金はドルの上昇で下げている。前日のベルギーでの連続爆弾テロを受けたリスク回避の買いは一服している。米フィラデルフィア連銀のハーカー総裁が前日に、早ければ4月に利上げが行われる可能性を示唆したことがドルの上昇につながっており、金にはネガティブな材料になっている。

このように、FRB当局者らによる米利上げ見通しについてのタカ派的な発言が続いているうちは、ドルは堅調さを維持し、金相場は上値を打たれることになるだろう。しかし、この手の発言が続くことで、ドルが上昇し、米国株が売られるなどのリスク回避の動きが鮮明になれば、再び金への関心が高まることになろう。

また英国のEU離脱問題もあり、これがポンド・ユーロ安を誘うことで、それぞれの通貨建ての金相場が上昇し、投資家の買いを誘うこともあり得るだろう。欧米人はトレンドフォローで金を買う傾向がある。これが日本人の逆張り買いとの大きな違いである。通貨安がむしろ金相場の押し上げにつながる点にも注目しておきたい。

非鉄はドルの上昇が嫌気されている。また前日にベルギーで発生した連続テロ事件も引き続き投資家心理を冷やしたもようである。さらに25日から始まるイースターの連休を前にポジション調整が出た可能性がある。ロンドン市場は25日と28日が休場となる。動きづらい展開にあるため、次の方向性が出てくるのは休暇明けとなろう。

ただし、中でもアルミの軟調さが鮮明になっている。これで銅が再び5,000ドルの大台を割り込むようだと、センチメントは一時的に悪化せざるを得ないだろう。

原油は大幅続落となった。米国内の原油在庫が急増していたことが嫌気されている。米エネルギー情報局(EIA)が発表した在庫統計では、18日までの週の原油在庫は前週比940万バレル増加し、市場予想の同310万バレル増の3倍超となり、前日に公表された米石油協会(API)の在庫統計の880万バレル増をも上回った。在庫増は5週連続となり、在庫規模は約5億3,253万バレルと過去最高を更新している。

生産調整が進んでいるものの、供給が需要を上回っている実態が鮮明となっている。これではなかなか原油相場は上昇に転じることは出来ない。一方、ガソリン在庫は前週比460万バレル減と、予想に比べて大幅な減少となった。

しかし、原油相場の下支えにはならなかった。トレーダーは在庫を保有し、先物を売る「コンタンゴ・プレー」を続けているもようで、これでは原油相場は上昇しづらいだろう。

一方、報道によると、ナイジェリアのカチク石油担当相は、4月17日の産油国会合では、各国がイラン抜きでも増産凍結で最終合意するとの見通しを示しているもよう。サウジアラビアとロシア、ベネズエラとカタールの産油4カ国は2月に他の産油国の賛同を条件に、産油量を1月の水準で凍結することで合意。

来月の会合ではOPEC加盟と非加盟の産油国が15カ国程度参加する見通しである。しかし、イランは1月に核開発問題に絡んだ経済制裁を解除されたばかりであり、むしろ増産の方針を示している。

またリビアも、カダフィ政権崩壊後の内戦により生産量を大きく減らしたことから増産を望んでおり、産油国会合には参加しないとみられている。このような状況で、増産見送り合意をしたところで、供給削減につながらない可能性がある。市場参加者が安心してロングポジションを保有する状況にはまだないといわざるを得ない。