金は世界的なリスク回避姿勢の強まりを受けて急反発した。1,200ドルの節目を明確に突破し、15年2月以来の高値を付けている。

欧米株安や原油安の進行で安全資産である金への注目度が一気に高まっている。イエレンFRB議長が下院公聴会に続いて、この日は上院公聴会で半期の金融政策報告について証言したが、海外情勢や金融市場の動向を慎重に見極める姿勢を改めて示したことで、金市場への関心が高まった。

さらに、追加利上げ時期が後ずれするとの見方が強まっており、金利が付かない金にとっては追い風となっている。現在の金融市場の不安・不透明感が払拭されるには時間が掛かるだろう。それまでは、金相場の堅調さが維持されると考えられる。

ただし、金価格が25日線の10%上昇乖離に達したのは、欧州債務危機で最高値をつける過程の2011年8月以来である。したがって、かなり高い水準にまで上昇していることは確かであろう。

一方、株安が止まらず、さらに金まで売られるようになれば、それは投資家の資金的な余裕が全くない状況になったことを意味する。その時点が真のクラッシュということになるだろう。

貴金属のトレード戦略は、金・銀・プラチナ・パラジウムのロングを維持。非鉄は概ね下落した。世界経済の先行き不透明感が売りを誘っている。ドル安は支援材料になっていない。

銅は5 日続落で半月ぶりに4,500ドルを割り込み、ニッケルは7,700ドル台に急落した。アルミや鉛も反落したが、亜鉛は上昇した。中国勢が旧正月の連休から帰ってくる来週以降の動きに注目が集まる。

現在の価格水準で、さらに在庫を積み増すのか、注目したい。非鉄のトレード戦略は、アルミはショートを積み増し。銅はショートに転換する。ニッケル・亜鉛のショートを維持。鉛はスクウェアのままとしておきたい。

原油は続落。WTIは26ドル台に下げた。世界経済の先行き不安が強まる中、エネルギー需要見通しへの懸念が引き続き売り材料視され、03年5 月以来の安値を付けている。

イエレンFRB議長が議会証言で、米国内外の景気減速や金融市場の動向に懸念を示したことも売り材料となっている。またOPECが前日に発表した2月月報で、石油市場の供給過剰状態が確認されたことや、米国内の原油在庫が記録的な水準にあることも抑制要因になっている。

さらにゴールドマン・サックスが16年の下半期までは原油価格は低迷するとの見通しを示したことも売り材料視されたようだ。一方、アラブ首長国連邦(UAE)のマズルーイ・エネルギー相が、「OPEC加盟国は協調減産に踏み切る用意がある」と発言したとの報道で、一時下げ幅を縮小する場面もあった。

また市場では、WTIの一段安を見込んで25 ドルのプットオプションが買われているもよう。下落を見込む動きが再び強まりつつあるようだ。いまの市場環境で、原油相場の反発を見込むのは難しい。

長期的には安いように見えるが、それでも短期的にはトレンドを重視する方針を維持し、収益拡大を図るのが賢明であろう。エネルギーのトレード戦略は、WTI、ブレント、RBOBガソリン、ヒーティングオイル、ICEガスオイルのショートを維持。天然ガスはショートに転換する。

下値余地は限定的だろうが、反転するまではショートポジションを維持することにしたい。