金は上昇。欧米株安や原油安を背景に投資家のリスク回避姿勢が強まっており、再び安全資産である金への注目度が高まりつつある。

ドイツのIFO経済研究所が発表した2月の独企業の景況感指数が大幅低下したことや、米コンファレンス・ボードが発表した2月の消費者景気信頼感指数も大きく低下するなど、企業・消費者心理の悪化が深刻化している。

これにより、欧米の景気先行き懸念が強まる中、欧米株が下落に転じており、株式市場の地合いは再び悪化し始めている。金上場投資信託(ETF)への資金流入も堅調であり、賢明な投資家は資金を株式から金に徐々にシフトさせているものと思われる。

世界最大の金ETFのSPDRゴールドトラストの金保有高は22日時点で752.29トンまで増加し、15年3月以来の高水準に達している。年初来の増加量は既に昨年1年分の減少量を上回っており、金への資金流入が鮮明になっているといえるだろう。

今後もこの動きが続けば、金相場はさらに上値を試すことになるだろう。貴金属のトレード戦略は、金は短期ベースのショートを今日も維持する。株価が下げていけば上昇すると考えられるため、株安が明確になった段階でショートを外したい。

銀は買戻してスクウェアになっている。プラチナのロングとパラジウムのショートを維持する。

非鉄は概ね弱い展開。中国株の反落やドル高が嫌気されている。中国人民銀行が人民元の対ドル基準値を元安に設定したことも売り材料視されたようだ。

中国経済の先行き不透明感への懸念が再燃しつつあり、これが非鉄相場の上値を抑える可能性がある。ただし、アルミは4日続伸となるなど、基調はきわめて強い。

非鉄のトレード戦略は、アルミ・銅・ニッケル・亜鉛のロングを維持する。鉛はショートに転換する。

原油は大幅反落となった。サウジのヌアイミ石油相が米テキサス州ヒューストンでの講演で、主要産油国による原油の増産凍結には前向きな姿勢を示したものの、「減産はない」と明言したことが嫌気された。サウジなど主要産油国による増産凍結合意が実際に履行されるかについても依然として懐疑的な見方が多い中、この発言は市場に下押し圧力を掛けている。

サウジは結局のところ、市場シェアの確保をもくろんでいることが浮き彫りになったともいえるため、市場心理の好転には時間がかかることになりそうだ。

またイランも増産凍結に同調する可能性は低いと見られている。イラン学生通信(ISNA)によると、イランのザンギャネ石油相は「凍結措置によって同国は生産シェアを回復できないため、凍結は滑稽だ」と話したとしている。

また同相は21年までの5カ年計画の下で、産油量を現在の日量290万バレルから日量460万バレルに引き上げる方針を明らかにしている。

ただし、同相によると、計画通りに原油を増産するには4,000万ドルの投資が必要としている。原油相場は再び不透明感が高まっている。いったん下を試してもおかしくない。当面は不透明な動きが続くことになりそうである。

エネルギーのトレード戦略は、WTI、RBOBガソリンはロングを維持。ヒーティングオイルはスクウェア。ブレントとICEガスオイルはショートにする。天然ガスのショートは維持。全体としてニュートラルとし、再び下落に転じるのかを見極めることにしたい。