金は3日ぶりに反発。原油相場の下落を背景とした米国株の下落が買いを誘った。週明けの市場では、産油国会合の決裂により原油相場が急落している。

株安が進行するようであれば、投資家のリスク回避姿勢が強まり、再び安全資産とされる金への注目が高まることが想定される。また米国経済指標がやや軟調になりつつあることも、金市場には追い風となろう。

3月の鉱工業生産指数は前月比0.6%減となり、4月のミシガン大学消費者景況感数指数も前月から低下した。NY州製造業景況指数は市場予想を上回る改善を示したが、最近は小売売上高やCPIが軟調な内容になるなど、弱さが目立っている。

これにより、米利上げ観測が後退すれば、ドル安傾向が強まり、金買いの動きが強まるだろう。

非鉄市場はまちまちの展開。ドル高が圧迫しており、最近上値の重さが目立ち始めている。戻り高値では利益確定の売りも出ているとみられ、これも圧迫要因になっているようである。

一方、市場が注目していた産油国会合では、増産凍結で合意できず、原油安が進行する可能性が高まっている。原油安が非鉄市場を圧迫する可能性が非常に高く、週明けの動きには要注意となろう。

原油は続落。週末にドーハで開催された主要産油国会合が、世界的な過剰供給状態を解消するには至らないとの見方が強まった。米国石油採掘リグ稼働数は4週連続で減少し、09年11月以来の低水準となったが、材料視されなかった。

市場の最大の関心事だった、17日開催の主要産油国による増産凍結に関する会合では、サウジアラビアやロシアなど18の主要産油国が参加したが、供給を抑える増産凍結が見送られた。

凍結に応じないイランと、イラン抜きでの合意に反対するサウジの対立が解消せず、6月まで協議を続けることになった。OPEC加盟国と非加盟産油国による増産凍結への期待から、原油相場は持ち直しの機運が高まっていたが、今回の会合で原油安の原因である供給過剰に具体策を打ち出せなかったことで、原油相場が再び下値を試すことが想定される。

また原油安が株安など金融不安を引き起こす可能性も指摘できるだろう。有力産油国であるイランは1月に核開発問題で欧米などと合意し、経済制裁を解除されたばかりであり、制裁前の生産量回復を目指して増産する方針を譲らなかった。

さらに、今回の会合では閣僚の会合参加自体を見送っており、当初から合意は難しいことが懸念されていた。サウジは、イランを含むOPEC加盟の全13カ国による増産凍結を主張したことで、結果的に合意には至らなかった。

会合前には、サウジとロシアが、イランが合意に参加しない場合でも、増産凍結を行う旨の発言をしていただけに、市場ははしごを外された格好となろう。カタールのサダ・エネルギー相は会合後の記者会見で、「さらに話し合う必要がある」として、6月のOPEC総会まで増産凍結について協議を継続する考えを示している。

主要産油国の財政は原油相場の低迷長期化により悪化が深刻化している。そのため、海外の金融市場で運用している中東産油国の政府系ファンドは、資金不足を回避するため世界の投資市場から資金を引き揚げている。再び原油安に転じるようだと、再度この動きが強まり、世界的に株安が進行する可能性がある。再び原油市場への関心が高まることになりそうである。