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夫の退職で無収入に!お金の不安をなくすため専業主婦が500万円から始めた米国株投資 米国株投資家 ナスダッ子さんインタビュー[前編]

2026/8/23 11:00

 約30年間の専業主婦生活を経て、50代後半から米国株投資を始めたナスダッ子さん。ご主人が64歳で退職し、年金受給までの1年間が無収入になる不安から、約6,000万円の資産運用を決意しました。個別株への投資経験がなかったナスダッ子さんが、米国株投資へ踏み出すまでの道のりを伺います。

目次
  1. 東京で自立して働きたい。落合恵子さんに憧れて出版社へ
  2. 生後4カ月の子どもとベルギーへ。未知の環境を楽しんだ行動力
  3. 投資信託歴は約30年。それでも知識が身につかなかった理由 
  4. 64歳で夫が退職。「無収入の1年」が投資を学ぶ転機に
  5. Appleの記事で気づいた「好きな企業に投資する」選択

ナスダッ子さんプロフィール

ナスダッ子さん
米国株投資家。大手出版社で編集者として働いた後、約30年間、専業主婦として子育てに専念。夫の退職を機に50代後半から米国株投資を始め、約6,000万円だった資産を最大約5億5,000万円まで増やす。現在は投資家としての活動の傍ら、青山のセレクトショップ「nuancier(ヌアンシエ)」の経営や、毎週金曜日18時に開店する銀座の「スナック ナスダッ子」のママなど、多方面で活動中。
X:ナスダッ子 @AvFRoosevelt
書籍:『専業主婦、株式投資で4億円。』/著:ナスダッ子/2026年05月21日発売/フォレスト出版/1,958円(税込)
スナック ナスダッ子公式Instagram:@snack_nasdaqqo

東京で自立して働きたい。落合恵子さんに憧れて出版社へ

トウシル:ナスダッ子さんは50代から投資の世界へ飛び込み、大きな成果を出されていますが、もともとはどのようなキャリアを歩んでこられたのでしょうか?

ナスダッ子さん:群馬県在住で、ラジオ番組で落合恵子さんのお話を聴いて、「東京に出て、キャリアを持って自立して生きる女性になりたい」という強い憧れを抱いていた女子高生でした。

 ファッションや音楽、新しいカルチャーが大好きで、とにかく早く東京で独り立ちしたかったんです。当時は男女雇用機会均等法の施行前で、短大生の求人倍率が非常に高い時代でしたので、都内の短大を卒業後に大手出版社に就職しました。

トウシル:出版社ではどのようなお仕事をされていたのですか?

ナスダッ子さん:法令集などを扱う堅めの出版社で、本を出したい方の自費出版などを担当させていただきました。当時は自費出版が盛んな時期で、著者の方も本作りに慣れていないことが多かったため「体裁や装丁も含めて提案してください」と、若手にも自由に任せてもらえる空気がありました。

 未熟ながらも自分の提案が形になる、自由度の高い仕事をできたのは良い経験になりましたね。

トウシル:当時の暮らしは、思い描いていた華やかな東京生活でしたか?

ナスダッ子さん:それが全く(笑)。西荻窪の家賃4万3,000円、お風呂もエアコンもない木造アパートに住んでいました。給料は11万~12万円ほどで、食費や光熱費を払うと、自由に使えるお金はほとんど残りませんでした。

 当時はバブル真っただ中でしたが、ブランド服なんて当然買えませんし、大好きな海外アーティストのライブがあってもチケット代が出せず、指をくわえて見ている状況で、東京で生活していくのに精いっぱいでした。そのころ、マイケル・ジャクソンが来日したのですが、とても手が出せず、「今はダメだけど、いつか行こう」と思っているうちに、本人が亡くなってしまい…。

トウシル:それは悔しい経験ですね…。

ナスダッ子さん:はい。「あの時に行っておけばよかった」という後悔は、今も残っています。「次」や「今度」が必ずあるとは限らないんですよね。

 だから、子育てを終え、投資で資金を得た今は、好きなアーティストが来日したら、できるだけ良い席でライブを見るようにしています。今やりたい体験にお金を使うようになったのは、お金に余裕がなかった20代の経験が原点にあると思います。

生後4カ月の子どもとベルギーへ。未知の環境を楽しんだ行動力

トウシル:ナスダッ子さんは「専業主婦」と書籍のプロフィールにもありましたが、26歳でご結婚し、お仕事を辞められたんですか?

ナスダッ子さん:夫が新聞記者で、結婚する時にはすでに海外転勤が決まっていたんです。結婚1年目に子どもが生まれ、その2カ月後に夫が先にベルギーへ渡りました。私は首が据わったばかりの生後4カ月の子どもを抱えて、2カ月遅れで後を追いました。

トウシル:生後4カ月のお子さんを連れて異国へ渡るのは、大きな決断ですね。

ナスダッ子さん:周りからは心配されましたが私はワクワクしていました(笑)。夫は赴任後も周辺国への出張ばかりでほとんど家におらず「せっかく欧州に来たのに、部屋で留守番をしているだけではもったいない」と思い、0歳の子どもを連れて周辺国を旅するようになりました。

 最初は初めての海外で不安もありましたが、何度か出かけるうちに「自分でも大丈夫そうだな」と思えるようになったんです。最後には子どもと二人でアフリカまで足を延ばすほど、現地での生活を満喫していましたよ。

トウシル:すごい行動力です! 言葉や環境の壁に不安はありませんでしたか?

ナスダッ子さん:現地ではフランス語や英語が交わされていましたが、分からないことがあれば家庭教師を頼んだり、周りの人に助けを求めたりしながら乗り越えました。また、私は先が見えるような生活よりも、次々と起きる新しい課題や問題を一つずつクリアしていくような生活の方が好きなので、多少不自由があるくらいがちょうどよかったです。

トウシル:その後、ご主人の転勤で帰国されたと伺いました。日本に戻ってからの生活はどうでしたか?

ナスダッ子さん:30歳を過ぎて日本へ戻り、その後は専業主婦として暮らしました。ベルギーは子育て支援が手厚く、女性の就業率も非常に高い国だったので、そうした社会を経験した後、日本に帰ってからは我慢の時間が長かったと感じます。

 またその頃は、四年制大学を出た女性が男性と同じように働き、キャリアを積むのが当たり前の社会へと変わりつつありましたので、「私も仕事を続けていたら、別の人生があったのかな」と、もやもやする気持ちを抱えることもありました。

投資信託歴は約30年。それでも知識が身につかなかった理由 

トウシル:投資はいつ頃から始めたのでしょうか?

ナスダッ子さん:日本に戻った頃、義理の母からの勧めがきっかけで投資信託を始めました。義母は商売をやっていた人で、事業の苦労も経験していたため、お金に関して非常に現実的で聡明な人だったんです。「あなたは専業主婦で厚生年金がないのだから、今のうちに個人年金や積み立てをしておきなさい」と具体的にアドバイスをしてくれました。

 そのおかげで、バブル崩壊直後のまだ利率が高かった時期に終身の個人年金へ加入でき、普段の余剰資金も銀行ではなく証券会社のMMF(マネー・マネジメント・ファンド:主に国債、地方債、社債など信用力の高い短期金融商品に投資する投資信託)で運用する習慣がつきました。

ナスダッ子さん
夫の海外赴任も、不安よりもワクワクして飛び込んだ。帰国後は育児に追われて自由の少ない期間が続く。「投資信託などの基本的な投資も、営業されるままに売買していて、まったく身につきませんでした。今から思うと本当にもったいない…。若い方々にぜひ[投資は早く始めて!]と言いたいです」

トウシル:早くから金融リテラシーの高い環境におられたのですね。

ナスダッ子さん:本当に義母のおかげですね。そんな「師匠」が身近にいたにもかかわらず、投資の勉強は全然していなくて…。

 投資信託を購入するときも、証券会社の営業パーソンから「皆さんこれに買い替えていますよ」「この商品がおすすめです」と言われるままに買い替えを繰り返し、漫然と放置していました。今振り返れば、投資信託を始めてからの30年間、もったいない時間の使い方をしてしまったと思います。

トウシル:30年間! そうはいっても、何かしらの知識は身についたのでは……?

ナスダッ子さん:全く身につきませんでした(笑)! リーマン・ショックが起きた時も、「個別株なんてやっていなくてよかった」「投資信託で資産を守っていて正解だった」と思っていたくらいです。

 今なら、相場が大きく下がった後は買い場になる可能性があると考えますが、当時はそうした発想すらありませんでした。自分で勉強していなかったので、世間で言われていることや、漠然とした怖さをそのまま信じていましたね。

 今から投資を始めたいと思っている方には「証券会社の担当者がたじたじになるくらい勉強して、対等に議論できるくらいになりましょう!」とお伝えしています。

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