今週のトピック:米国マイクロン テクノロジー決算発表。9月雇用統計など米国の重要経済指標の発表

日付 イベント
9月28日(月) ・3月期決算企業の中間配当権利付き最終日
9月29日(火) ・同権利落ち日
・米国で8月雇用動態調査(JOLTS)求人件数、9月消費者信頼感指数
9月30日(水) ・米国で9月ADP民間雇用統計、8月個人消費支出の価格指数(PCEデフレーター)
・米国でマイクロン テクノロジー(MU)が決算発表
10月1日(木) ・2026年7-9月期日銀短観
・米国で9月ISM製造業景況指数
10月2日(金) ・9月東京都区部CPI
・米国で9月雇用統計

・長期金利が米国では19年ぶりに5.2%、日本では30年ぶりに3.1%まで上昇。今週発表の9月雇用統計など、米国の重要物価・雇用指標が強い結果になれば、金利上昇加速で株価停滞も?

・メタ・プラットフォームズ(META)の人工知能(AI)アプリ人気や10月1日(木)早朝の米国半導体メモリ大手マイクロン テクノロジー(MU)決算発表でAI株は底堅い展開か。金利上昇とAIをけん引役にした米国好景気の綱引き相場に?

9月28日(月)の日経平均

 前営業日比141円高の6万6,505円の続伸スタート。その後AI・半導体株が好感し、前場では一時、約1カ月半ぶりとなる6万7,000円台まで回復しました。後場では前日終値の6万6,364円付近でもみ合いとなっています(9月28日14時現在)。

日経平均株価 チャート

先週(9月21~25日)の主要株価指数

  終値 前週末比 前週末比率
日経平均株価 6万6,364円 +1,345円 +2.07%
TOPIX 4,128.5pt +37.4pt +0.92%
ダウ 5万1,828ドル +145ドル +0.28%
S&P500 7,743pt +92pt +1.21%
ナスダック 2万7,068pt +546pt +2.06%

今週のマーケット:AI・半導体株の続伸期待 vs 金利上昇の不安。重要指標を控えた綱引き相場に?

 今週はAI半導体株の反転上昇が続きそうな気配です。

 日本時間10月1日(木)早朝に発表される米国半導体メモリ大手のマイクロン テクノロジーの決算が予想を上回る伸びになると、AI株続伸の勢いが強まるでしょう。

 市場では2027年もAIデータセンターなどへの巨額投資が続き、半導体関連企業を中心に好業績が続くという楽観論がAI株の見直し買いにつながっています。

 ただ、心配なのは米国、そして日本の長期金利の動向です。

 米国では先週、長期金利の指標となる10年国債の利回りが一時19年ぶりに5.23%台に達しました。

 背景には原油価格の上昇、そしてAI巨額投資の追い風もあって米国の景気が非常に良く、インフレが止まりそうにないことがあります。

 日本でも10年国債の利回りが25日(金)に約30年ぶりに3.11%まで上昇。

 今週、米国では9月30日(水)に8月個人消費支出の価格指数(PCEデフレーター)が発表。米国の中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)が最重要視する、食品・エネルギーを除くコアPCEデフレーターは前月比0.3%上昇と、7月から伸び率が加速する予想です。

 月がかわって10月2日(金)には米国の9月雇用統計も発表。

 非農業部門雇用者数は前月比10万人の増加が予想されています。

 非常に良好な結果だった8月雇用統計に続き、今回9月分も予想を大幅に上回るようだと、金利の上昇に拍車がかかりそうです。

 そのため、金利上昇による景気失速懸念とAI株を中心にした2027年の業績向上への期待感がせめぎ合う展開が予想されます。

 先週、米国ではフェイスブックの親会社メタ・プラットフォームズ(META)が9月上旬に公開した個人向けAIエージェントアプリ「Muse(ミューズ)」が人気で前週末比12.9%も上昇。

 メタ向けに中央演算処理装置(CPU)を供給する英国アーム・ホールディングス(ARM)も12.6%高。

 アームHDの親会社ソフトバンクグループ(9984)は金利が最大9.75%に達する1.7兆円規模の巨額な社債発行に対する警戒もあって2.6%安でした。

 しかし、アームHDのCPU開発に参画するシステム半導体設計会社のソシオネクスト(6526)は12.2%高。

 一方、「Muse」の登場で、旅行予約や買い物など既存のECサービスに対する需要が減るという新たなAI脅威論が台頭。

 旅行予約サイトのエアトリ(6191)が9.9%安、弁護士支援サイト運営の弁護士ドットコム(6027)が9.6%安となるなど、今週もAI株だけが上がってソフトウエア株や非AI株は下がる一方という展開になる可能性もあります。

 先週は巨大データセンター建設で費用負担が膨らむのを回避する措置をとった米国データベース大手のオラクル(ORCL)が7.1%下落。

 世界的な長期金利の上昇は、ソフトバンクグループの金利9%超の社債に象徴されるように、ハイパースケーラー(大規模AIクラウド事業者)の資金繰り悪化につながりかねません。

 市場ではまだ金利上昇によるAIバブル崩壊に対する警戒感はそれほど高まっていませんが、今後、株価急落につながる火種になるかもしれません。

 また今週で2026年度の上半期が終わるため、29日(火)には3月決算企業の中間配当権利落ちの売り、9月末に向けては機関投資家などのリバランス(資産比率の再配分)売りも想定されます。

注目イベント:米国10月利上げ確率が64%まで上昇

 今週は米国の9月雇用統計、8月PCEデフレーターという雇用と物価の二大重要指標が発表されます。

 その他にも9月29日(火)には8月雇用動態調査(JOLTS)の求人件数、30日(水)には給与計算代行会社オートマチック・データ・プロセッシング(ADP)の9月民間雇用統計、10月1日(木)には全米供給管理協会(ISM)の9月製造業景況指数も発表。

 一連の経済指標が強い結果になると、19年ぶりに5.2%台をつけた米国の10年国債の金利がさらに上昇するかもしれません。

 米国連邦公開市場委員会(FOMC)の政策金利の市場予想を指標化したCMEグループ(CME)の「Fed Watchツール」では、次回10月28日(水)終了のFOMCで0.25%の利上げが行われる確率が64.2%(9月27日早朝現在)まで上昇。

 原油価格の高止まりに加え、今週発表の米国経済指標が良好な結果になると、11月3日(火)の中間選挙前に追加利上げが行われる可能性が高まり、株価に悪影響です。

市場別マーケット動向

日本市場

 日本では10月1日(木)に日本銀行の2026年7-9月期の全国企業短期経済観測調査(短観)が発表されます。

 事前予想では大企業製造業、非製造業の業況判断、先行きともにおおむねプラス幅が拡大する見込みで、日本の長期金利上昇に拍車がかかるかもしれません。

 為替市場では先週、1ドル157円20銭台まで円安が進行。

 日銀が先々週9月18日(金)終了の金融政策決定会合で追加利上げを行ったにもかかわらず、政策委員9人のうち2人が金利据え置きの反対票を投じたことで円安が進行しました。

 18日深夜には日銀が為替介入前に大手銀行に為替レートを確認する「レートチェック」が行われ、一時155円台まで円高が進みましたが、レートチェック前の円安水準1ドル158円台まで一時的に戻しています。

 今週は1ドル160円を再び超える可能性もあるため、再び米国のベッセント財務長官を巻き込んだ口先介入が行われて円相場が乱高下すると、自動車株など外需株中心に株価が不安定になるかもしれません。

米国市場

 先週は25日(金)に国連総会でイラン外相がイランの和平提案を米国が受諾すれば「7日以内にホルムズ海峡を開放する」と述べたこともあって原油価格が下落。

 原油の上昇一服が追い風になりAI株をけん引役に米国三大株価指数が上昇しました。

 米国では、患者ごとに個別製造するがんワクチンが承認間近のバイオ企業モデルナ(MRNA)がアナリストの投資判断引き上げで前週末比29.1%も急上昇。

 メタの画期的な買い物代行AIアプリ「Muse」に加え、がんワクチンに関連する製薬株の見直し買いという好材料も加わり、米国市場の雰囲気は明るくなっています。

 原油価格の下落が続くようなら続伸する可能性も高いでしょう。

業種・銘柄の動き

銘柄 先週の騰落率 ポイント
イビデン(4062) +19.4% エヌビディア(NVDA)最高経営責任者の「イビデンに頼るしかない」という発言を好感して急騰。今週もAI株続騰のけん引役に?
キオクシアホールディングス(285A) +2.2% AI人気株として今週は再び株価6万円台乗せに挑戦!
三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306) +2.6% 先々週まで利益確定売りに押されていたが、日銀の早期追加利上げ期待で反発
マイクロン テクノロジー(MU) +6.5% 今週10月1日(木)早朝に決算発表。2027年のAI関連企業の業績を占う意味で重要