金は続落した。ポジション調整の売りが続いている。10日には一時1,287.8ドルと約1年1カ月ぶりの高値水準に上昇したこともあり、利益確定売りが出やすい地合いにある。

ECBの利下げ打ち止め観測を背景としたユーロドルの上昇に一服感があることや、15・16日にFOMCを控えていることも、手仕舞い売りにつながっているようだ。

FOMCでは追加利上げは見送られるだろうが、経済および金利見通し次第では、市場に影響が出ることも想定される。市場では、6月利上げを51%織り込み始めており、金利の付かない金の上値を抑えるとの見方もある。

しかし、日欧のマイナス金利や米実質金利の水準を考慮すれば、金は買い場を迎えていると考えられる。

テクニカル面では、金相場は25日線の1,236ドルまで下げてきた。ここで下げ止まれば押し目ということになるだろう。テクニカル的にも売られ過ぎになっている。株価が調整し、ドル安が進めば買い場になると考えられる。押した場合でも、25日移動平均線の2.5%下方乖離の1,205ドルがサポートとなれば、基調は変わっていないと判断できるのではないだろうか。

貴金属のトレード戦略は、金を押し目買いし、プラチナも買っている。銀も押したところで拾いたいと考えている。

非鉄は銘柄ごとに異なる展開。銅は5,000ドルの節目を狙う動きにある一方、アルミは大きく下げている。ニッケルも下げたが、鉛・亜鉛は上昇している。1~2月の中国の鉱工業生産が7年ぶりの低い伸びとなったことが意識される中、方向感を探る展開にあると言えそうだ。

一方で中国の景気刺激策や追加金融緩和なども意識されており、下値を売り込みづらいところでもある。ただし、上昇にはドル安や原油高などの支援材料も必要であろう。

非鉄のトレード戦略は、アルミをロング、ニッケルはショートにしているが、銅や、亜鉛・鉛は押し目があれば買いたいと考えている。

原油は有力産油国による増産凍結に向けた調整難航や米国産原油の過剰在庫などが嫌気されて売られた。イランが引き続き増産凍結に消極姿勢を示している。

報道では、ザンギャネ石油相が「イランの産油量が日量400万バレルに達してから、増産凍結議論に参加する」との意向を表明したもよう。3月20日にモスクワで開催が予定されていた増産凍結に関する産油国会合は延期され、4月半ばにカタールの首都ドーハで開かれる可能性が高まっている。

サウジ、ロシア、ベネズエラ、カタールの4カ国が2月半ばに他の産油国の賛同を条件に増産凍結で合意しているが、イランからの同意取り付けは引き続き難航している。さらにWTI原油の受け渡し拠点であるオクラホマ州クッシングの原油在庫が積み上がっており、最大収容水準に達しつつあるとみられていることも、原油相場の圧迫要因である。

OPEC月報によると、2月の加盟国の産油量は前月比で日量17万4,800万バレル減の同3,227万8,000バレルだった。小幅に減少したが、イラン増産などで依然として高水準にある。サウジの産油量は日量1,022万バレルを維持。1月は同1,023万バレルだった。

原油相場は産油量の調整が進まない限り、上向く可能性はきわめて低い。先物市場の需給だけで上昇すると考えるには無理がある。一方、WTIは100日線が位置する39.10ドルで見事に打たれた格好となっている。

これを上抜けないと、基調は変わったとはいえない。エネルギーのトレード戦略は、WTI、ブレントをショートしている。上昇に転じるまでは、戻り売りが賢明であると考えている。天然ガスのショートは維持している。