罰金52億元で赤字転落、ビジネス慣行調整を経て2027年にも収益成長回復へ

銘柄名:携程集団(トリップ・ドットコム)
現地コード:09961
株価:323.2HKD(9/17現在)

 中国国家市場監督管理総局(SAMR)から独占禁止法違反を理由に52億元の罰金支払いを命じられたことで、オンライン旅行プラットフォーム、トリップ・ドットコムの2026年4-6月期決算は24億5,800万元の赤字に転落した。

 ただ、この要因を除いてもマクロ経済の逆風下で主力事業の業績が低調。BOCIは下期も原油高や手数料率に絡む新規制という逆風に直面する可能性があるとした。ただ、マクロ経済面の逆風が和らげば、2027年にも業績回復が進むと予想。同社株価の先行きに強気見通しを継続している。

 4-6月期の純損失額はBOCIの予想(17億7,000万元)を超えたが、罰金など一時要因を除く非GAAPの営業利益、純利益は前年同期比6.5%減、4.3%減と、ほぼBOCIの予想通り。異常気象や原油高が世界の旅行需要に影響した可能性が示唆された。

 SAMRによる罰金と是正命令が7月25日に発表された後、同社は規制要件を順守するため、ホテル宿泊予約関連のビジネスモデルを調整した。SAMRと文化観光部は9月15日に、同社を含む主要オンライン旅行会社(OTA)を招集。事業慣行を見直し、独占的提携契約や最安値保証に起因するリスクを抑制するよう求めたという。

 BOCIはこれを規制当局による従来指針の再確認と受け止め、行政権限の単独行使には当たらないとしながらも、OTA各社が事業慣行の一段の改善を迫られる強いシグナルだと指摘。各分野の手数料率に長期的に影響し、結果的に利益率を圧迫する可能性があるとした。

 一方、海外向けプラットフォームの「Trip.com」は、原油価格の高止まりにもかかわらず好調。BOCIの推計では、4-6月期も前年同期比50%を超える流通取引総額(GMV)成長率を維持した。ただ、BOCIはGMVの勢いが続いても、それに伴う経費の増大で、下期には短期的に収益圧力が高まる可能性を指摘している。

 BOCIは7-9月期と10-12月期の非GAAPベースの営業利益について、それぞれ前年同期比4%減、1%増を見込む。

 ただ、「原油価格が落ち着き始める」「AI活用のコスト削減で2027年4-6月期以降は低ベース効果の恩恵を受ける」という2点を前提に、2027年には収益成長を回復するとの見方だ。仮に2026年7-9月期の段階で、規制措置が手数料率や収益性に及ぼす影響が限定的であると証明できれば、投資家心理が改善するとみる。

 同社はまた、1株当たり利益(EPS)の下支えに向け、2026年下期、2027年を通じて、自社株買い計画を継続する可能性が高いという。

 BOCIは同社H株と米株の目標株価を小幅に引き下げながらも、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。

 レーティング面の潜在リスク要因としては、旅行需要、特にアウトバウンドの回復ペースの鈍化、国内での海外旅行政策の引き締め、競争的な慣行に対する一段の規制強化、AIエージェントを含む市場競争の激化、市場シェア維持に向けた費用増、予想を下回る自社株買いおよび配当などの可能性を挙げている。