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金は原油相場の上昇や、それを受けた欧米株の上昇を受けて、安全資産とされる金への需要が後退した。
江守 哲
コモディティ デイリーコメント
貴金属、原油を中心とした商品(コモディティ)マーケットの要点をまとめたデイリーコメント。コモディティマーケットに精通した江守氏の鋭い着眼点に注目。

金は原油相場の上昇や、それを受けた欧米株の上昇を受けて、安全資産とされる金への需要が後退した。

2016/3/14
>金は原油相場の上昇や、それを受けた欧米株の上昇を受けて、安全資産とされる金への需要が後退した。15・16日開催のFOMCでは利上げ見送りがコンセンサスであり、ここをきっかけに下落に転じる可能性がある。
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金は原油相場の上昇や、それを受けた欧米株の上昇を受けて、安全資産とされる金への需要が後退した。15・16日開催のFOMCでは利上げ見送りがコンセンサスであり、ここをきっかけに下落に転じる可能性がある。

日欧のマイナス金利導入もあり、金はまさに買い場と考えられる。相場として上下動する場面もあろうが、基本は押し目を拾うことであろう。

10日時点の世界最大の金上場投資信託(ETF)であるSPDRゴールド・トラストの金保有高は2,568万オンスに増加し、14年8月以来の高水準に達している。投資家の不安心理が金買いに走らせていると考えられ、今後は金融市場の不安定化がさらに顕著になる可能性がある。

またドル安や米国の金融政策への思惑が金の上昇を後押ししていると考えられる。貴金属のトレード戦略は、一旦利益確定し、押し目買いに移行したい。それぞれ下げた場合には安いところを拾うつもりであり、基本はロングから入ることが前提であろう。

非鉄はまちまちの展開。銅は上昇し、5,000ドルを再び目指す展開にある。原油相場の上昇は好材料だが、世界経済の先行き不安は依然として払拭されておらず、上値は重くなりやすいようだ。

またニッケルは4日ぶりに反発。亜鉛も上昇したが、鉛は下落した。中国の1~2月の鉱工業生産は前年同期比5.4%増で、リーマンショック後の09年1~2月の3.8%増以来、7年ぶりの低い伸びとなった。

景気減速に歯止めがかからないだけでなく、政府が推し進めている過剰生産設備の解消で生産が圧迫されている可能性が指摘されている。過剰設備の解消は、習近平指導部が経済構造改革の柱として打ち出した取り組みで、粗鋼生産能力を5年間で1億~1億5,000万トン削減することが盛り込まれている。これにより、セメントや板ガラスなどの建設関連業界の建て直しを目指している。

1~2月は粗鋼生産量が5.7%、セメントが8.2%、板ガラスが1.9%、それぞれ前年比で減少した。また1~2月の小売売上高は10.2%増と2桁の伸びを維持したものの、昨年12月からは鈍化している。一方、都市部固定資産投資は10.2%増に加速した。住宅販売の増加を背景に不動産開発向け投資に回復の兆しが見え始めているもよう。こうなれば、建設業界からの需要が非鉄相場をサポートすることも考えられよう。

非鉄のトレード戦略は、アルミはロング、銅はスクウェア、ニッケルはショートとし、亜鉛・鉛は一旦スクウェアにする。ただし、銅や亜鉛・鉛は大幅な押し目があればロングにするつもりである。

原油は反発。週間ベースでは4週連続で上昇したことになる。国際エネルギー機関(IEA)はこの日公表した月報で、最近の原油価格の回復傾向について「底入れした可能性がある」との見解を示した。これを受けて、原油相場は上げ幅を拡大。一時39.02ドルまで上昇する場面があった。

さらに米国内の石油掘削リグ稼働数が386基となり、12週連続で減少したことも将来の産油量の減少を連想させ、買いにつながったようである。その一方でIEAは「世界のエネルギー需要見通しは依然不透明」とし、さらに有力産油国による生産抑制に向けた動きは実際には履行されないリスクがあるとしており、買いの勢いは限定的となった。

IEAはOPEC非加盟国の産油量が急速に減少し始める一方で、イラン産の供給拡大はそれほど大きなものではないとし、今年の非加盟国の減産幅を日量75万バレルと、従来予想の60万バレルを上回った。

一方、米ゴールドマン・サックスは、米国の減産は過去最高水準の在庫が打ち消し、原油相場は数週間以内に急落する恐れがあると指摘。その上で、「供給が確実に長期に亘って減少するには、原油相場が十分に下がる必要がある」とし、今年のブレント原油予想を39ドルと、従来予想の45ドルから下方修正している。

最近はゴールドマン・サックスの見通しが頻繁に変更され、方向感がないこともあり、市場への影響は限定的になっている。いずれにしても、産油国が真剣に議論し、減産を実行に移して需給バランスの改善を進めない限り、原油相場は上昇に向かうことはないだろう。

そのため、WTIが40ドルを明確に超えるまで、慌てて動く必要はないだろう。むしろ戻り売りを行いながら、40ドルを超えてからロングに転換できるようにするのが賢明であろう。

エネルギーのトレード戦略は、ブレントを再度ショートとし、WTIもショートにする。RBOBガソリンのロングを積み増す。またヒーティングオイルもショートする。天然ガスのショートは維持している。原油は依然として戻り売り有利の展開である。常にロングに出来るよう準備しながらも、目先は戻り売りとしておきたい。

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