金は小幅続落。世界的な株高や原油相場場の反発を背景に売られた。ECBの追加金融緩和観測をきっかけにリスクオンの動きが広がっており、リスク回避先である金には売りが出やすくなっている。目先は株価の反発が続くと、売りが水準を押し下げる可能性がある。

現時点で1,100-1,115ドルの水準を超えるのは難しそうである。また長期的な上昇には、原油高などによるインフレ懸念の高まりを背景としたヘッジ買いが入ることが不可欠となろう。貴金属のトレード戦略は、プラチナもロングとし、金・銀・パラジウムのロングは維持する。

つまり、すべての銘柄をロングにする。金融市場に安心感が広がれば、プラチナ・パラジウムの上昇が期待できる。一方で金の上値が重くなると、連動性の高い銀も同様に上昇しづらくなるだろう。

非鉄は堅調に推移。ドラギECB総裁による追加金融緩和示唆が株高を誘発する一方、非鉄にも買いが入り始めている。銅は4,400ドルを回復しており、地合いの好転がみられる。ただし、アルミと亜鉛はやや上値の重い印象である。

引き続き主体性のない動きではあるが、原油高は非鉄相場の押し上げにつながることだけは間違いないだろう。非鉄のトレード戦略は、銅、アルミ、ニッケル、亜鉛、鉛のロングを維持。

原油は大幅続伸。日欧による追加金融緩和観測や欧米の寒波予報などが買戻しを誘っているもよう。WTIは32ドル台を回復した。この日は特に週末にかけて米北東部や欧州大陸の一部に寒波が到来するとの予報を受けて、ヒーティングオイル相場が10%超の急騰となっている。

原油もこの2日間で15%の急伸となっている。結果的に、ここまで下落過程で積み上がった投機筋のショートポジションが過剰だったことが浮き彫りになったといえる。買戻しが入れば、この程度の反発は容易に起きるということである。

つまり、ここ最近の下げはOPECの減産見送りやイランの市場復帰などが材料ではなかったということである。また下落過程で積み上がった原油ETFの投げも下げを加速してきたことは容易に想像できる。

これらの調整がようやく入り始めたというだけである。また金価格との比較では、原油は過去にないほどの割安水準にある。過去の金/原油レシオは最大でも32倍程度だったが、いまは36倍と過去最高水準にまで拡大している。過去30年超の平均では16倍であり、金価格を1,100ドルとした場合の原油相場の適正レベルは68ドルとなる。

長期的には原油価格は40-80ドルが適正レベルで、平均で60ドルというのが妥当なところなのだろう。そうであれば、年末までに60ドルまで値を戻してもおかしくないだろう。

もっとも、原油などのコモディティにはいわゆるフェアバリューがない。そのため、これらの数値自体にも大きな意味があるわけではない。したがって、最終的にはトレンドを重視したトレード戦略を組まざるを得ない。この点だけは間違えてはいけない。

ベネズエラのマドゥロ大統領は、ロシアと協力して原油価格の安定に取り組むことでプーチン大統領と合意したと発表。「原油市場を守っていくことでプーチン氏と共通の見通しを持った」としている。

またベネズエラ政府は、原油の適正な価格は60ドルとの認識を示している。米ゴールドマン・サックスは、原油市場における過渡的な「変容段階」は今年の後半も続くとし、原油価格は20-40ドルの範囲で不安定な動きになるとの予想を示している。

その上で「原油市場は均衡状態がより低い価格で形成される段階に入りつつある」としている。彼らの発言には必ず意図がある。また市場が彼らの意見を参考にしていることもまた事実である。

しかし、彼らの見方が常に正しいとは限らない。むしろ、間違っている時の方が多いだろう。したがって、彼らの意図を深読みしすぎてもいけない。あくまで、市場関係者が参考にしているというレベルにとどめるべきである。

エネルギーのトレード戦略だが、22日は予定通り、WTI、ブレント、RBOBガソリン、ICEガスオイルをロングにし、天然ガスのショートは維持した。ヒーティングオイルもロングにする。短期的に石油銘柄が戻す可能性を指摘したが、上手くポジションを構築することが出来た。

あとは、この上昇が持続的なものになるか、である。もっとも、下落に転じるようであれば、これまで通り、すぐにショートに転じるだけである。これまで通り、トレンド重視の姿勢で臨みたい。コモディティのトレード・運用は簡単ではないが、今後4年間は株式よりも高いリターンが望めると考えている。できるだけコモディティ市場を研究し、収益機会を上手く利用することをお勧めする。