ナイキの販路改革が業界全体に打撃、値崩れによる同業他社への影響も長期化か
中国のスポーツウエア業界について、BOCIは2026年7-9月期も厳しい状況が続いたとみている。国内の景気減速に加え、米ナイキの販路改革による影響が背景。ナイキは先ごろ、中国の販売代理各社が持つオンライン販売権を2027年1月1日付で終了させる方針を通達した。
ただ、小規模ECチャネルではナイキの影響による価格破壊を完全には止められず、他社に与える影響が予想以上に長期化する可能性が出てきたという。
こうした理由から、BOCIはスポーツウエアセクターに対して、相対的に慎重。10月1日に発表されるナイキの2026年6-8月期決算では、中国市場での苦戦がさらに鮮明になり、中国の同業他社に対する投資家心理も後退する可能性があるとした。
個別に見ると、トップピック銘柄は国内最大手の安踏体育用品(02020)。総合的な競争力と独プーマ株の取得計画を理由としている。
ナイキやアディダスなどの有力ブランドを扱う中国のスポーツウエア販売最大手、滔搏国際(06110)が7月、年内でナイキのオンライン販売代理権を失うと発表して以来、業界全体のチャネル在庫について、投資家の懸念が高まった。
BOCIが9月21日に行った電話会議では、ナイキの専門家らは販路改革による圧力が1年以上続くと予想。ナイキの販売代理店にとどまらず、より広範に悪影響が広がる可能性を指摘したという。
小規模ECチャネル(独自の「微信」ストアや即配サービスの「美団閃購」など)では2027年以降もナイキ製品の取引が続く可能性があり、同業他社への圧力が長引く恐れがある。さらに、ナイキの販売代理各社による年内の在庫一掃セールも業界全体の打撃。11月の大型ECセール「ダブルイレブン(独身の日)」で、同業他社が苦戦する可能性が高まった。
たとえナイキが在庫買い戻しや卸売価格の見直しといった対策を取っても、マイナス影響は極めて大きいとみられる。中国のナイキ販売代理店は22社で、オンライン流通取引総額(GMV)は定価ベースで年間約110億-120億元規模。滔搏国際と宝勝国際(03813)の2社だけで、5割強のシェアを握る。
ナイキの影響以外に、天候不順や国内経済の減速といった逆風もあり、スポーツウエア銘柄の7-9月期決算は予想を下回る見込み。続く10-12月期には「ダブルイレブン」での苦戦で、さらなる圧力に見舞われる可能性がある。
BOCIは個別では、安踏体育用品に対して強気。堅調な6月中間決算に加え、以下の4点をその理由に挙げた。
◇ナイキが失った市場シェアを吸収できる多様なブランドポートフォリオ、◇買収した独ジャック・ウルフスキンが下期に中国で新たなビジネスモデルを始動、◇旗艦ブランドの積極的な海外展開が長期成長エンジンとなる見通し、◇プーマへの出資が長期のシナジーと成長面で追い風となる可能性。
BOCIは安踏体育用品のほか、李寧(02331)、特歩国際(01368)の株価の先行きに強気見通しを付与している。