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円高と金利上昇が追い風の日本株5選。ジャクソンホール会合後は円高?「米ハト派・日タカ派」で注目

2026/8/12 17:10

 世界の中央銀行関係者が集まるジャクソンホール会合が近づいている。7月FOMCでは3人の委員が利上げを主張したが、追加利上げ観測は後退した。一方、日銀が追加利上げに前向きな姿勢を維持すれば、日米金利差の縮小から円高が進む可能性がある。今回は「米ハト派・日タカ派」を想定し、東京市場で注目したい5銘柄を取り上げる。

目次
  1. わずか10日ほどで変わったFRBへの見方
  2. 「米ハト派・日タカ派」なら日米金利差は縮小へ
  3. 円高、国内金利上昇が追い風の企業は?
  4. 「米ハト派・日タカ派」シナリオで注目の日本株5選
  5. あなたが気になる銘柄に投票してみてください

わずか10日ほどで変わったFRBへの見方

 毎年夏になると、金融市場の注目を集めるのが米国ワイオミング州で開催されるジャクソンホール会合です。今年は8月27~29日に開催され、世界各国の中央銀行関係者や経済学者などが集まります。過去にも米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言をきっかけに、米国債利回りや為替、株式市場が大きく動いてきました。

 今回も米国の金融政策が最大の焦点です。7月に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)から米雇用統計発表までわずか10日ほどで市場の見方は変わってきました。

 7月29日のFOMCでは、政策金利を3.50~3.75%に据え置きました。ただし決定は9対3で、反対した3人の委員はいずれも0.25%の利上げを求めています。

 ウォーシュFRB議長も7月FOMCで2%のインフレ目標を改めて強調し、声明文も物価への警戒を残す内容でした。この時点では9月会合での追加利上げが現実味を帯びていました。

 ところが、流れを変えたのが8月7日に発表された7月の米雇用統計です。非農業部門雇用者数は、市場では増加が見込まれていたものの、実際には2万3,000人減となりました。5~6月分も合わせて10万3,000人下方修正され、雇用がこれまで考えられていたほど強くないとの見方が広がりました。

 この雇用統計の結果を受けて、市場では9月FOMCでの利上げを織り込む動きが後退しました。7月末までは「もう一段の利上げが必要ではないか」とみていた市場が、「雇用が弱い中で本当に利上げできるのか」と考え始めたわけです。

 だからこそ今回のジャクソンホール会合は重要です。FRBが引き続きインフレを警戒し、追加利上げの可能性を残すのか。それとも雇用の弱さを踏まえ、これ以上の金融引き締めに慎重になるのか。FRBがどちらに軸足を置くのかを見極める場になりそうです。

「米ハト派・日タカ派」なら日米金利差は縮小へ

 一方、日本では日本銀行(日銀)が金融政策の正常化を進めています。7月の金融政策決定会合では政策金利を据え置きましたが、高田創審議委員は0.25%の追加利上げを主張しました。また、植田和男日銀総裁も、会合後の記者会見にて「構造的なタカ派(持続的なインフレ圧力に備えた継続的な利上げを重視する政策スタンス)」姿勢は貫いています。

 もちろん、日銀がすぐに追加利上げへ動くと決まったわけではありません。国内景気や賃金、物価、海外経済の動向を確認する必要がありますし、一定の独立性は担保しつつ高市政権とのコミュニケーションも重要なポイントです。

 それでも、FRBが雇用の弱さを理由に追加利上げへ慎重になる一方、日銀が利上げ余地を残せば、日米の金融政策には温度差が生まれます。

 そこで重要になるのが日米金利差です。これまで円安を支えてきた理由の一つが、米国の金利が日本より大幅に高かったことでした。米金利に低下圧力、日本金利に上昇圧力がかかれば、日米金利差が縮まり、ドル買い・円売りの巻き戻しにつながる可能性があります。

 足元のドル円は金利差だけで方向性は決まりません。景気見通しや投資家のリスク姿勢、実需、政府・通貨当局の動きも影響します。2026年夏には、急速なドル高・円安に対して日米が協調して円買い介入に動く異例の展開もありました。

 それでも、ジャクソンホール会合で「FRBは利上げに慎重」「日銀は追加利上げ姿勢を維持」という組み合わせが鮮明になれば、ドル円には円高圧力がかかりやすくなるでしょう。

円高、国内金利上昇が追い風の企業は?

 円高と聞くと、「日本株にはマイナス」と考える人も多いかもしれません。確かに、自動車や機械など海外で稼ぐ輸出産業には逆風になります。

 例えば海外で1ドルの利益を稼いだ場合、1ドル=160円なら160円ですが、150円になれば150円です。実際の業績は為替予約や海外での生産コストなども影響しますが、円安メリットを受けてきた輸出企業ほど、急速な円高は警戒材料になります。

 しかし、海外から商品や原材料を仕入れる企業には追い風です。ドル建て100ドルの商品なら、1ドル=160円では1万6,000円ですが、150円なら1万5,000円。単純計算では仕入れ負担が1,000円軽くなります。

 企業は在庫があるほか、為替予約をしているため、業績への反映には時間差があります。それでも円高が一定期間続けば、海外から商品を調達する企業には仕入れ環境改善の恩恵が出てきます。

 もう一つ見ておきたいのが金融関連企業です。こちらは円高そのものではなく、日銀の金融政策がポイントになります。国内金利が上昇すれば、銀行では貸出金利の上昇を通じて利ざや改善が期待できます。

 生命保険会社は国内金利の上昇によって、新規で購入する債券の利回り改善につながる一方、既存債券の価格下落を招きます。生保にとって望ましいのは、金利の急騰ではなく緩やかな正常化です。

「米ハト派・日タカ派」となれば、自動車など円安メリット株から、国内金利上昇の恩恵が期待できる金融関連企業へ。さらに円高で輸入コスト低下が期待できる小売や食品などの内需株へ資金が移る可能性があります。

 ジャクソンホール会合後に円高が進んでも東証株価指数(TOPIX)が底堅く推移するようなら、東京市場の物色対象が変わり始めたサインとして注目したいところです。

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