金はドルの買戻しを背景に大きく下落した。米国の雇用指標が悪化したが、米国株の下落も限定的であり、むしろFRB高官の発言に反応した格好であろう。

米新規失業保険申請は29万4000件と前週から2万件増加し、市場予想の27万件増も上回り、15年2月以来の大きさとなった。

またFOMCの投票権を持つ米ボストン連銀のローゼングレン総裁が、「緩やかに金利を正常化させるのが適切」と発言したことが材料視されている模様。一方で、SPDRゴールド・トラストの11日時点の金保有高は13年12月以来の高水準となっており、投資家の金への資金流入は続いているようである。

目先は1,250ドルが重要なサポートで、これを維持できていれば、基調は変わらないといえよう。割安感から押し目買いが入れば、再び上向くことになろう。今週末から来週にかけては株安に転換するかを注視したい。

非鉄は軟調。ドルの上昇が圧迫している。また中国の貿易統計が弱かったことへの関心がいまだに高いとの指摘もある。

中国は世界最大の非鉄消費国であるだけに、今後の景気動向次第では非鉄相場の上値を抑えることになるだろう。またドルや原油相場の動きにも注目することになろう。

原油は3日続伸。前日発表の米エネルギー情報局(EIA)の石油在庫統計で原油在庫が減少したことが引き続き材料視されているようである。WTIは清算値としては15年11月3日の47.90ドル以来、約半年ぶりの高値を付けた。

ただし、大規模な森林火災の影響で中断していたカナダ西部アルバータ州のオイルサンド産地での生産が再開の兆しを見せていることが上値を抑えている模様。

国際エネルギー機関(IEA)は原油市場に関する月次報告書で、OPEC非加盟国の原油生産がさらに減少するとの見方を示した。IEAはOPEC非加盟国の原油生産が日量80万バレル減少するとしている。これまでは71万バレル減を予想していた。

需要については日量120万バレル増で据え置いたが、今後拡大する可能性があるとしている。米国では減産傾向が続いていることもあり、徐々にセンチメントは上向きになっていると言えよう。

30日に控えるメモリアルデーまでこの基調が続けば、年末まで上昇基調が継続するだろう。そうなれば、55ドルから60ドル程度までの戻りは十分にあり得るだろう。