金は反落した。米国の早期利上げ観測の後退に伴い、投資家のリスク選好が強まったことが、金を押し下げている。イエレンFRB議長が前日の講演で追加利上げを急がない方針を改めて示したことによるドル安は、金相場の買い材料ではなく、株高材料になっており、金相場にはむしろネガティブに作用しているようである。

米ADP民間就業者数の伸びがほぼ市場予想通りだったが、市場の反応は限定的だった。米雇用統計の内容にかかわらず、ドル安基調は変わらないと見ており、これがいずれは金相場の押し上げにつながると考えている。また株高に変調が見られれば、これも安全資産としての金への魅力を高めることになるだろう。

非鉄市場は上値の重い展開が続いている。イエレンFRB議長が利上げに慎重な姿勢を示し、これがドル安を誘発しているが、非鉄相場の買い材料にはなっていない。銅は上値が重く、4,900ドルの水準を維持できていない。非鉄相場は値固め局面にあると考えているが、上昇に向かう材料にもやや乏しい面がある。

市場では、第2四半期は需要期でもあり、相場上昇への期待感が強い。下値は堅いものの、明確な買い材料が出るのを待ちたいところである。

原油は小幅上昇。ドル安を背景とした割安感などから買いが入った一方で、在庫統計が上値を抑えている。イエレンFRB議長の発言を受けて、早期の追加利上げ観測が後退したことによるドル安はドル建て原油相場の下支えになっているが、一方で米エネルギー情報局(EIA)が発表した最新週の在庫統計で、原油在庫が前週比230万バレル増となったことが上値を抑えている。

在庫の増加幅は市場予想の同330万バレルを下回ったものの、過去最高水準にあることに変わりなく、積極的に買う状況にはないといえる。一方、ディスティレート在庫は同110万バレル減、ガソリン在庫は同250万バレル減と、ともに減少したものの、最終的には買いを促すには至っていない。

製油所稼働率が90.4%と同2.0ポイント上昇したものの、原油在庫が引き続き大幅増になっているところに、米国内の石油需給の弱さが見える。需給改善の兆しが見られないうちは、積極的に上値を買う動きは限られるだろう。