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金は小幅上昇。株高やドル高で上値は抑えられたが、底堅さを感じさせる展開だった。
江守 哲
コモディティ デイリーコメント
貴金属、原油を中心とした商品(コモディティ)マーケットの要点をまとめたデイリーコメント。コモディティマーケットに精通した江守氏の鋭い着眼点に注目。

金は小幅上昇。株高やドル高で上値は抑えられたが、底堅さを感じさせる展開だった。

2016/2/1
金は小幅上昇。株高やドル高で上値は抑えられたが、底堅さを感じさせる展開だった。日銀のマイナス金利政策の導入など、この日の材料からみれば、下げるのが妥当なはずだが、そうなっていないところに現在の金相場の堅調さが窺える。
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金は小幅上昇。株高やドル高で上値は抑えられたが、底堅さを感じさせる展開だった。日銀のマイナス金利政策の導入など、この日の材料からみれば、下げるのが妥当なはずだが、そうなっていないところに現在の金相場の堅調さが窺える。

ただし、長期トレンドの転換を目前にして上値を打たれており、このまま上昇が続くかは不透明である。原油高がインフレ懸念を連想させるなど、ポジティブな材料が確認されないと、やはり本格的な上昇は難しいだろう。

そのため、目先は短期的な方向性を重視しながら対処するようにしたい。貴金属のトレード戦略は、金・プラチナ・パラジウムのロングを維持し、銀はショートに転換する。銀はやや上値が重くなりつつあり、一旦ショートにして金とのスプレッドポジションの格好にする。

非鉄は堅調に推移した。原油の上昇や株高などが材料視されたようだ。ただし、中国の旧正月休暇を控えて薄商いになっている。銅は4日ぶりに反落。ただし、インドネシア産の銅精鉱の供給減少が材料視されて4,500ドル台は維持している。地合いの好転が下値を支えているが、中国の銅輸入量の増加が備蓄用の在庫積み増し観測につながっており、2009年初めを連想させる展開になりつつある。

旧正月明けに明確な動きがみられれば、中国に関連性の高い非鉄相場の上昇が起爆剤になり、コモディティ相場全体が押し下げられる可能性もあろう。非鉄のトレード戦略は、銅、アルミ亜鉛、鉛のロングを維持。ロングの収益が着実に拡大している。

一方、上値の重いニッケルはショートを維持する。鉛の強さが目立ち始めている。長期ダウントレンドから抜け出す手前まで上げており、今後の動きに注目したい。

原油は4日続伸。主要産油国による協調減産への期待が材料視されているようだ。また米国内の掘削リグ稼働数が前週比12 基減の498基となり、減少ペースが前週の5基から加速したことも下値を支えたもよう。一方、ウォール・ストリート・ジャーナルが報じたところによると、イラン高官は「OPECが協調減産を行っても、同国は直ちに協力しない」と発言したもよう。

しかし、石油政策に関して普段発言しないロシア・ラブロフ外相が、アラブ首長国連邦(UAE)とオマーンを訪問するとの報道がある一方で、ベネズエラのデル・ピノ石油・鉱業相がロシアを訪問する予定であるなど、産油国が協調減産で合意する可能性に対する市場の関心がますます高まっている。

しかし、市場はこれらの合意に期待しすぎであるとの指摘も聞かれる。確かに、過去にこのような合意がなされたことはなく、現在の原油相場の上昇はあくまで期待に基づくものでしかなく、いずれ反落するとの見方にも一理ある。

またイランとイラクは増産の方針を固めており、サウジとともにOPECとして協調減産に踏み切る公算は小さいとみられており、減産合意にはほど遠い状況にあることは間違いない。

これらの状況を見極めつつも、最近の相場上昇もあり、先物市場では売り方の買い戻し以上に新規のロングポジションの積み上げが確認されている。これらの買いが積み上がれば、将来の下落につながる可能性があるだけに、要注意であろう。報道によると、OPEC緊急会合の開催日はいまだに決まっていないもよう。

一方、1月のOPEC加盟国の原油生産量は日量3,260万バレルと、昨年12月の3,231万バレルから29万バレル増加し、過去最高を更新したもようである。欧米による経済制裁の解除を受けたイランの生産拡大が背景にあるという。またサウジやイラクも増産した。さて原油は長期ダウントレンドからの脱却に向けて着実に上昇している。

WTIは35ドルを抜けると基調がさらに強まりそうだ。ただし、長期トレンドの転換には45ドル超えが必要である。ここまでの上昇となる前に、一旦調整すると考えるのが妥当であろう。

本格的な上昇には、産油国が供給過剰の調整で合意することが不可欠であろう。一方、天然ガスが5%を超える急伸となっている。エネルギーのトレード戦略は、WTI、ブレント、RBOBガソリン、ヒーティングオイル、ICEガスオイル、天然ガスのロングを維持。産油国による減産合意に関する機運の高まりで、ショート筋の買戻しが誘発されやい地合いは変わっていない。

長期的には株式とコモディティがディカップリングの動きに入ることが想定される。コモディティのトレードは今後4年間の中核を担うことになるだろう。繰り返しだが、トレードのウェイトを株式よりもコモディティに移行すべき時期にあるといえるだろう。

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