11月の米中間選挙に向けてトランプ政権が動き出す?

 日米長期金利の動きも9月の相場のかく乱要因になりそうです。9月1日、日本の10年物国債利回りは30年ぶりに3%となりました。

 NHKによると、米財務省の高官が、ベッセント財務長官が片山財務相と植田総裁に対して、「日本の次のステップとして財政の持続可能性や利上げに向けた道筋を市場に対して明確に示すことが重要だ」などと伝えたことを明らかにしました。この報道によって日銀の早期利上げ観測が強まり、長期金利の上昇につながったという見方があるようです。

 米国は円安や日本の金利上昇が米金利を押し上げるリスクを警戒してきましたが、協調介入にもかかわらず160円台に乗せた円安や30年ぶりの3%への金利上昇によって、米政府からの圧力は一層強まることが予想されます。先ほどの発言は、日銀への利上げ催促だけでなく、日本の財政の持続可能性についても触れている点には留意しておきたいと思います。

 8月31日、ベッセント財務長官はCNBCのインタビューで「ウォーシュFRB議長とは国債に関して見解を共有している」と述べ、両氏の考え方にずれがあるとの見方を否定し、債券市場を落ち着かせる発言をしましたが、市場は近々発表予定の「財政健全化策」により注目しています。

 市場が納得するような具体策に欠けると市場は失望し、再び長期金利は上昇し、場合によってはトリプル安(米国債安〈金利高〉、株安、ドル安)になる可能性もあるため警戒したいと思います。

 G20会議の開催中、8月31日に日米財務相会談が行われました。会談後の記者会見で片山財務相は、「ベッセント財務長官とは秩序だった円相場は米国を含む世界の金融市場の安定のために不可欠であり、日米の継続的な協調した取り組みが共通の目的に資することを確認した」と述べました。

 7月末の日米協調介入後、初めての会談であり、日米の連携は続いていることが確認されました。

 この会談を受けて、160円以上は、日米協調介入も含めて介入警戒感が高まることが予想されるため、円安局面の動きは抑制的な動きになることが予想されます。ただ、介入が実施されても、米国の利上げが示唆されるような局面では介入効果は限定的になるかもしれません。

 G20会議終了後、片山財務相と植田総裁の記者会見が9月2日の朝(日本時間)に行われましたが、ベッセント財務長官との個別会談の内容についての詳細はノーコメントでした。米財務省側からの会談内容の発言についても発言を控えました。

 ただ、片山財務相はG20会議で協調介入について反対意見はなかった、日本の積極財政と成長戦略についても理解を得られたと述べています。

 8月はあまり動意がありませんでしたが、夏休み相場も終わり、いよいよ11月3日の米中間選挙に向けてトランプ政権が動き出してくることも予想され、9月、10月に市場は大きく動くかもしれません。9月9~10日には、米国共和党全国大会が開催されます。中間選挙向けの全国大会は初めてであり、党勢回復のためにトランプ大統領は何を語るのか、演説に注目したいと思います。