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不動産ブームで含み益巨額な割安株5選。三菱地所は含み益5.5兆円で実質PBR0.67倍(窪田真之)

2026/8/15 8:00

 今、日本には保有不動産に巨額の含み益があるにもかかわらず、株価が買収価値と比べて割安な銘柄が多数あります。今日は、そういう「含み資産株」に改めてスポットライトを当てます。

目次
  1. 不動産価格上昇、上場企業の含み益の増大続く
  2. 解散価値といわれるPBR1倍を大きく割り込む銘柄が増えている
  3. 実質PBR0.7倍割れ、最高益更新を見込む5社

不動産価格上昇、上場企業の含み益の増大続く

 アベノミクスが始まった2013年以降、景気回復と異次元金融緩和の効果で、不動産需給が引き締まり、2019年にかけて不動産ブームが起こりました。2020年にコロナショックが起こると不動産市況は一時的に悪化しましたが、すぐに立ち直り、2023年以降には再び、不動産ブームの様相を呈しています。

 都市部の新築マンションは高人気で、東京23区の新築マンション販売価格は2025年には、平均1億3,613万円と、高騰しています。マンションだけでなくオフィスビルの賃料、価格も好調です。2026年1月1日の三大都市圏(東京、大阪、名古屋)の公示価格は、全用途平均で4.6%の大幅上昇となっています。

公示地価 地価変動率(全用途平均)年次推移:2014~2026年の1月1日時点、前年比

公示地価 地価変動率(全用途平均)年次推移:2014~2026年の1月1日時点、前年比
出所:国土交通省資料より楽天証券経済研究所作成

 不動産ブームを反映して、三大都市圏に不動産保有の多い上場企業の賃貸不動産含み益【注】は拡大し続けています。

【注】含み益
 時価と取得原価の差額。100億円で買った不動産が120億円まで値上がりしたとき、帳簿上100億円で計上している不動産に、20億円の含み益が存在することになる。

賃貸不動産の含み益上位4社の含み益推移:2013年3月~2026年3月

賃貸不動産の含み益上位4社の含み益推移:2013年3月~2026年3月
出所:各社有価証券報告書より楽天証券経済研究所が作成

 このように、上場不動産株の含み益が年々拡大しているにもかかわらず、不動産株は上値が重くなっています。

東証不動産株価指数の動き:2004年1月~2026年8月

東証不動産株価指数の動き:2004年1月~2026年8月
出所:QUICKより楽天証券経済研究所が作成

 不動産業は市況産業です。過去に、不動産市況の上昇下落に対応して、ブームと不況を繰り返してきました。過去を振り返ると、1973年、1990年、2007年に市況のピークがありました。

 1973年は列島改造論のブームの中で不動産市況が高騰しましたが、オイルショックが起こると崩落しました。1990年の不動産バブルはその後「失われた10年」で崩壊しました。2007年の不動産ミニバブルは2008年のリーマンショックで崩壊しました。

 このように、不動産市況が大きく変動することから、投資家は学習効果で、ブームでも不動産株への投資には慎重になる傾向があります。

 とはいえ、保有不動産の含み益がどんどん拡大する中で、株価が低迷してきたために、買収価値(含み益を考慮した純資産価値)と比較して極めて低い評価の銘柄が増えています。私は、株価が極めて割安になっていると判断する銘柄に選別投資していって良いと判断しています。

解散価値といわれるPBR1倍を大きく割り込む銘柄が増えている

 不動産セクターには、業績が堅調で、巨額の含み益を有しているにもかかわらず、株価が上がらないため、株価が、解散価値といわれる株価純資産倍率(PBR)1倍を割れる銘柄が多数あります。

 賃貸不動産に大きな含み益があるのは、不動産会社ばかりではありません。電鉄・倉庫など、さまざまな業種に「含み資産株」があります。

 直近の決算期末で、賃貸不動産の含み益が2,000億円を超えている27社は以下の通りです。

賃貸不動産に含み益2,000億円以上を有する27社

賃貸不動産に含み益2,000億円以上を有する27社
出所:各社、開示されている最新の期末有価証券報告書より、楽天証券経済研究所が作成。東京建物・ヒューリック・NIPPON EXPRESSは2025年12月期、イオン・東宝は2026年2月期、その他は2026年3月期
(注:実質PBRは、8月12日の時価総額を実質純資産で割って計算。実質純資産は、各社の純資産に不動産含み益の7割を加えて計算)

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