり強気で見てよいといえるだろう。

FRBが年内に複数回利上げを行うとの観測も根強いが、現実的には難しいだろう。金相場は真の強さを見せ始めているようである。長期的なドル安基調も、金相場を押し上げることになるだろう。

COMEX市場における金先物での投機筋の買い越しは26万4,898枚で、先週の27万1,648枚から減少している。過去最高水準にあるため、いまはポジションの解消が優先されている状況にあり、これが上値を抑えている。

非鉄は軟調に推移。米小売売上高が強かったことでドルが上昇したことが影響した。また市場では、投機資金が中国から流出していることも影響しているとの指摘がある。

さらに上海株の軟調さや中国の4月の貿易統計の弱さも引き続き重石になっている。原油相場が急伸すれば上昇に転じる可能性もあろうが、いまの状況がすぐに改善するのは困難なようにみえる。

原油は反落した。ドル高と3日続伸の後の利益確定売りが上値を抑えたようだ。ただし、ナイジェリアの産油量が20年ぶりの低水準となったことや、カナダの森林火災でオイルサンド生産の減少もあり、底堅さを維持しているようである。

カナダの森林火災では、これまで石油大手4社が原油輸出で不可抗力条項の発動を顧客に通知している。4月の米小売売上高が強い内容になり、ドルが上昇したことも売りにつながった可能性がある。

OPECは月報で、4月の産油量が日量3,244万バレルと、前月比18万8,200バレル増加したとしている。これは08年以来の高水準であり、今後も供給過剰の状態が続く可能性が示唆されたともいえる。米国では産油量が減少しているが、これをOPEC加盟国が穴埋めする形になれば、需給バランスの改善が進まないことも想定される。

それでも、米国内のシェールオイル企業の破綻は確実に進んでおり、産油量は今後も当面は減少すると見られている。原油相場は下げにくい状況が続くことになろう。

米国内の石油掘削リグ稼働数は前週比10基減少の318基となり、8週連続のマイナスとなった。これは09年10月以来の低水準で、前年同期は660基だった。世界的には計画外の減産が想定以上に増えており、原油相場は底堅さを維持している。

30日に控えるメモリアルデーまでこの基調が続けば、年末まで上昇基調が継続し、55ドルから60ドル程度までの戻りは十分にあり得るといえるとみている。

NYMEX・WTI原油先物市場における投機筋の買い越しは29万1,960 枚で、先週の31万8,544 枚から減少している。高値圏にあることで、利益確定売りが出やすい地合いにあるが、これをこなせば一段高につながるだろう。