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「金は続伸、原油は小幅上昇」
江守 哲
コモディティ デイリーコメント
貴金属、原油を中心とした商品(コモディティ)マーケットの要点をまとめたデイリーコメント。コモディティマーケットに精通した江守氏の鋭い着眼点に注目。

「金は続伸、原油は小幅上昇」

2017/6/26
金相場は上昇。ドル安や世界的な政治・経済の先行き不透明感、米追加利上げ観測の後退を背景に買われている。
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金相場は上昇。

ドル安や世界的な政治・経済の先行き不透明感、米追加利上げ観測の後退を背景に買われている。セントルイス連銀のブラード総裁が、「FRBが目標とする2%のインフレ目標に確実に近づいていることが明らかになるまでは、追加利上げを待つべきだ」との考えを示したことが材料視されたもよう。また、原油の反発で他通貨が上昇し、ドルが下げたことも金相場の押し上げにつながったといえる。

FOMC後のFRB関係者の発言は、利上げに積極的と受け止められているものの、市場は利上げに慎重な姿勢を見せている。NY連銀のダドリー総裁が講演で、「労働市場が引き締まって賃金が上昇すれば、インフレ率は2%の目標に向かっていく」とし、「年内あと1回」の利上げを含めた緩やかな金融引き締め路線の継続に自信を示して、ボストン地区連銀のローゼングレン総裁も、「米国を含め、世界で実施されている低金利政策は金融安定を脅かす恐れがある」として、中銀関係者は政策決定でこうした懸念を勘案すべきとの認識を示している。しかし、これらは今後の利上げの可能性を市場に問いかけていると考えれば、特段大きな材料ではないことがわかる。

利上げ確率が上がらなければ、利上げをしないだけであり、そうなればドルが売られて金が上がるというように考えればよい。実際にもそのような動きになる可能性がきわめて高いだろう。

世界最大の金上場投資信託(ETF)であるSPDRゴールドトラストの保有高は、6月16日の853.68トンからから23日には853.98トンへ小幅に増加した。売りたい投資家はすでに売ってしまったといえるだろう。

COMEX金先物市場での大口投機筋のポジションは、6月20日時点で15万0,675枚の買い越しとなり、前週から3万9,599枚減少した。買いポジションが4万4,558枚減少し、売りポジションも4,959枚の減少となったことから、ネットの買い越しポジションが減少した。

金相場は20日まで下落しており、その流れを受けて投機筋は買いポジションを減らしたものと思われる。一方で、下落局面の中で売りポジションの解消も進んでおり、安値で買戻しを行っていることも確認できる。さらに、21日以降は反発したことで、買いポジションの積み上げと売りポジションの解消が進んでいるものと思われる。

非鉄相場は堅調に推移。

アルミは安値圏で推移しているが、銅は上値を試し、5,800ドルを一時上回る場面もあった。引けでもこれを維持しており、今後の動きに期待が集まる。ニッケルも大幅上昇しており、9,300ドルを試す展開にある。これを回復できれば、基調は大きく改善する。亜鉛も2,700ドルを超えて、新たな展開に向かいつつある。鉛も2,220ドルのレジスタンスを超えており、亜鉛とともに興味深い動きになりつつある。

27日のイエレンFRB議長の講演と、30日発表の中国の購買担当者景況指数(PMI)をきっかけに、上向き基調がさらに強まるかに注目したい。

原油は小幅続伸。

ドル安が材料視された可能性が高い。ただし、OPEC主導の協調減産が供給過剰の大きな削減につながっていないことから、上値は限定的になるとの見方が多い。

米国内の石油掘削リグ稼働数は前週比11基増の758基となり、15年4月以来の高水準となった。前年同週の330基の2倍超となり、増加は23週連続と過去最長を記録した。これらから、米国シェールオイル生産の増産傾向への懸念が強まりそうである。

世界の石油市場では供給過剰が懸念されており、さらにアジアの主要原油輸入国の需要が減少しているとの見方から、石油市場の均衡回復への取り組みが一段と遅れるとの見方が強まっている。

中国では燃料供給が過剰状態にあり、インドでは高額紙幣廃止の影響が残っているという。日本でも高齢化や人口減少に伴う需要減への懸念があり、原油需要の伸びが抑えられているもようである。これら3カ国の原油消費量は世界全体の約2割を占めている。

アジアの石油需要の伸びが予想を下回り、原油価格の押し上げを目的としたOPEC主導の協調減産の効果が損なわれると、原油相場の戻りは期待しづらくなる。一方、米国のシェール生産現場では、小さなセンサーを生産装置に取り付け、圧力や温度、掘削ドリルの回転速度などあらゆるデータを収集し、生産効率の向上に努めているという。これらのセンサーは、石油大手によるビッグデータの収集で利用され、一部の会社は稼働停止の防止や危険の特定などで節減できる費用を数十億ドルと見込んでいるという。

コノコフィリップスは、テキサス州南部のイーグルフォード・シェール層に設置したセンサーにより、新規の掘削に要する時間の半減につながったという。数多くのセンサーのデータと比較することにより、プログラムがドリル先端の荷重や速度を自動的に調整し、原油の抽出が迅速化されるという。

石油・ガス大手75社への調査によると、68%の会社が過去2年間にデータ分析の分野に1億ドル以上を投資しているという。効率化が進むことで、生産コストが押し下げられ、これが生産量の増加と原油安を加速させる可能性がある。

伝統的なOPEC産油国の競争力はますます低下し、減産は不可避となり、米国が産油国の盟主になる日もそう遠くないだろう。

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