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インフレ再燃!?米国利上げ!?原油相場どうなる!?

2026/9/1 7:30

 原油相場は「戦時下のレンジ」で推移しています。中東情勢の混迷、OPECプラスの減産、海上輸送の停滞、米国の原油在庫減少が重なれば、今後もこのレンジ内で推移する可能性があります。

目次
  1. 戦時下のレンジ「70~110」の下半分
  2. 非西側化する産油国の思惑
  3. 「ステージ」が変わったイラン戦争
  4. 原油相場は戦時下のレンジを維持か
  5. [参考]エネルギー関連の投資商品(一例)

戦時下のレンジ「70~110」の下半分

 図1は、2026年の年初以降のNY原油先物価格の推移です。2月28日に中東情勢が急激に悪化した後、原油価格は一時110ドルを超え、その後は70ドル付近まで下落しました。

 筆者は情勢悪化以降の原油相場の動きを「戦時下のレンジ」と呼んでいます。その目安は70~110ドルです。足元はその下半分に位置しています。複数の下落圧力と、複数の上昇圧力に挟まれ、レンジを形成しているといえます。

図1:NY原油先物価格(2026年 中心限月 日次平均) 単位:ドル/バレル

図1:NY原油先物価格(2026年 中心限月 日次平均) 単位:ドル/バレル
出所:Investing.comのデータを基に筆者作成

 図2は、2026年後半の原油市場を取り巻く主な材料です。レンジを形成する下落圧力は、世界景気悪化による需要減少懸念、中東情勢の鎮静化期待、米国の利上げ確率上昇、OPECプラスの自主減産の縮小(≒増産)などがきっかけで発生していると考えられます。

 一方、上昇圧力は、米国の利上げ確率低下、中東情勢の悪化懸念、OPECプラスの協調減産継続観測、米国原油在庫の減少、ホルムズ海峡をめぐる輸送コスト上昇懸念などがきっかけで発生していると考えられます。

図2:2026年後半の原油市場を取り巻く環境

図2:2026年後半の原油市場を取り巻く環境
出所:各種資料を基に筆者作成

 原油相場は当面、こうした複数の材料がもたらす上下両方の圧力に挟まれ、「70~110ドル」という中東情勢が急激に悪化した後に形成された「戦時下のレンジ」内で推移することが予想されます。

非西側化する産油国の思惑

 今、ベネズエラの動向に注目しなければならないと筆者は考えています。2026年1月に発生した米国による政治・軍事的な介入を経て、同国は米国の影響を強く受けるようになりました。

 目下、報じられているとおり、ベネズエラがOPECから脱退する可能性があります(図3を参照)。仮にそうなれば、加盟国が一つ減るだけではなく、OPECプラスの組織としての特性が変化する可能性があります。米国の影響下にある国が脱退することで、組織全体の「非西側化」が一段と進む可能性があると、筆者は考えています。

図3:OPECプラスについて(2026年8月時点)

図3:OPECプラスについて(2026年8月時点)
出所:OPECの資料を基に筆者作成

 この点は、2027年以降の協調減産(2026年12月で終了予定)の行方を考える上でも大きな意味を持ちます(図4を参照)。非西側色が強まれば、結束して生産量を管理し、原油相場を下支えする動機が大きくなる可能性があるためです。

図4:協調減産と自主減産のイメージ(2026年8月時点)

図4:協調減産と自主減産のイメージ(2026年8月時点)
出所:OPECの資料を基に筆者作成

 さらに、その延長線上で、中東の原油などの海上輸送をめぐる動向にも変化が生じる可能性があります。OPECプラスの参加国の一つで、ホルムズ海峡に面するオマーン(図3を参照)が、イランと同様、地理的な条件を背景に、通行料の徴収を示唆する可能性を否定できないためです。

 つまり、ベネズエラの脱退はOPECプラスを弱体化させるどころか、むしろ「非西側化」が進行し、OPECプラスを一枚岩に近づけるきっかけになる可能性さえあります。協調減産の長期化やホルムズ海峡における通行料の徴収が実現すれば、原油相場への上昇圧力は一段と強まる可能性があります。

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