経済迷走の中、習近平総書記が中央政治局会議で経済情勢・政策の議論を主導
中国共産党の最高意思決定機関である中央政治局が7月30日、会議を召集し、習近平総書記の司会の下、経済情勢・政策を巡る議論を行いました。中国では往々にして、本格的な夏に入る8月直前の中央政治局会議で経済情勢・政策が議論され、上半期の状況を検証しつつ、下半期に向けた対策が打ち出されます。
4-6月期の中国実質国内総生産(GDP)は前年同期比4.3%増にとどまり、今年の年間目標である4.5~5.0%増を四半期ベースで下回りました。また、直近、7月の統計を見ると、貿易は相変わらず堅調で、輸出はドル建てで前年同月比23.9%増、輸入は同27.5%増となりました。
輸出に関しては市場予想を上回りましたが、人工知能(AI)インフラ構築の動きがハイテク製品需要を押し上げました。トランプ米政権による関税引き上げを前に輸出業者が出荷を急いだ表れとも見ることができます。
実際、米国政府は7月、中国製の新型ロボットやインバーターを対象とする新たな輸入規制を発表。今月に入ると、半導体や太陽光パネルの原材料で主に中国が生産するポリシリコンを使った製品に対し、最低価格制度と15%の関税を導入しています。これら米国発の規制措置が中国の対外輸出全体にどう影響していくのか要注目です。
7月31日に国家統計局は製造業購買担当者指数(PMI)を発表しましたが、7月は49.2。前月を1.1ポイント下回り、好不況を判断する節目の50を5カ月ぶりに割り込みました。同時に発表された非製造業PMIは49.0で前月を1.2ポイント下回り、3カ月ぶりに節目を割り込んでいます。
国家統計局が8月9日に発表した消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)を見ると、CPIは前年同月比0.5%上昇で6月(1.0%上昇)から鈍化、6カ月ぶりの低い伸びとなりました。PPIは3.5%上昇で6月(4.1%上昇)から鈍化。3カ月ぶりの低い伸びとなりました。背景には、エネルギー価格高騰の緩和が影響したと思われます。
このように、中国経済を巡る現状は国内外の構造的要因の影響を受ける形で迷走しています。そんな中、習近平氏が下半期に向けた経済政策をどう主導するかがより重要になっていると私は認識しています。