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「終活=処分」は誤解…知らないと家族でトラブルに?「墓じまい」「家じまい」よりも大切なこと

2026/8/28 7:30

 証券アナリスト・エコノミストの経歴を持ち、高齢者の課題解決に努めている黒澤史津乃が世間一般で語られがちな終活について解説し、正しい考え方を指南します。今回のテーマは「終活でしまうもの」。お墓や私物を「しまう」ことも終活の一環ですが、断捨離そのものに必死になってしまっては、終活の本質を見失ってしまうかもしれません。

目次
  1. 1.「〇〇じまい」に走りがちな終活ブーム
  2. 2.「〇〇じまい」の意味を考える
  3. 3.いま断捨離することより、誰に託しておくかを決めるべき

1.「〇〇じまい」に走りがちな終活ブーム

「終活」という言葉が市民権を得てからもう15年ほどたつでしょうか。

 今や、70代の女性たちが集まってエンドレスなおしゃべりが始まると、その話題のベスト3は、孫自慢、夫の認知症、そして「終活」なのだそうです。

 終活の専門家を自認する筆者としては、終活のお年頃な女性たちが「終活」をテーマにどんなトークを繰り広げているのかが気になるところです。

 ところがリサーチを進めていったところ、70代マダムたちによる終活の進み具合の尺度は、「しまっているかどうか」なのだということが分かってきました。

 一般に終活の領域では、四つの「しまうもの」があるといわれています。

(1)墓じまい

 代々脈々と引き継がれることを前提にした、いわゆる「〇〇家の墓」という墓石の建っている墓地を終わりにすること。すでに墓の中に収められている先祖の骨つぼを取り出して、別の承継者不要の納骨堂などに改葬することと、その手続きをした人自身が死後に入ることのできる墓所を準備することが必要です。

 子どものいない人はもちろん、子どもがいる人でも、この先ずっと「〇〇家」の名字を継いでいく子孫の誕生を前提とする今のお墓の仕組みを、自分の代で終わらせておきたいという思いから、墓じまいを決心する人が増えているようです。

(2)仏壇じまい

 墓じまいとまったく同じ趣旨で、仏壇を代々脈々と子孫に引き継いでいくことに負担を感じる場合に、「魂抜き」を行って仏壇を撤去すること。位牌(いはい)だけを残したり、小ぶりの仏壇にダウンサイジングしたりするなど、さまざまな仏壇じまいのやり方があります。

 また、先祖の大きな額縁に入った遺影についても、自分の代で懇ろに処分しておかなければ、引き継いでくれる次の世代がいない、いても引き継ぐことを迷惑がる可能性が高いという現実に直面する人が多いようです。

(3)家じまい

 両親が暮らしていて空き家になった実家を、大量の荷物とともに処分することや、自分自身が長年住んでいた戸建ての自宅を、子どもたちも巣立って広すぎる、最寄り駅から遠くて不便などの理由で、駅近のマンションや高齢者住宅にダウンサイジングして住み替えるために売却すること。

 いずれも、家族との懐かしい思い出が詰まっているため、気持ちの踏ん切りをつけるのが難しいことや、ようやく処分する決心がついたところで、実家の不動産としての価値が低すぎて、自分の中での実家の価値と市場で判断される価値との乖離(かいり)にショックを受け、しかもそんな値段でも買い手が見つからないなどの課題が次々と押し寄せます。

(4)その他のコト・モノじまい

「コト」じまいとしては、年賀状じまい(長年つづけてきた年賀状を送る習慣をやめる)、車じまい(車の運転をやめて、運転免許を返納する)、ヘアカラーじまい(白髪染めをやめる)などがあります。

「モノ」じまいとしては、服飾じまい(必要最低限の服飾品だけを残し、新たなモノは購入しない)、食器じまい(夫婦2人分の食器だけを残して、大量の食器を処分する)、推し活じまい(コレクションしていた趣味のモノを処分する)などがあります。

 このように、あれをしまった、次はこれをしまわないと、など友人間で話が盛り上がってくると、どんどん「しまう」ことそのものが終活だと思えてくるのは当然かもしれません。

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