今日のクイズ
株式投資で、株価純資産倍率(ピー・ビー・アール:PBR)が1倍以下の銘柄は「割安」とみなされます。
財務や収益力に問題ないPBR0.8倍の銘柄に投資し、将来PBR1倍を回復するのを待つ投資戦略を「割安株投資」と言います。最高益を更新していく株を探して投資する「成長株投資」とは対極にあります。
それでは、今日のクイズです。
【クイズ】 業績悪化で株価が急落しているA社とB社、どちらもPBR0.5倍まで売り込まれています。将来の業績回復を見込んで買い出動したい。そこで、バランスシートをチェックしました。
どちらも自己資本比率は30%で同じですが、資産・負債の内訳が違います。絶対に買ってはいけないのは、どちらでしょう?
(参考)
◆流動資産:原則1年以内にキャッシュ化できる資産
◆固定資産:すぐにはキャッシュ化できない土地・建物・機械など
◆流動負債:1年以内に返済が来る負債
◆固定負債:返済期限が1年以上先の負債
◆自己資本:返済の必要なし
PBR1倍割れの意味
PBRについてもう少し詳しく説明します。
PBRについて説明する前に、企業のバランスシート(資産の残高を左側に、負債と資本の残高を右側に記載したシート)について説明します。
バランスシート(貸借対照表)=資産・負債・資本の目録
バランスシートを見ると、事業に使う資産を得るための資金をどう調達したか分かります。上の例では、資産100億円を、負債(借金など)60億円+資本(株主の出資金など)40億円で調達したことが分かります。
この会社は、自己資本比率(資本÷総資産)が40%です。
それでは、続けてPBR1倍の意味を説明します。かんたんな例で説明します。40億円出資して企業を設立、60億円借金し、合わせて100億円の資産を持つ企業を考えてください。その企業がいきなり株式市場に上場したとして、株式時価総額はいくらになるでしょう。まだ何もしていない会社ですから、普通に考えれば40億円です。それが、PBR1倍です。
自己資本(純資産)30億円でも、将来、利益をどんどん稼ぐ期待が高ければ、株式時価総額は60億円になることもあります。この状態が、PBR2倍です。ところが、将来、赤字が続いて資本を食いつぶしていくと考えられれば、自己資本が50億円でも株式時価総額は25億円となることもあり得ます。その状態が、PBR0.5倍です。
このように、PBRには、投資家による、企業の将来性への評価が反映されます。
【正解】
買ってはいけないのは、B社。
【1】B社は資金繰り(しきんぐり)に苦労します
企業は資金繰りにつまる(期限までに借金が返済できない)と破綻します。B社のように、流動負債が流動資産よりも多いと、資金繰りが大変です。
B社がどんな状態か、個人のバランスシートに置き換えて考えてみましょう
流動資産=銀行預金、流動負債=返済期限6カ月後の借金
固定資産=自宅マンション、固定負債=住宅ローン(30年返済)とします。

この人は、6カ月後に返済期限が迫る借金500万円を返すための現金を持ち合わせていません。これでは大変と一目で分かるでしょう。
流動比率を計算して、資金繰りの良しあしのおおまかな見当をつけましょう
<流動比率%>=<流動資産>÷<流動負債>×100
流動比率200%以上ならば資金繰り安定、100%以下は資金繰りが大変。
<A社の流動比率>=<流動資産80>÷<流動負債20>×100=400%
<B社の流動比率>=<流動資産20>÷<流動負債50>×100=40%
テクニカル・ファンダメンタルズ分析を詳しく勉強したい方へ
最後に、株式投資を書籍でしっかり勉強したい方に、私の著書を紹介します。ダイヤモンド社より、株価チャートの読み方をトレーニングする「株トレ」(黄色の本)と、決算書の見方などを学ぶ「株トレ ファンダメンタルズ編」(水色の本)が出版されています。どちらも一問一答形式で株式投資の基礎を学ぶ内容です。
