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経済規模20兆円!加速する防災DX~9/1「防災の日」に考える国土強じん化と日本株5選

2026/8/25 19:00

 9月1日は「防災の日」。足元では地震への警戒に加え、千葉県をはじめ各地で大雨による被害も相次ぐ。防災は災害発生後の対応だけでなく、国土強靱化(きょうじんか)や老朽インフラの更新、企業のBCP、防災DXへと広がっている。今回は「災害に強い社会」を支える企業から、注目したい5銘柄を取り上げる。

目次
  1. 災害が相次ぐ日本、「防災の日」に改めて考える
  2. 老朽化進む道路や橋…防災は「20兆円強」の長期テーマへ
  3. 加速する「防災DX」。情報が重要なインフラ
  4. 防災株の投資戦略:「災害が起きたら上がる株」ではなく事業を見る
  5. 五つの役割で注目する防災関連株5選

災害が相次ぐ日本、「防災の日」に改めて考える

 毎年9月1日は「防災の日」です。1923年9月1日に発生した関東大震災の教訓などを踏まえて制定され、8月30日から9月5日までは「防災週間」とされています。

 今年の「防災の日」は、いつも以上に防災を身近な問題として考える機会になりそうです。足元では千葉県を含め、各地で大雨による被害が相次ぎました。日本では地震への警戒が続く一方、集中豪雨や河川の氾濫、土砂災害などへの備えも欠かせなくなっています。

 しかも、災害の影響は住宅の被害だけにとどまりません。道路や鉄道が使えなくなれば、人や物の移動が止まります。停電や通信障害が起きれば企業活動にも影響しますし、工場や物流拠点が被災すれば、サプライチェーンを通じて離れた地域の企業まで影響を受けることがあります。

 つまり、防災は「災害が起きてから対応するもの」ではありません。建物や道路を強くする、崩れやすい斜面を補強する、火災を早く見つける、災害時にも現場同士で連絡できるようにする。そして被災後には、救助や復旧を急ぐ必要があります。こうして考えると、災害が起きる前から復旧まで、実に多くの企業が防災に関わっていることが分かります。

老朽化進む道路や橋…防災は「20兆円強」の長期テーマへ

 株式市場では、大きな地震や豪雨が発生すると「防災関連株」が注目されることがあります。ただ、防災関連株を「災害が起きたときだけ買われる銘柄」と考えるのは、少し違うように思います。

 注目したいのが、政府の「国土強靱化(きょうじんか)」です。政府は2025年6月、「第1次国土強靱化実施中期計画」を閣議決定しました。対象期間は2026年度から2030年度までの5年間で、「推進が特に必要となる施策」について、おおむね20兆円強を事業規模のめどとしています。

 計画の対象は、地震や津波、風水害への備えだけではありません。道路や上下水道をはじめとするインフラの老朽化対策なども含まれています。

 ここで見逃せないのが「老朽化」です。日本では高度経済成長期に造られた道路や橋、トンネル、上下水道などが次々と更新時期を迎えています。老朽化したインフラを直すことは単なる修繕ではなく、地震や豪雨が発生した際に道路や橋などが使えなくなるリスクを減らし、災害に強い社会をつくることにもつながります。

 つまり、「防災」「国土強靱化」「インフラ更新」は、それぞれ別の投資テーマに見えて、実際にはかなり重なっています。しかも道路や橋が老朽化しても、景気が悪いからといって補修をいつまでも先送りするわけにはいきません。防災設備についても同じです。

 防災を一時的な材料ではなく、中長期の投資テーマとして見ておきたい理由はここにあります。

加速する「防災DX」。情報が重要なインフラ

 もう一つ、以前とは大きく変わってきたのが、防災のデジタル化です。従来の防災というと、堤防を造る、建物を耐震化する、消防設備を設置するといった「ハード」のイメージが強かったと思います。もちろん、それらは今後も必要です。

 一方、大規模災害が発生したときには、「情報」も重要なインフラになります。どこで被害が起きているのか、誰がどこにいるのか、どの道路が使えるのか、どこに救助が必要なのか。こうした情報をできるだけ早く集め、現場で共有しなければなりません。

 そこで使われ始めているのが、スマートフォンやIP無線、クラウド、ドローン、人工知能(AI)、センサーなどのデジタル技術です。防災関連株といえば、以前は建設・土木や消防設備などが中心でしたが、これからは通信やソフトウエアなども含めて考える必要があります。

 企業側の事情もあります。企業にとって災害対策は、従業員の安全を守るだけでなく、事業を止めないための経営課題です。工場が止まれば製品を作れず、物流拠点が被災すれば商品を届けられません。通信手段が使えなくなれば、現場で何が起きているのかを把握することさえ難しくなります。

 そのため企業の事業継続計画(BCP)でも、「何を備蓄するか」だけでなく、「災害が起きたときにどう動くか」が重要になっています。防災DXは、こうした企業の課題を解決する手段としても広がる余地がありそうです。

防災株の投資戦略:「災害が起きたら上がる株」ではなく事業を見る

 防災関連株に投資するときには、一つ注意したいことがあります。大きな地震や豪雨が発生すると、「防災関連」とされる銘柄が短期間で買われることがあります。しかし、株価が動くことと、その企業の利益が増えることは同じではありません。

 例えば、防災関連の売上高が会社全体のごく一部であれば、テーマだけで株価が上昇しても、実際の業績への影響は限られます。大切なのは、「防災関連」という言葉だけで企業を選ばず、その会社が防災のどの部分を担い、それが継続的な収益につながるのかを見ることです。

 災害が起きる前には、斜面対策や地盤改良などによって被害を小さくします。災害が起きれば、火災などの異常を知らせ、現場の人たちが連絡を取り合う仕組みが必要です。その後は消火や救助、道路などの復旧が始まります。

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