金は軟調に推移した。米国株高を受けて、前日の上昇からの利益を確定する動きが出た。ただし、FRBの追加利上げが先送りされるとの見方は根強く、ドルの上昇は限定的と考えており、引き続き金には有利な市場環境が続くと考えている。

また米国株が下落する可能性が高まっており、株安も安全資産としての金への資金シフトを促すだろう。1,250ドルを上抜けると、再び金市場への関心が高まることになろう。

市場での4月利上げの確率はほぼゼロになっており、4月利上げはないだろう。6月利上げの可能性も低いだろう。利上げができない状況に陥れば、さらにドル安が加速する可能性が高く、金市場は一気に押し上げられるかもしれない。

非鉄市場は概ね軟調に推移した。米国の早期利上げ観測の後退に伴うドル安が好感される展開にあったが、一方で中国経済の先行き不安が上値を抑えている。原油相場も方向感がなく、これも非鉄相場には重くのしかかっている。

今週は中国の経済指標の発表が続く。11日には3月の消費者物価・卸売物価、13日に3月の貿易統計、15日には1-3月期のGDP、3月の鉱工業生産、小売売上高などが発表される。

これらの内容で上下に変動する可能性がある。さらに原油相場の動向にも左右される可能性がある。方向感がややなくなる中、銅がチャート上の節目である4,700ドルを回復できるかが、非鉄相場全体の動きに影響を与えそうであり、この点に注目してみていきたい。

原油は急反発した。ドル安や米原油在庫の減少などが材料視されている。今朝再開された時間外取引では、WTIは40ドルの大台を回復している。カナダのトランスカナダが前日に、キーストーン原油パイプラインで原油漏れがあった可能性があると発表したことや、米石油掘削リグ稼働数の減少も原油相場の押し上げにつながっていると見られる。

またロシアの4月の産油量が減少したことも強材料視された。米国内の石油掘削リグ稼働数は3週連続で減少し、09年11月以来の低水準となった。8日までの週で稼働リグ数は8基減の354基となった。前年同週は760基だった。15年の週当たり平均減少数は18基で、年間では963基の削減となった。

年間ベースでの削減幅は、原油価格が低迷していた88年以来の大きさだった。16年は週当たり平均で13基の減少となっており、合計174基減となっている。

一方、WTI先物・オプションにおける投機筋のネット買い越しは2万1,831枚減少し、17万7,504枚となった。戻り高値で買いポジションの解消を進めているようである。

市場の最大の関心事は、17日にカタールの首都ドーハで開催される産油国会合で、主要産油国が増産凍結に合意するかに向かっている。ロシア、サウジアラビア、ベネズエラ、カタールは2月に、産油量を1月水準に凍結することで合意したが、これは他の産油国の同調を条件としている。

17日の会合では、他のOPEC加盟国と非加盟産油国との合意を目指すことになるが、ロシアの推計では石油市場は日量約150万バレルの供給過剰になっているもようで、これをどの様に調整するかが焦点となる。

ロシアのノバク・エネルギー相は、「石油生産量を1月水準に凍結することを協議しているが、他の提案もあり得る」としている。OPEC関係筋は、産油量は1月、2月、3月ないし第1四半期の水準に凍結される可能性もあるとの見方を示している。

ロシアとOPECの1月の産油量はいずれも過去最高水準近くに達しており、これを基準にすれば、需給緩和の解消は期待できないとの見方もある。世界2位の石油輸出国であるロシアの3月の産油量は日量1,091万バレルと、30年ぶりの高水準だった。

一方でイランの出方にも十分な注意が必要である。現時点でイランを含めた合意達成は困難とみているが、予断を持たずに会合の結果を待ちたいと考えている。いずれにしても、合意がなされ、これをきっかけに原油相場は本格的に反発するかに注目していきたい。