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金はドル安進行を背景とした割安感や世界経済の先行き不透明感などから買いが入っており、5日続伸となった。
江守 哲
コモディティ デイリーコメント
貴金属、原油を中心とした商品(コモディティ)マーケットの要点をまとめたデイリーコメント。コモディティマーケットに精通した江守氏の鋭い着眼点に注目。

金はドル安進行を背景とした割安感や世界経済の先行き不透明感などから買いが入っており、5日続伸となった。

2016/5/2
金はドル安進行を背景とした割安感や世界経済の先行き不透明感などから買いが入っており、5日続伸となった。いよいよ1,300ドルの大台が視野に入っているようである。
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金はドル安進行を背景とした割安感や世界経済の先行き不透明感などから買いが入っており、5日続伸となった。いよいよ1,300ドルの大台が視野に入っているようである。

日銀が28日の金融政策決定会合で追加緩和の見送りを決定したことや、米国経済指標が低調なことから、投資家心理が悪化しつつある。また世界的な株安のリスクが高まっているとみられ、安全資産である金に買いが入りやすくなっているようである。

FRBが追加利上げに対して引き続き慎重な姿勢を示していることも、金利が付かない金の追い風になっているもよう。いよいよ金市場の本格的な上昇が始まりそうである。

一方、COMEX金市場における投機筋のネットロングポジションは18万8,030枚から18万4,087枚に減少した。ただし、その後の上昇でロングポジションを積み上げている可能性が高い。

非鉄市場は堅調に推移。銅は5,000ドルの大台を回復した。日銀の追加金融緩和見送りを受けて円が対ドルで堅調に推移する一方、ドルは対ユーロなどの主要通貨に対しても下落しており、これが非鉄相場を支えている面があろう。

一方、中国の4月の製造業購買担当者景況指数(PMI)は50.1となり、節目の50を2カ月連続で上回った。ただし、前月からは0.1ポイントの低下となっている。引き続き、中国経済の下振れリスクが警戒される可能性がある。

中国では公共投資・減税・金融緩和などを実施し、景気てこ入れを図っている。その結果、大都市では不動産市場が上向き、建材需要が増えるなどの効果も見え始めているもよう。

ただし、経済構造改革の柱として積極的に取り組んでいる「過剰生産設備の削減」の影響は小さくなく、経済規模の拡大はそう簡単ではないと考えられる。また製造業PMIの就業者指数は悪化しており、企業が減産に伴い雇用を減らしていることが裏付けられているようである。

また経済の新たな原動力と期待するサービス業もさえない状況にある。4月の非製造業PMIは53.5と、前月の53.8を下回っている。中国経済への警戒を解くことはできないが、一方で過度な悲観もまた禁物であろう。

一方、中国の3月の工業部門企業利益は前年同月比11.1%増となっており、景気底入れの兆候が示されつつある点は安心材料である。1-3月でも前年比7.4%増となっており、1-2月の4.8%増から伸びが加速している。

ただし、3月末時点の工業部門企業の債務総額は前年比5.2%増加している。改善傾向が企業の債務拡大が主因であるとすれば、それはそれで警戒すべきポイントである。

ジョージ・ソロス氏が指摘するように、過剰債務に頼る経済構造の破綻リスクもあり、中国経済を注意深く見ておくことが肝要である。一方で、いまの市場の動きは1994年や2009年に似ているように感じられる。

当時は1月から3月に底値形成から底離れの動きが見られ、その後は徐々に下値を切り上げた。その後GW前後に急伸し始めている。この動きと同じパターンになれば、今後の非鉄相場には大いに期待できると考えている。

原油は反落した。ポジション調整や利益確定売りが入ったもよう。最近の急伸もあり、目先は売りが出やすいだろう。ただし、ドル安を背景に下値は堅くなりやすい。

供給過剰が緩和されるとの楽観的な見方が徐々に見られ始めており、これも心理的な下支えになっているようである。ブレント原油の4月の上昇率は21.5%と、09年5月以来の大きさとなり、WTIも20%と、月間上昇率としては今年最大となった。

原油相場は50ドルまであと5ドルの水準に回復しており、状況は大幅に改善しているとみられる。またWTI原油先物の期近のコンタンゴも1月以来の低水準に縮小しており、相場の強さが見られ始めている。これにより、期先の受け渡し用原油の米国での貯蔵の採算性が低下しており、これも相場を押し上げる可能性がある。

一方、米エネルギー情報局(EIA)発表の月間石油需給報告によると、2月の石油需要は日量1,970万バレルと、前年同月比1.5%増だった。2月のガソリン需要は日量920万バレルと、前年同月比6.4%増加している。これからドライブシーズン=ガソリン需要期に入ることから、ガソリン需要の増加が夏場の原油相場を押し上げる可能性がある。

一方、ロイター調査によると、4月のOPEC加盟国の産油量は前月比17万バレル増の日量3,264万バレルと、調査開始の97年以来の最高記録だった1月の同3,265万バレルとほぼ同水準になった。イランとイラクの産油量が増加し、石油労働者のストライキが行われたクウェートなどの供給混乱を穴埋めした格好。

サウジアラビアの産油量は推計1,015万バレルで、前月の1,018万バレルからほぼ横ばいだった。17日の主要産油国会合で増産凍結合意が見送られた後、サウジは供給量を引き上げる可能性を示唆していたが、現時点では産油量を維持しているもようである。

またイランの産油量は日量340万バレルで、制裁発動前の11年末の350万バレルが視野に入っている。イラクの産油量は15年以来、OPEC加盟国の中では最速ペースで増加している。

一方、ロシアの4月1?28日の産油量は日量1,086万バレルと、過去最高だった3月の同1,091万バレルから小幅減少になっているもよう。ただし、15年の平均である日量1,073万バレルを上回っている。

NYMEX・WTI市場における投機筋のネットロングポジションは24万5987枚から24万9123枚に小幅増加。中身を見ると、ロングポジションが31万3575枚から31万2038枚に減少し、ショートも減少している。

ポジション全体では、それほど大きな動きはなかったが、上値を買う動きは限定的になっているようである。今後は上昇した場合には、手仕舞い売りが上値を抑えるかに注目することになろう。

手仕舞い売りをこなしながら上昇するようであれば、それは真に強い相場ということになるだろう。ロイター調査による市場関係者の原油価格見通しは2カ月連続で上方修正された。16年のブレント原油の価格見通しは42.30ドルで、3月調査時の40.90ドルから引き上げた。

WTIの価格見通しは40.50で、3月調査から0.80ドル引き上げられている。GW後に原油相場が堅調さを維持できれば、そのまま年末まで上昇基調が続く可能性がある。30日の米メモリアルデーまでの1カ月間の相場動向を注視していきたい。

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