金利上昇懸念で日経平均売られる

 先週(営業日9月7~11日)の日経平均株価は、1週間で1,009円下がって6万4,011円となりました。中東危機の長期化、ウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)原油先物の上昇、日米のインフレ・金利上昇懸念が嫌気されました。

 日経平均は金利上昇への警戒からしばらく上値の重い展開となりそうです。9月17~18日の日銀金融政策決定会合で、日銀が利上げをすることはほぼ確実とみられています。

 9月15~16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げするかどうか、市場の見方が分かれていますが、足元、原油先物が1バレル100ドルを超えてきたことを受けて、金融市場ではFRBも追加利上げをするとの見方が強まっています。

<WTI原油先物(期近):2022年1月3日~2026年9月11日>

<WTI原油先物(期近):2022年1月3日~2026年9月11日>
出所:QUICKほか各種資料より楽天証券経済研究所作成

<日経平均の週次推移:2024年末=100、2026年9月11日まで>

<日経平均の週次推移:2024年末=100、2026年9月11日まで>
出所:QUICKほか各種資料より楽天証券経済研究所作成。▲はマイナスを示す

 2026年の日経平均の動きを簡単に振り返ります。

  • 3月:高市ラリーで上昇が続いてきた日経平均が中東危機で急落
  • 4~6月:深刻な原油危機は回避されるとの見方が広がり、日経平均急騰。AI・半導体ブームを受けて、AI・半導体関連株の上昇率が高い
  • 7月:複合ショックで急落
  • 8月:企業業績のモメンタムが強いことを好感して日経平均急反発
  • 9月:複合ショックの不安が強まり反落

 日経平均は、7月に複合ショックで売られました。具体的には

【1】AI・半導体過剰投資懸念
【2】中東危機再燃、長期化する懸念
【3】日米でのインフレ・金利上昇懸念

が売り材料となりました。

 8月には日経平均は一時急反発しました。企業業績モメンタムが強いことが買い材料となりました。ちょうど発表が終わった4-6月期決算がとても強く、東証プライムの純利益は前年同期比で約7割の増益でした。3月期決算企業で通期(2027年3月期)の業績予想の上方修正が増えました。これを受けて、楽天証券では表の通り、通期の業績予想を上方修正しました。

<東証プライム3月期決算、主要841社純利益(前期比%)>

<東証プライム3月期決算、主要841社純利益(前期比%)>
出所:楽天証券経済研究所作成

 ところが、8月後半から9月にかけて、また日経平均は下落しています。非常に好調だった4-6月期決算の発表は8月中旬で終わりました。一方、複合ショックの不安が再び高まりました。中東危機は長期化の様相を呈し、米国および日本でインフレ・金利上昇懸念が強まり、その不安を受けて、先週の日経平均も下落しました。

<日米の長期・超長期金利推移:2019年末~2026年9月11日>

<日米の長期・超長期金利推移:2019年末~2026年9月11日>
出所:QUICKほか各種資料より楽天証券経済研究所作成

日本株投資方針

 日本株は割安で、長期的な上昇余地が大きいとの見方は変わりません。ただし短期的には、金利上昇、中東危機再燃、AI過剰投資懸念があり、上値の重い展開となりそうです。特に大型株の上値が重くなると考えています。

 大型株の上値が重い中で、中小型株の上昇が目立つ展開になると予想しています。それは、過去の経験則によります。2021年以降、低金利が続く間、大型株の方が上昇率が高い傾向が続いてきました。その結果、大型株の割安度はやや低下しています。

 一方、足元では中小型株の割安度が目立つようになっています。さらなる金利上昇で大型株の上値が重くなる時、代わって、中小型株の上昇率が高くなると予想しています。

 私は今、これまで値上がりが大きかった大型株を少し売って、割安・好業績の中小型株を買っていくべきタイミングと判断しています。