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東証グロース上場の「割安銘柄」トップ5を徹底分析(西 勇太郎)

2026/8/13 8:00

 上昇率で見劣りする東証グロース市場の上場銘柄には割安に放置された銘柄があるはず、という考えのもと、時価総額200億円以上の東証グロース銘柄から、同業他社比で割安な銘柄を探しました。見つけ出せた割安度が高い銘柄トップ5をご紹介します。

目次
  1. PBR(株価評価)とROE(収益性)の比例関係を利用して割安銘柄を探索
  2. 1位:LA HD
  3. 2位:シンメンテHD
  4. 3位:ポート
  5. 4位:日本スキー場開発
  6. 5位:ナレルグループ

PBR(株価評価)とROE(収益性)の比例関係を利用して割安銘柄を探索

 上昇率で見劣りする東証グロース市場の上場銘柄のうち、どの銘柄が特に割安かを知るために、株式の評価と収益性がおおむね、図のような比例関係にあることを利用して調査しました。

<株価評価と収益性はおおむね比例関係>

株価評価と収益性はおおむね比例関係
出所:各社資料より作成

 具体的には、2026年8月7日時点で時価総額200億円以上、かつ、直近通期決算で黒字を計上している東証グロース市場上場銘柄のうち、国内同業他社との間で株価純資産倍率(PBR)(株価評価)と自己資本利益率(ROE)(収益性)に比例関係が認められる66社について、国内同業他社(東証プライムなど他市場上場銘柄含む)比で割安か割高かを分析しました。

 そして、その割安度合い・割高度合いが解消された場合の株価を各社について計算。現在の株価からの上昇率が高い順に66社について並べ、トップ5を見つけ出しました。

 以下が、東証グロース銘柄の中で、国内同業他社比較の観点で割安感が高いトップ5企業です。

<東証グロース銘柄割安トップ5>

順位 社名 証券
コード
株価 PBR 割安感解消
PBR 株価 上昇率
1 LA HD 2986 2,654 2.1 3.9 4,900 85%
2 シンメンテHD 6086 1,063 4.3 6.8 1,700 60%
3 ポート 7047 2,593 3.2 5.1 4,100 58%
4 日本スキー場開発 6040 449 2.5 3.3 600 34%
5 ナレルグループ 9163 2,299 1.4 1.7 2,900 26%
※株価は2026年8月7日終値
出所:各社資料などより作成

1位:LA HD

 LAホールディングス(2986 東証グロース)は、首都圏特化の一棟再生事業を中心に、再生不動産、新築開発、賃貸、土地価値向上を展開する総合不動産グループです。

 グループ運営の効率化と事業価値向上のためにDXを経営の重要施策として位置づけ、契約書管理の統一や審査プロセス標準化による契約DXを推進。さらに新築開発や再生不動産では、設計・管理のデジタル化や顔認証IDの導入など不動産DXを進め、物件価値と運営効率を同時に高めています。これらの事業を基盤に、2031年へ向け時価総額1,000億円を目指しています。

 LA HDが行うリノベーション事業の同業他社には、カチタス(8919 東証プライム)、スター・マイカ・ホールディングス(2975 東証プライム)、ムゲンエステート(3299 東証スタンダード)などの企業があります。

 これら上場リノベーション企業主要12社について、上述の通り、収益性についてはROEを、株価評価についてはPBRを適用した散布図を作成すると、おおむね比例関係にあることが分かります。その中で、LA HD(英語名:LA Holdings)は割安方向にずれています。

 現在LA HDの株価は長期的な上昇トレンドにある中で2,654円(PBR2.1)となっていますが、なお割安感があります。この状況で、この割安感が解消された場合のPBR(散布図の青破線に乗る水準)は3.9であり、相当する株価は4,900円(85%上昇)です。

<主なリノベーション企業12社のROEとPBRの関係>

主なリノベーション企業12社のROEとPBRの関係
出所:各社資料より作成

 なお、分析対象とした12社の中で、東証グロース銘柄ではありませんが、ムゲンエステートとあかつき本社(8737 東証スタンダード)はLA HD以上に割安感が大きい銘柄です。

 ムゲンエステートは首都圏中心に中古一棟マンション・オフィスの仕入れ再生販売を行う不動産会社で、再生不動産を主力に、賃貸・開発も展開していて、安定した収益基盤を持ちます。あかつき本社は、首都圏中心に不動産再生、賃貸、開発を行う企業で、中古一棟物件の仕入れ再生を主力とし、賃貸収益と売却益の両輪で事業を展開しています。

<リノベーション企業割安銘柄(グロース市場以外も含む)>

市場 社名 証券
コード
株価 PBR 割安感解消
PBR 株価 上昇率
G LA HD 2986 2,654 2.1 3.9 4,900 85%
S ムゲンエステート 3299 1,708 1.2 2.8 3,800 122%
S あかつき本社 8737 608 0.9 3.0 2,100 245%
※市場区分はPがプライム市場、Gがグロース市場、Sがスタンダード市場
出所:各社資料より作成

2位:シンメンテHD

 シンメンテホールディングス(6086 東証グロース)は、ビル・商業施設・マンションの設備保守・清掃・警備を統合的に提供する総合メンテナンス企業グループです。中核子会社シンメンテは、設備点検・修繕・清掃を一括で担う「ワンストップ型FM(ファシリティマネジメント)」を強みとし、全国の商業施設や大規模物件を対象に事業を展開しています。

 グループとして、人材育成と技術標準化を重視し、設備保守の品質向上と効率化を推進。さらにDXによる点検データの可視化や遠隔管理を進め、予防保全型のサービスモデルへ転換を図ることで、安定収益と長期契約の拡大を目指しています。

 シンメンテHDが行うビルメンテナンス事業の同業他社には、スターツコーポレーション(8850 東証プライム)、日本管財ホールディングス(9347 東証プライム)、日本空調サービス(4658 東証プライム)などの企業があります。

 これら上場ビルメンテナンス企業主要10社について、上述の通り、収益性についてはROEを、株価評価についてはPBRを適用した散布図を作成すると、おおむね比例関係にあることが分かります。

 その中で、シンメンテHD(英語名:Shin Maint Holdings)は割安方向にずれています。現在同社の株価は過去一年間レンジ相場にある中で1,063円(PBR4.3)となっていますが、同業他社比の割安感が解消された場合のPBR(散布図の青破線に乗る水準)は6.8であり、相当する株価は1,700円(60%上昇)です。

<主なビルメンテナンス企業10社のROEとPBRの関係>

主なビルメンテナンス企業10社のROEとPBRの関係
出所:各社資料より作成

 なお、分析対象とした10社の中で、東証グロース銘柄ではありませんが、スターツコーポレーションとハリマビステム(9780 東証スタンダード)はシンメンテHD以上に割安感が大きい銘柄です。

 スターツコーポレーションは、賃貸管理、仲介、開発を中心に、住宅、オフィス、ホテル、介護、出版まで展開する総合生活サービス企業です。ピタットハウスを全国展開し、管理戸数は国内最大級です。ハリマビステムは、ビル、商業施設、病院、学校などの設備管理、清掃、警備を行う総合ビルメンテナンス会社です。

<ビルメンテナンス企業割安銘柄(グロース市場以外も含む)>

市場 社名 証券コード 株価 PBR 割安感解消
PBR 株価 上昇率
G シンメンテHD 6086 1,063 4.3 6.8 1,700 60%
P スターツコーポレーション 8850 4,595 1.2 2.4 9,400 105%
S ハリマビステム 9780 948 0.8 1.9 2,200 132%
※市場区分はPがプライム市場、Gがグロース市場、Sがスタンダード市場
出所:各社資料より作成

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