金は続伸。株式などのリスク資産への投資意欲が弱まる中、安全資産とされる金が買われている。ユーロは対ドルで下落しているが材料視されていない。

米国株の下落に対してきわめて敏感に動くようになっている。投資家心理がいまだ不安定な状況にあることの表れであろう。

米国経済指標は、新規失業保険申請件数は改善し、フィラデルフィア連銀の製造業景況指数が総合でマイナス2.8と、前月のマイナス3.5からは改善したものの、6カ月連続のマイナスだったことや、米コンファレンス・ボード発表の1 月の景気先行指数が0.2%低下だったことが米国株の重石になっている、これが金相場にはポジティブに作用している。

株価がこのまま上値の重い状況が鮮明になれば、金への注目はますます高まろう。世界的に低金利になっており、金利が付かない金の保有コストが大きく低下するなど、金などの貴金属に有利な市場環境になっている点を見逃してはならない。

貴金属のトレード戦略は、金・銀のロングを手仕舞い売りで利益確定とする。プラチナはスクウェア(ポジションなしの状態)とし、パラジウムはショートを維持する。

非鉄はこの日もまちまちの展開だった。銅は再び4,600ドルを試す展開だった、上抜ける力はなかった。それでも底堅さは失われておらず、株安やユーロ安にもかかわらず堅調さを維持したように見える。アルミは1,500ドルの節目を維持しており、堅調さを感じさせる動きにある。

ニッケルは反発しているが、基本的には上値の重い展開にならざるを得ないだろう。非鉄のトレード戦略は、アルミを買い増し。銅のロングを維持。ニッケルはショートを維持。亜鉛はロング手仕舞い売りし、さらにショートに転換する。鉛はロングを維持し、さらに買い増しとする。

原油は小幅続伸。ただし、米国内の原油在庫の積み上がりで高値からは大きく値を下げている。有力産油国による増産凍結合意を受けて、需給改善への期待が高まっていたが、米エネルギー情報局(EIA)の週間石油在庫の発表をきっかけに流れは反転した。

12 日までの週の米国内の原油在庫は前週比210万バレル増となり、1982年の現行方式による調査開始以来の最高水準となった。またガソリン在庫は同300万バレル増、ディスティレート在庫も同140万バレル増となったことで、それぞれ先物市場は下げている。

ロシアとサウジアラビアが主導する原油増産凍結にイランが支持する姿勢を示したことは好材料だが、実行性に関心が移ることになる。サウジアラビアのジュベイル外相が「サウジが石油生産を削減する用意はなく、市場シェア維持に努める」と改めて強調しており、これに対する市場の反応には注意が必要であろう。

一方、アラブ首長国連邦(UAE)のスハイル・エネルギー相は「原油価格は適正水準ではなく、産油各国は増産凍結を強いられる」とし、高コスト生産への投資も抑制されるとしている。イラクのアブドルマハディ石油相は、「OPEC加盟国と非加盟国による協議は続く」とし、「正常」な原油相場の回復に向けた解決策の模索は、産油国の責務としている。

ただし、イランの石油関係者らは今回の産油国の増産凍結合意について、「原油価格押し上げには不十分」との見方を示している。15年12月のサウジの原油輸出は日量748万6,000バレルと、前月の771万9,000バレルから減少していたもよう。

一方、WTIの値動きについてだが、デイリーリターン(日次の収益率)をベースとしたボラティリティを計算すると、概ね100%となっている。これは、一年間で価格が上下に100%変動する可能性があることを示している。

WTIが30ドルから一年以内に60ドルまで上昇する可能性があるとすれば、これまでの今年のWTIの高値ターゲットである55-60ドルという水準は到達可能との見方になる。

現在の原油市場の高いボラティリティを前提に、今後は一年間で価格が2倍になる可能性を一応は念頭に入れておくべきなのかもしれない。エネルギーのトレード戦略は、WTI、ブレント、RBOBガソリン、ヒーティングオイル、ICEガスオイルのロング、天然ガスのショートを維持。さらに石油相場全体が上昇に向かうことで、収益拡大を狙いたい。