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米株V字回復で再注目のオニール式・相場底打ちサイン。機関投資家の売買とダマシ回避(土信田雅之)

2026/8/7 8:00

 NYダウやS&P500が最高値を更新し、復調傾向が見られます。その中で注目されたのが米著名投資家・オニール氏の底打ちサイン「フォロースルーデー」です。機関投資家の動向を読み、安易な底値拾いを避け、買い戻しのタイミングを見極めるためのものです。近年の相場では、ダマシを防ぐ「ディストリビューションデー」を併せるとさらに有用です。

目次
  1. 復調傾向で迎えた8月の米国株市場
  2. 相場の底打ちサインとして注目される「フォロースルーデー(FTD)」とは?
  3. 「ディストリビューションデー」について
  4. (おまけ)フォロースルーデーの背景にあるオニール流成長株投資「CANSLIM」の思想

復調傾向で迎えた8月の米国株市場

 8月相場入りとなった今週の米国株市場ですが、これまでのところ、先月末から見せ始めた相場の戻り基調が継続している格好となっています。

<図1>米主要株価指数のパフォーマンス比較(2025年末を100)(2026年8月5日時点)

<図1>米主要株価指数のパフォーマンス比較(2025年末を100)(2026年8月5日時点)
出所:MARKETSPEEDIIおよびBloombergデータを基に作成

 図1は昨年(2025年)末を100とした米主要株価指数のパフォーマンスを比較したものですが、7月30日あたりからそろって株価が反発している様子がうかがえます。

 7月相場で株価下落を主導していたAI・半導体関連銘柄が買い戻される動きとなっているほか、中東情勢への不安後退などが買い材料となりました。

 また、株価指数を個別に見ていくと、ダウ工業株30種平均やS&P500種指数、中小型株で構成されるラッセル2000が今週に入って最高値を更新する場面を見せています。

 その一方で、半導体関連銘柄で構成される米SOX指数と、テック企業が集中している米ナスダック総合指数については、まだ最高値までに距離を残してはいるものの、復調傾向をたどっていることが確認でき、AI・半導体関連銘柄から主力株、そして中小型株に至るまで、幅広い銘柄に買いが波及していることを踏まえると、足元の米国株市場のムードは7月からかなり改善しているといえそうです。

相場の底打ちサインとして注目される「フォロースルーデー(FTD)」とは?

 こうした、相場の反発局面において注目されていたのが、相場の底打ちから反発のサインとされる「フォロースルーデー(FTD:Follow Through Day)」の出現でした。

 フォロースルーデーとは、米国の著名な投資家ウィリアム・オニール(William J. O'Neil)氏が考案し、米国株市場で知名度のあるシグナルのひとつです。

 一般的に、フォロースルーデーが認定されるまでの流れは以下の通りです。

【底打ちの試み(Day1)】
 まず、下降トレンドが発生している中で、株価がその日の安値から反発してプラスで引けるか、前日比で上昇して終わった日に注目し、この日を今後の相場が底打ちするのかどうかを見極める基準日「第1日目(Day1)」とします。

【底値の保持(Day2〜Day3)】
 その後、数日間(2~3日)の株価がDay1の安値を割り込まずに持ちこたえられるかを確認していきます。もし途中でDay1の安値を下回ってしまった場合、カウントはリセットされ、再び最初からやり直しとなります。

【強力な上昇と出来高の増加(Day4以降)】
 そして、4日目以降(一般的に4〜7日目の間に起きやすい)に、株価が前日比で大幅に上昇(目安は1.25〜2.0%以上の上昇、市場のボラティリティなどに応じて調整)、さらに、出来高も前日を上回っている日が出現すると、この日を「フォロースルーデー」とし、トレンドの底打ちから反転サインになります。

 こうしたフォロースルーデーの考え方の背景には、「機関投資家の投資行動」があります。

 ヘッジファンドや投資信託などの機関投資家は、運用資金が巨額であるため、底値をつけた1日だけで一気に買い注文を執行し終えることができません。彼らが本格的に買いに転じたのであれば、数日間にわたって徐々に買い注文を入れることになり、確信を深めるにつれて買い注文が増え、その結果として出来高を伴った株価上昇が継続していくことになります。

 つまり、フォロースルーデーとは、こうした機関投資家による「本気」の買い転換を、出来高と株価の動きを確認しながら探っていく手法といえます。

 そのため、フォロースルーデーは「下落トレンドが明確であるほど底打ちサインとして効力を発揮しやすい」という特徴があり、7月の株価下落局面で、50日移動平均線がサポートとして機能していたNYダウよりも、株価が50日移動平均線を下抜けて、直近高値から約10%下落していたナスダック総合指数の方が効力を発揮しやすいといえます。

 過去においても、相場が急落した場面ほど、このフォロースルーデーが注目されることが多いようです。

 また、このフォロースルーデーについて大事なことは、その背景にある考え方であって、「Day4以降の株価上昇の目安」などの基準にあまりこだわり過ぎず、柔軟性を持つことです。

 実際、近年の相場では、株価指数が先物・オプション取引およびレバレッジ型上場投資信託(ETF)などの影響を受けて、値動きが荒くなる傾向があり、先ほどの基準(前日比1.25〜2.0%の上昇)に当てはめて判断すると、いわゆる「ダマシ(失敗)」に遭遇してしまうことも考えられます。

 そのため、注目している株価指数が日々、どのくらいの変動率で推移しているのかを踏まえながら条件を厳しくしたりして判断することが重要になります。

 少なくとも、フォロースルーデーについて知っておくことで、「無駄な底値拾い(落ちてくるナイフをつかむ行為)」を減らし、最も期待値の高い相場反転のタイミングで打診買いができる可能性が高まります。

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